南北に長いイタリアは、地中海の中央に突き出る長い半島で、その半島の西には、サルディニア島(サルジニア、サルデーニャとも)があります。ここで夕食に食べた「グランタリエーレ」がとっても素敵♡だったので -同じものは作れないけれども- 自宅でのワインディナーに、サルディニアのグランタリエーレの思い出を盛り込みました。
* * *
アルゲーロの街にて。晩ごはんを食べようと、レストランを探しました。イタリアは通路にメニューが掲げられているので、お店探しにとても良いです。
このメニューを見たとき、夫が「この店に入ってこれを食べよう」と言いました。
この、上から2つめにしよう。
え、22ユーロ?4000円?びっくり!前後の中でズバ抜けて高いね。
うん、昔イタリアに来たとき、こういうの食べて美味しかった記憶があってね。
料理名は、タリエーレ(※)か。
ちゃんとは覚えてないけど、こんな感じだった。
※綴りはTagliereだが「gli」はギが入ったようなリの音であり、タグリエーレとは読まない。
店内では、白ワインとパスタと、そのグランタリエーレミスト(Gran tagliere misto)を注文しました。
- グラン(Gran)・・・大きな
- タリエーレ(Tagliere)・・・プレート(大抵はウッドボード乗せ)
- ミスト(misto)・・・ミックス
つまり、グランタリエーレミストは、大きな冷製盛り合わせというような意味になります。
来た!来た!!
わー!!素敵♡♡♡♪
生ハムやサラミやチーズだけでなく、キッシュ、いちじく、ゆでたソラマメ、オリーブ、玉ねぎ炒めなど、野菜系の料理も乗っています。
もちろんワインはおかわり必至です。イタリアの美食がそのままあふれ出るような、このタリエーレ(プレート盛り合わせ)は、イタリアに来てよかったと思えるほどの素晴らしい一皿でした。
別の角度から。
3つ、赤い球体がありますよね。これはトマトではなく、ペペロンチーニリピエーニディトンノ(唐辛子にツナを詰めたもの)♪ 私の大好物の、ピリ辛いお惣菜です♪
ペペロンチーニリピエーニディトンノは、こうしてお惣菜としてもビン詰めとしてもイタリア中で売られています。
* * *
帰国後、ずっと、このタリエーレに憧れていました。
折角ならゆっくりできる夜に楽しみたいと思って、やっと用意が叶って出来た、我が家のワインディナーです♪ 生ハムを揃えるところから始め、チーズやその他の加工肉を用意し、ソラマメをゆでて、盛り付けて、タリエーレの思い出に近づけるようにしました。パンと生野菜も用意しています♪
大好物のペペロンチーニリピエーニディトンノ(唐辛子とツナ)は、日本には赤くて丸くて小さい唐辛子がないので、家で栽培及び収穫をした、シネンセ種の唐辛子(アフリカピマン)の赤をツナと共にオイル煮にして、同じ味を作りました。
食べると、ツナの風味とオイルの旨味と唐辛子の甘味と辛味が重なって、本当に美味しいものだと思います。
それから、イタリアの国旗は緑と赤と白の3色が使われているので、ちょっと遊びで、グリーンペッパーとレッドペッパーを白いチーズの上に散らしてイタリア色を作りました。カラフルなこしょうはこういう遊びに使えるから楽しいですね♪ あとは好物のブラックペッパーも加えたことで、彩りと風味の両方が揃いました。
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レシピは簡単です。
材料(2人分):
- ツナ缶オイル漬け
- 大1つ
- 生唐辛子
- 3本
- オリーブオイル
- 必要なら少々
- ソラマメ
- 20粒
- 高級ベーコンブロック
- 5cm
- 高級ハムブロック
- 5cm
- 生ハム
- 10枚
- 別の生ハム
- 10枚
- モッツァレラチーズ
- 大1個
- ピンクペッパー
- 少々
- グリーンペッパー
- 少々
- ブラックペッパー
- 少々
作業工程:30 分
- ツナ缶をオイルごと小鍋に入れ、生唐辛子を粗みじん切りにして小鍋に入れ、中火にかけ、ツナをほぐしながらオイル煮にする。オイルが足りない場合はオリーブオイルを追加する。
- ツナがほぐれ唐辛子に火が通ったら火を止め、自然に冷ましておく。
- ソラマメのお歯黒の部分(黒いシミがある部分)に包丁を少々入れ、沸騰した塩水(分量外)に入れて1分間ゆで、ザルにあげておく。
- ベーコンブロックとハムブロックを10枚に切る。
- チーズを厚さ5mmに切る。
- ウッドボード(あるいは平皿)に、生ハムを2つ折りにして、ずらして重ねて並べる。
- ベーコンとハムとチーズをずらして重ねて並べる。
- 小さな器にツナと唐辛子を入れて乗せ、食べやすい位置にゆでたソラマメを乗せる。
- チーズの上に、ピンクペッパー、グリーンペッパー、ブラックペッパーを好みで乗せてできあがり。
- Enjoy!
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タリエーレ~、美味しいね♪
イタリア料理ってしょっぱくて油が多いからワインが進むw
ホント、イタリアに30日いたときは、ちょっと胃がしんどかったね。
ところでさ、イタリア語のタリエーレって、絶対インドのターリと同じ語源よね。
ターリってステンレスの皿だろ
そうそう、盛り合わせるのに。
インドが先かな、ローマが先かな
アラブが運んだかもしれんぞ
ペルシャ起源かもしれないし
そういう研究結果は探せば見つかるかもしれないし
見つかんなきゃおまえがおまえなりに検証して仮説立てるってのもやってみるといいんだぞ。その過程が必ずすごい勉強量になるから。
だねー。でもローマの世界史は苦手だから、もちょっと下積みしなくちゃだけどね(苦笑)
(世界史の本を持って来て)ローマの歴史だったら、こことこことここをまず読め。それからここからここまで読む。そうやると、頭に入るぞ
は~い(汗)
ひとつの料理、
ひとつのレシピ。
そこから、地球が見えてきます。
これって素敵なことですよね。
体系的な勉強ができるなら、入口はどこだって構わない。
私は、親に塾に行かせてもらって成績が良くなった子よりも、庭や公園で遊び、釣りをし、新聞を読み、そういう能動的な行動から知る欲求を養って成績が良くなった子のほうを好ましく思う派です。塾なんて、自分がこれまで高めてきた学力を確認する程度(そしてプラスアルファが得られれば御の字程度)のほうが絶対いいに決まってる。
人は、勉強の入口から、自分で探せるほうがいい。
もうひとつ、どんな人生を歩むにしても、勉強はできるほうがいい。
・・・このあたりは、教育業に就く私の教育の言葉でもあります。
今回の、イタリア料理の名前がインド料理の名前に似ていることが、古代ローマから勉強し直そうというきっかけになりました。食育という言葉が「食を入口にした教育」という意味で捉えられるなら、食材や料理名を導入点として勉学を育み、それが学問の習得になるならば、今日の料理や会話も、そして学ぶ者が私のように大人であっても -勉強は一生続くものなので- 大変に有意義なことだと思うのです。
ただ、苦手な人に教材を与えても、うまく習得できません。そこに必要なものは、第一に能動的な学習意欲と、第二に適切な指導媒体(人や本)です。指導媒体が人である場合、それは教育者です。先生でなくてもいい、導いてあげる人であればいい。今日の私の夫がそうであるように。
・・・こういった私の日記は小さな存在でありますが、教育を考える人や、食育を考える人の、なにかどこかで心の琴線に触れる機会となるならば、私はとても嬉しいです。