ラタトゥイユは日本でも有名なフランス料理です。しかし、ニース料理の本(洋書の翻訳版)を読むと、有名になったがためにラタトゥイユと呼べないまがいものが増えたことに嘆く一文が目に留まりました。
そうして、今まで自分がラタトゥイユだと思い込んできた料理を見直すきっかけを得ました。ただ野菜を煮る料理じゃない。1つ1つの野菜に尊敬を込めて、1つ1つの野菜を最高の状態にして、風味を失わずにあわせる芸術だということを学びました。
ニース料理書によると(抜粋)、
「言うまでもなくラタトゥイユはニース伯爵領の料理の中で最も有名で多分最も好評な料理のひとつです。しかし本によっては真のニース風の材料の分量を示していないことがよくあります。またレストランによっては煮すぎたり煮えていなかったり煮が足らなかったりベタベタしたりムラがあったり歯ごたえが悪いこともあります。ラタトゥイユは一般に言われているほど優しくなく、調理に時間のかかる難しい料理です。」
その作り方のコツの要点は、「具の一種類一種類を最適な状態に火を通して、最後に合わせる」のです。確かに、玉ねぎとなすでは火の通り方や煮溶け方が違います。すべての具を最適な状態にするためには、炒める時間も炒め方も違うのです。
作ってみました。
ああ、素晴らしい。野菜を一種類ずつ加熱するから、すべての具が最高の美味しさ加減です。
以下に実際に日本で作ったラタトゥイユのレシピ一例を載せますので、ニース発祥と言われる芸術を是非作ってみてください。夏野菜が美味しい季節なら、あなたのラタトゥイユも最高の出来栄えです。
材料(4~6人分):
- 玉ねぎ
- 中2個
- オリーブオイル
- 大7(※1)
- 塩
- 大2弱(※1)
- ピーマン
- 5個
- なす
- 中3本
- 薄力粉
- 大1(※1)
- ズッキーニ
- 1~2本
- トマト
- 6~8個
- にんにく
- 5かけ
- バジルの葉
- 20枚
- 乾燥タイム
- 小1/2
- イタリアンパセリ
- 刻んで大2
※1:オリーブオイルと塩と薄力粉は、野菜をそれぞれ調理するときに分割して使用します。ここでは総量の目安を記載しています。
作業工程:1 時間
- 玉ねぎを縦2つに切り、繊維に沿って5mm厚さにスライスする。
- フライパンにオリーブオイル大1/2と玉ねぎと塩小1/3を入れて中火で炒め、生っぽさがなくなるまで火が通ったら煮込みの鍋に移す。
- ピーマンのヘタと種を取り、縦2つに切り、斜めに5mm幅にスライスする。
- フライパンにオリーブオイル大1/2とピーマンと塩小1/3を入れて中火で炒め、生っぽさがなくなるまで火が通ったら煮込みの鍋に移す。
- なすを1cm厚さの輪切りにし、薄力粉大1/2を薄く全体にまぶす。
- フライパンにオリーブオイル大3となすと塩小1を入れて中火で炒め、両面に油がなじみ、なすに火が通ったら煮込みの鍋に移す。
- ズッキーニを1cm厚さの輪切りにし、薄力粉大1/2を薄く全体にまぶす。
- フライパンにオリーブオイル大2とズッキーニと塩小1を入れて中火で炒め、両面に油がなじみ、ズッキーニに火が通ったら煮込みの鍋に移す。
- にんにくをみじん切りにし、トマトのヘタを取って6等分くらいに切り、イタリアンパセリを粗みじん切りにしておく。
- フライパンにオリーブオイル大1を入れて中火で加熱し、にんにくを入れ、香りが出たらトマト、バジルの葉、乾燥タイム、イタリアンパセリを入れ、フタをしてトマトにしっかり火を通す。
- トマトが崩れてきたら木ベラでトマトを潰しながら、濃いめのトマトソースを作る。
- 炒めた野菜が入った煮込みの鍋にトマトソースを入れて中火で加熱し、やさしく全体を和え、トマト風味を全体になじませる。
- はがれたトマトの皮を取り除き、味見をして、塩加減などを好みに調えて出来上がり。
- Enjoy!
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