フランス料理には、ポタージュクレシーという美味しいにんじんポタージュがあります。私の菜園では美味しいにんじんが採れるのが自慢で、たっぷり採れたら、私も夫も好物のポタージュクレシーを作ります。
写真から美味しさが伝わるといいな。ポタージュクレシーは、にんじんの美味しさ、甘さ、クリームの美味しさが優しく交わってできる、にんじんのクリーミーポタージュです。
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料理の世界には、「塩こしょう」や「Salt & Pepper」という言葉があって、それは、塩とこしょうは料理の味付けのセットであり、よく1つの料理に同時に使われることを意味しています。確かに、塩単独では塩気がきつい印象をもち、こしょうを併せたほうが塩気が抑えられる印象があります。
でもまあ、印象だけで物事を書いても話がそこで終わってしまうので。
だけど、家庭で減塩実験を行って、仮にそれが成功して、「こしょうを入れたほうが減塩で美味しい♪」という対立仮説が検証できたとしても、比較した結果美味しくないほうのポタージュは、無駄に作成されてしまってもったいないと思いました。
そこで今回の検証方法としては、塩とこしょう(今回は白こしょう使用)を使ったポタージュクレシーのレシピと、流通量の多いと思われる市販のポタージュとで、それぞれの塩分濃度を算出し、比較の一例を示してみることにします。
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何のフィルターもなく、「市販のポタージュ」で思いついたもの。
製造販売元がレシピを公開しています(≫こちら)。
▼塩分濃度を計算
- インスタントパウダー17 g中に塩分1.2 gが含まれ、そこに湯150 mLを足す。
- パウダーの比重を0.5程度と仮定すると溶解後総体積は159 mL程度。
- 1.2 g/159 mL≒0.76 w/v%
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ポタージュクレシーのレシピは以下の通りです。
材料(4人分):
- 玉ねぎ
- 中1個
- にんじん
- 中3本
- バター
- 大1.5
- チキンストック(※1)
- 700 mL
- トマトピューレ(※2)
- 大1
- ごはん(※3)
- 大2
- 塩
- 小2/3
- ホワイトペパー
- 小1/5
- 生クリーム(※4)
- 100 mL
- パセリ
- 少々
※1:チキンストックは、今回は鶏のゆで汁を使用しています。
※2:トマトピューレはスープの赤みを増すために加えるもので、ない場合は省いてもよいです。
※3:ごはんは残りごはんがよいです。
※4:生クリームは植物性ホイップでもよいです。
作業工程:1 時間
- 玉ねぎとにんじんを粗みじん切りにする。
- 鍋にバターを入れ、中火にかけてとかし、玉ねぎを入れ、色づき始める直前まで炒める。
- 鍋ににんじんを入れ、5分ほど炒めて火を通す。
- チキンストック、トマトペースト、塩、白こしょう、ごはんを入れ、ふたをして30分、ときどきかきまぜながら弱火で煮る。
- 火を止めてしばらく置き、粗熱を取れて食べられる温度になってから生クリームを入れて全体を均一に混ぜる。
- 味見をして塩加減などを好みに調える。
- 器に注ぎ、あれば刻みパセリをトッピングして出来上がり。
- Enjoy!
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▼塩分濃度を計算
- 野菜体積を含め、総量を1000 mLと概算する。
- 小さじ1杯の塩の質量を6 gとし、小さじ2/3の塩の質量を4 gとする。
- 4 g/1000 mL=0.4 g/100 mL=0.4 w/v%
では、両者を比較し、考察します。
- 市販品ポタージュの塩分濃度0.76 w/v%に対し、本レシピの塩分濃度は0.4 w/v%である。
- よって、市販品ポタージュに比して本レシピの塩分濃度は、(0.76-0.4)/0.76×100=47.4より、ほぼ50%の減塩となっている。
- また、上記市販品ポタージュには別途「40%減塩タイプ」も市販されているが、本レシピの塩分量はそれよりもさらに減塩タイプであることが分かった。
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50%の減塩って、嬉しいですね。
これからも、スパイスを活用しながら、塩味を抑えてももの足りなさを感じずおいしく減塩できることを、もっとたくさんの人に知ってほしいと思います。