ブラジル料理

[last update 2018/09/09]

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【基礎情報】

国名:ブラジル連邦共和国Federative Republic of Brazil、首都:ブラジリア、ISO3166-1国コード:BR/BRA、独立国(1822年ポルトガルより)、公用語:ポルトガル語、通貨:レアル

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【地図】

ブラジルは南米最大の国で、大西洋側に面しています。南米大陸13か国のうち、エクアドルとチリを除くすべての国と接しています。

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◆「パンブラジリアン」を形成する、マクロ5地域のそれぞれの料理

ブラジルは世界第5位の広い面積をもつ南米の国で、人口はおよそ2億人です。広大なブラジルは、各地域の地理的特性や住民の起源などが多様で、文化の地域差が大きいのが特徴です。ブラジルは26州と1連邦直轄区からなる連邦共和制国家ですが、ブラジル地理統計資料院(IGBE)は文化や社会の相違からブラジルを5つ(北、北東、中西、南東、南)に大別しています。よって、ブラジル料理も、このマクロ5地域に分けて理解していくとよいのです。

シュハスコ
北部のローカルな食堂。大きな肉を串から直接皿に入れるシュハスコ。(撮影地パカライマ)

英語ガイドブックのブラジル料理の紹介ページは冒頭から「食のコングロマリット」(conglomerate)と書いていました。コングロマリットとはビジネスでは異種の複数の事業を経営する企業に使われる言葉で、料理の場合は複数の食文化の融合を意味します。なぜならばブラジルが均一でない。ブラジル人が均一でない。よってブラジル料理も均一でない。そこで上述のように、ブラジル料理を知るために国土をマクロ5地域に分けるとよいのです。以下その概要を記載します。

【南東部】
日本人によく知られるリオデジャネイロやサンパウロがあり、この地域だけで人口1億人弱すなわちブラジルの人口の半数を占め、5大地域で最も人口が多い地域です。民族的に最も多様で、白人が6割(イタリア由来の移民が多い)、日本人の最大移住先のサンパウロを含むことから日系人も大勢います。リオはポルトガル植民地時代の首都であり、ブラジル各地域の料理やポルトガル本土の料理も多く集まりました。ポルトガル料理の代表的食材であるバカリャウ(タラ)を使う料理も豊富です。真っ黒なフェイジョアーダ(煮豆)にコーヴェ(ケールの炒め物)とファロファ(キャッサバ粉を炒ったもの)とオレンジを添えるスタイルはリオで定番となりブラジル各地に広まる国民食にもなりました。

この地域では豚肉も鶏肉もよく食べられます。フランゴアオモリョパルド(血と野菜で煮た鶏肉)は不気味ですが味は抜群。イタリア由来の移民が多く、欧州の美食も定着しており、ピッツァ(ピザ)は日曜夜の伝統食であり、平日であっても夜に食べる料理です。100万人規模の日系人を擁するこの地域は日本人街も規模が大きく、日系人はスシ(寿司)やトーフ(豆腐)をブラジルの人気食にしました。

【南部】
ここは白人が8割! 南部地域は、東欧、中欧、南欧などの欧州移民の子孫が主体をなし、生活水準や都市化水準が最も高い地域です。ブラジル帝国時代は現在のウルグアイもブラジル南部の一部でした。パンパ(草原地帯)が広がるガウショ(牧童)の土地は、ウルグアイやアルゼンチンとの共通点です。ガウショの文化ゆえ牛肉が好まれ、南部のシュハスコ(串刺し焼き肉、シュラスコ)は今やブラジルのどこに行っても人気料理ですし、世界中のブラジル料理店の目玉料理です。ガウショの文化はエルバマテ(単にマテとも、冷茶のこと)にもみられます。

欧州の文化を強く受け継ぎ、レストランや家庭ではパスタやビールから食事が始まることも多い。ジョインビレやブルメナウなどほぼドイツ人で構成される街もあり、ソーセージやザワークラウトの料理もよく見られます。

【東北部】
バイア州を最大の州とする東北部は、ポルトガル人が発見したブラジルの最初の土地で、最初の首都サルバドールが置かれました。過去に数百万人のアフリカ人奴隷が移送され、現在もアフリカ人を祖先に持つ黒人系ブラジル人が多く、奴隷の料理がベースとなって受け継がれています。主要な3つの調味料は、レイテデココ(ココナッツミルク)、ピメントン(唐辛子)、デンデ(パーム油)で、有名なモケッカ(魚介類の煮込み)にはこの3つが使われています。一般には肉や魚がよく食べられるほか、この地域独特の郷土料理として、路上を歩くとたくさんのアカラジェ(豆粉揚げスナック)売りに出会います。なお、ブラジル国外のブラジル料理レストランではバイアの郷土料理がよく提供されます。それはバイア料理が独特で、見た目も味もエキゾチックだからです。

また、東北部の内陸はブラジルでは珍しい乾燥地帯です。乾燥地帯の主要食材はカルネセカ(干し肉)やカルネデソル(塩漬け肉)、カボチャなどで、これらも東北部料理の主要食材です。

【北部】
ブラジル北部は、アメリインディアン(南米大陸先住民)の文化が最も強く残る地域で、先住民の料理が受け継がれています。ほぼ全域がアマゾン熱帯雨林に属し、アマゾンの淡水魚の代表例として、ティラピア(和名カワスズメという魚)やピラーニャ(肉食魚で有名なピラニア)が人気食材です。その他、海の魚、キャッサバ、ヤムイモ、豆、果物などが食べられます。カルデイラーダ(魚の煮込み)やパトノトゥクピー(ジャンブーという痺れるハーブとキャッサバの汁を使うアヒル煮)が名物。ジャカレ(ワニの肉)も食べられています。

【中央西】
地理的特徴はカンポセハード、つまりブラジル高原に広がるサバンナ(アメリカのプレーリーのような土地)です。大牧場や大農園が広がり、豚も牛も多数飼育され、トウモロコシ、コメ、ケール、キャッサバなど、ブラジル人が好む食材がここでたくさん栽培されています。河川も多く、ドラードのような肉質の良い魚やピンタード(ナマズの一種)、ピラーニャ(ピラニア)が人気食材です。この地域では美味しい食材が数多く採れることから料理の味付けはシンプルだそうです。

またセハードの食材ではペキ(チーズ風味というか独特な味の脂肪の多い果実)が好まれ、アホースコンペキ(ペキの炊き込みご飯)やフランゴコンペキ(鶏肉とペキの炒め煮)として食べられています。

* * *

以上、5つの地域を概観しました。

ブラジルは、キューバと並んで人種差別が少ない国と言われています。「異なるものとも共存する」ブラジルのお国柄ゆえに各地方の料理は互いに受け入れ合い、更に多くの移民(アラブ人や日本人など)の料理とも混ざり合いました。そういった料理の集合がパンブラジリアン(Pan-brazilian、ブラジルを広く反映するという意味)となり、それこそが、ブラジル料理なのです。

以下には、主食、肉のおかず、豆のおかずといったように、食材別に各論を記載していく予定です。
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料理名一覧 Food & Drink Glossary

【主食類】
  • スシ(Sushi)・・・寿司
  • ピッツァ(Pizza)・・・ピザ
【肉のおかず】
  • カルネセカ(Carne seca)・・・干し肉
  • カルネデソル(Carne de sol)・・・塩漬け肉
  • ジャカレ(Jacaré)・・・ワニの肉
  • シュハスコ(Churrasco)・・・串刺し焼き肉
  • ティラピア(Tilápia)・・・和名カワスズメという魚
  • パトノトゥクピー(Pato no tucupi)・・・ジャンブーやキャッサバ入りアヒル煮
  • フランゴアオモリョパルド(Frango ao molho pardo)・・・血と野菜で煮た鶏肉
【魚介のおかず】
  • カルデイラーダ(Caldeirada)・・・魚の煮込み
  • ドラード(Dorado)・・・肉質の良い魚
  • バカリャウ(Bacalhau)・・・タラ
  • モケッカ(Moqueca)・・・魚介類の煮込み
  • ピラーニャ(Piranha)・・・肉食魚、ピラニア
  • ピンタード(Pintado)・・・ナマズの一種
【豆類やイモ類のおかず】
  • アカラジェ(Acarajé)・・・豆粉揚げスナック
  • トーフ(Tofu)・・・豆腐
  • ファロファ(Farofa)・・・キャッサバ粉を炒ったもの
  • フェイジョアーダ(Feijoada)・・・煮豆
【野菜のおかず】
  • コーヴェ(Couve)・・・ケールの炒め物
  • ペキ(Pequi)・・・独特な味の果実
    • アホースコンペキ(Arroz com pequi)・・・ペキの炊き込みご飯
    • フランゴコンペキ(Frango com pequi)・・・鶏肉とペキの炒め煮
【調味料】
  • デンデ(Dendê)・・・パーム油
  • ピメントン(Pimentão)・・・唐辛子
  • レイテデココ(Leite de coco)・・・ココナッツミルク
【飲み物】
  • エルバマテ(Erba maté)・・・冷茶
  • マテ(Maté)・・・冷茶

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