私は調べものが好き♪ そして調べるきっかけは、いつも「知りたい」と思うことから始まります。
今回のきっかけは、キュラソー料理を語る「Krioyo」が読めなかったこと。
黒人と白人の混交が人にも文化にも見られるキュラソーですから、それがクレオール(黒人と白人の混交)を意味することは分かるのですが、さて、パピアメント語で何と発音するのでしょうか? それを探し、いろいろなものを読んでいたとき、英語Wikipediaのキュラソーのページ(≫こちら)に「Local food is called Krioyo (pronounced the same as criollo, the Spanish word for “Creole”)」(地元料理はKrioyoと呼ばれ、その発音は、クレオールのスペイン語である「criollo」と同じ。)という記述を見つけました。
え?ほんと?
スペイン語のドブレエル(ll)の発音は地域差が大きいんです。「llo」は、ジョやリョと読むことが多いけれど、ショと読む国もあるんです。私が「criollo」を見ると「クリオージョ」と発音します。
では?さて? キュラソーでは「Krioyo」を、本当にWikipediaに書いてあるように、criolloのスペイン語発音と同じ発音で読んでいるのかしら? キュラソーは南米の文化を強く受けていて、南米では「yo」を「ジョ」とも読むし・・・と、これが調べ始めるきっかけでした。
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まず、生の発音を耳にするために、動画を探しました。
やっと見つけた「Kanto Krioyo 2016」(≫こちら)。この3:47でしっかりと「クリオヨ」って発音されていました。
さらに、この「Kanto Krioyo 2016」はボネールの首都クラレンダイクの近郊にある、リンコンRinconという地域での開催であることが分かりました。
ボネールはキュラソーと共にABC諸島を構成する島。キュラソーの隣の島です。言語も同じパピアメント語。だからキュラソーでも、「Krioyo」は「クリオヨ」と発音することが強く推測されましたので、このサイトでも、パピアメント語圏で「Krioyo」が登場したら、クリオヨと片仮名表記をしていくことにします。
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キュラソーって、どんな国?
カリブ海南部・・・というよりも、もはやベネズエラの沖の島。かつての奴隷貿易の重要拠点の1つで、アフリカから移送されてきた黒人たちが、彼らの主要な祖先です。写真のように、街を歩く人の多くは黒人かクレオール(白人と黒人の混血)です。なのに石油を含めた商業貿易でも栄えたことから、街並みは欧州顔負けなほどに風光明媚。
なお、キュラソーはオランダ支配の歴史が長く、今は、オランダ本土と対等の位置でオランダ王国構成国の1つです。「今は」と書いたのは、この国家形態の編成が2010年に行われたばかり、新しい枠組みに属する国家なのです。知らないと「オランダと対等でオランダを構成」って意味も分かりにくいよね (;^_^A そのあたりは追って別記事に書こうと思います。