ノルウェー料理

[last update 2023/11/30]

+++新着+++

  • 石油の発見年を石油生産開始年に変更しました。

【基礎情報】

国名:ノルウェー王国Kingdom of Norway、首都:オスロ、ISO3166-1国コード:NO/NOR、独立国(1905年スウェーデンノルウェー連合王国解消)、公用語:ノルウェー語(ブークモール語・ニーノシュク語)・サーミ語、通貨:ノルウェークローネ

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【地図】

ノルウェーは北欧のスカンジナビア半島西岸に位置する国です。東側のほとんどはスウェーデンと接し、北部の一部はフィンランド及びロシアと接しています。

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◆タラやトナカイを食べる寒冷地域の食文化は、大陸と移民の料理を得て豊かになった

ノルウェーは観光客に人気の国で、首都オスロを離れて観光客が出向くのは雄大な大自然。特にフィヨルドの地形や夜空のオーロラは見たら忘れられない印象的な風景です。ノルウェーは日本と同面積の国土に人口わずか500万人のみで、ノルウェーのどこへ行っても自然が損なわれることなく環境が保たれています。タラやトナカイなど伝統的なノルウェー料理の基本となる大切な食材は、こうした風土や大地に育まれています。

ノルウェー
ロフォーテン諸島のトルフィスク(干しダラ)。ノルウェーを代表する伝統食材(撮影地オー)

スカンジナビアの国にはノルウェー、スウェーデン、フィンランド(※)などがあり、日本人はそれらの国々に対し「北欧」の雰囲気の、似たイメージを抱くでしょう。しかし地理的にはノルウェーが極端に外海に面し、古代から人々が外洋に乗り出しており、一方でスウェーデンやフィンランドは内海の国でむしろ食文化は野山の食糧が支配的です。

※フィンランドは国土のごく一部がスカンジナビア半島含まれるのみであるため狭義にはスカンジナビア諸国には位置づけられないが、広義のスカンジナビア諸国にはフィンランドやデンマークが含まれる。

北欧はもともと貧しい地域だった。寒冷地域なので人々は産業の努力をしないと(特に冬を)暮らしていけない。温暖で農作物が豊富な南欧などとは違って食糧確保にも多大な努力をしなければならない。トルフィスク(干しタラ)やクリップフィスク(塩漬け干しタラ)など魚の保存食はその名残で、また北部先住民サーミは野生動物の狩猟(ムースやトナカイなど)を生業(なりわい)としてきました。

北方のそういった地域に共通する食文化として(フランスやイタリアなどのラテンやギリシャなどと比較して)、食事はお腹を満たすことが重視されます。今でもノルウェーのスーパーに行くとインスタント調理品やカット済み食材がものすごく多い。オーブンに入れるだけ、鍋に入れるだけ、電子レンジでチンといった家庭料理が日常的です。それは英国などでもそうですよね。

バイキング時代(793~1066年)は、バイキングとして知られる北欧民族がヨーロッパ広域を襲撃、支配、定住した時代です。バイキング自体はそれ以外の期間にも存在しますが、最初の襲撃(793年)からノルマンのイギリス支配(1066年)までの2世紀半がバイキング時代と定義されます。

バイキング時代は今のノルウェーの地域が強大でしたが、バイキング時代が終わり、中世の時期になると、ノルウェーはデンマークやスウェーデンに対して弱者の立場になります。スウェーデン・デンマークと三国同盟を組んでいたときはコペンハーゲンが経済中心で、ノルウェーは魚や木材の供給源という田舎的な立ち位置にあり、またノルウェーとスウェーデンの二国同盟を組んでいたときは盟主はストックホルム。ノルウェーではキリスト教徒巡礼の重要な教会も廃れるほど寂れました。しかしノルウェー沖で石油が見つかって石油生産を開始(1971年)してからは形勢逆転。わずかこの50年で、ノルウェーは世界筆頭の座を争う豊かな国に浮上しました(※)。

※国民1人当たりGNI:ノルウェー世界第4位(2021年)

一般に、ヨーロッパの物価は南に行くほど安く、北に行くほど高い傾向がありますが、ノルウェーはその北欧の中でも特に物価が高い国です(※)。スウェーデン人から見ても物価が高いのだから相当高い。

※国民1人当たり購買力平価GNI:ノルウェー世界第4位(スウェーデン12位、日本27位、2021年)

南欧のスペインと北欧のノルウェーの飲食店で似たようなものを食べて、ノルウェーはスペインの数倍の値段がします。数倍ですよ? 事実日本でごはんと味噌汁をつけて800円くらいで食べられそうなミートボール2個+付け合わせの野菜がちょっと添えられた料理が、ノルウェーではパンもスープもつかずに1皿2700円でしたよ? 嫌になっちゃいそうでしょ? 物価が高いのは人件費が高いから。人件費が高いから移民が続々。移民が増えていくから料理や飲食店に国際色が強くなる。ちなみに世界中の料理店が集まる首都オスロを歩いていて、安く見えるのはインドのカレーやアラブ料理、ケバブやピザなどです。それでもインド人やトルコ人たちは本国で働くよりも遥かに高い夢のような収入を得られるわけです。

ノルウェー料理がそれら大陸由来・移民由来の食文化と共存して豊かになったのは事実ですが、やはりノルウェーに行ったら、「外洋に依存してきたスカンジナビア半島の食文化」として、何よりもトシュク(タラ)を、それからサーモンやジビエ肉(ムースやトナカイなど)を探して味わいたいものです。レストランが高額で、一方でスーパーで買う電子レンジ加熱用食品や、パックを開封するだけのサーモン切り身などは相対的に安価でも高品質で美味しい。でも、それでも頑張って観光客向けではないノルウェー料理店を見つけて、何回かはノルウェー人の手で調理された心に染み入るノルウェー料理を食べ、伝統的に受け継がれてきた地元食材の旨味と調理を味わってきてほしいと思います。
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