キューバ料理

[last update 2017/07/02]

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  • 本文はじめ」の項目を加筆し、文章を読みやすくしました。

【基礎情報】

国名:キューバ共和国Republic of Cuba、首都:ハバナ、ISO3166-1国コード:CU/CUB、独立国(1902年米国より)、公用語:スペイン語、通貨:兌換ペソ、キューバ・ペソ。

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【地図】

キューバはカリブ諸国の最西端。中米諸国ではメキシコに近く、バハマ、ジャマイカ、ハイチなどに囲まれたカリブ海最大の島国です。

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◆社会主義国家の、独特な「キューバ味」

キューバ料理の数々を思い起こすと、それは、豆、トウモロコシ、米、肉・・・。カリブ海の1つの島なので、カリブ海の典型料理が多く食べられるかといえば ”そうじゃない”。カリブ海の国々は元英領国家や元仏領国家が多いのですが、キューバ料理の味は、アングロサクソンやフレンチカリビアンとは違うし、インド人が英国つながりでもたらすカレーの匂いもない。キューバ料理は、豆の多食などから見て、むしろ中米料理に似ていると思います。キューバ料理が中米料理に似ている要因を2つ挙げるとすると、1つめは、かつてスペインが中南米を侵攻していた頃、キューバ(特にその都であるハバナ)はその重要な中継地点であり中米と強くつながっていたこと。そして2つめは、キューバ以外のカリブ海諸国は小国であるが、キューバは国土が格段に広くて「文化の発展が大陸に類似していた」ことが強く挙げられます。

フリホーレスネグロス
キューバの国民食は真っ黒な煮豆。にんにくや唐辛子も入って美味しい。(撮影地ハバナ)

「キューバ料理」を理解するために書かなければならないのが、社会主義国家たる、キューバの物価の「三重構造」です。
(1)CUC(兌換(だかん)ペソ、ククまたはセウセと言う)
(2)ペソ(人民ペソ)
(3)配給手帳所持者が一定範囲内の物資を買うときの価格。

(1)のCUC(クク)は、1CUC=25ペソというレートです。1ペソ=5円なら1CUC=125円です。レストランや商店には、CUC払いの店と、ペソ払いの店があります。輸入物を扱う店や高級店、外国人客用の店などでは価格はよくCUCで設定されていますし、そうではないローカルさ満載の店では、価格はよくペソで設定されています。キューバの食事は、もちろんCUCで支払うレストランで食べれば欧米で食べるような味が提供されるでしょうけれど、「キューバの庶民の味」を食べるなら、ペソ払いのレストランがもってこいです。

面白いのは、ときに、1CUCと1ペソが、同じ扱いになるということ。CUC払いの店でラム酒を飲んで1CUC(125円)、でもペソ払いの店で飲めば1ペソ(5円)だったりします。同じようなものを飲んでいるのに数十倍の価格差は大きいのです。

・・・1959年革命政権樹立。米国はバティスタ政権という傀儡政権を失い、そしてキューバは米国と国交断絶。社会主義国家へと歩み、米国の経済封鎖を受け、社会主義を標榜するゆえに企業競争もないキューバは、以来、半世紀以上にわたり発展が遅延しました。

社会主義は平等を是とするものであり、キューバ共産党の一党独裁下にあって「自由」に制限がある。これが、食の点にも大きく影響しています。社会主義の半世紀は、同時に、米国による経済封鎖の半世紀でもあった。だから、なんというか、時に、美味しくないと思う料理や食材に出会うという一面があります。チーズとしては成立するが高いランクにはならないチーズ。トマトソースとしては成立するかしないか微妙なトマトソース。・・・なんだろう、その画一的で、発展を封じられたかのような味が、「キューバ味」の素になっているように思います。でも、それを何日も食べていると、最初不味いと思った味が美味しくなってしまうのだから不思議です。

で、結論。「キューバ料理は美味しい」・・・苦しいかな~、でも上を読んでこの微妙なニュアンス、分かってください(笑)。「どうしてこれがキューバ人に好まれているのか」って考えていると、味に理解ができるというか、ともあれ美味しくなってくるんですよ、これホント。
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主食 Staple

キューバに米が入ってきた経緯は定かではありませんが、キューバでは米がよく食べられています。アロース(白米)のほか、アロースコングリまたはアロースモロ(どちらも豆炊き込みごはん)もキューバの代表的な主食です。アロースコングリは本来は茶色い豆を炊き込んだごはんで、アロースモロは黒い豆を炊き込んだものであるべきなのですが、キューバ人に教えてもらったところ、現代では、黒豆を炊き込んでもアロースコングリと言ったり、区別は厳格でなくなってしまったとのことです。また、広く中南米で定番の鶏肉炊き込みごはんであるアロースコンポヨは、キューバでも定番の米料理です。

次なる主食として、ビアンダは、炭水化物源の総称です。ビアンダに該当する食材は、ヤムイモやキャッサバ、じゃがいも、マランガ(タロ芋)、さつまいもなどのイモ類のほか、食用バナナ(甘くなくてイモみたいなバナナ)もビアンダに含まれます。ゆでて食べるほか、揚げて食べることもあります。例えば肉のおかずにアロースコングリ(豆炊き込みごはん)があれば、日本人であればしっかり主食を摂ったという感覚になりますが、キューバではその上にごろごろイモ類(すなわちビアンダ)が乗ることが多いのです。なお、フランス語圏で「ビアンダ」は肉を意味するので、混同しないようにお願いします。

エスパゲティスは街中でよく見るスパゲティーなんですが・・・庶民の味方のエスパゲティスは、うどんのような白い麺がゆですぎでべっしゃり、そこにトマト味のしないトマトソースとクセのあるチーズがぱらりと乗っています。1皿5ペソ(25円)の値段なりかもしれないけれど、最初はまずいと思ってしまい、なのにだんだんこれが美味しく感じてくるのだから不思議です。
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肉や魚のおかず Meat & Fish

途上国のお肉料理は美味しいですね。キューバでは豚肉や鶏肉がよく食べられています。豚肉はお祝いのお肉だそうです。

ビステクは、やや薄切りの豚肉を焼いたものです。ビステクコンケソは肉とチーズを重ねて焼くもので、一層美味しさが増しています。鶏肉料理は、ポヨアサード(鶏肉をフライパンで焼く)や、ポヨフリット(フライドチキン)が一般的です。ポヨフリットはキューバに滞在していると頻繁に見かけます。この点も中米に似ていますね。

なお、魚は、他のカリブ諸国と同様に、島国である割にはあまり食べられていないようです。
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料理名一覧 Food & Drink Glossary

【主食】
  • アロース(arroz)・・・白米
    • アロースコングリ(arroz congris)・・・豆炊き込みごはん
    • アロースコンポヨ(arroz con pollo)・・・鶏肉炊き込みごはん
    • アロースモロ(arroz moro)・・・豆炊き込みごはん
  • エスパゲティス(espaguettis)・・・スパゲティー
  • ビアンダ(vianda)・・・炭水化物源(イモやバナナ)の総称
【肉のおかず】
  • ビステク(bistec)・・・やや薄切りの豚肉を焼いたもの
    • ビステクコンケソ(bistec con queso)・・・肉とチーズを重ねて焼く
  • ポヨアサード(pollo asado)・・・フライパンで焼く
  • ポヨフリット(pollo frito)・・・フライドチキン

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