「シナモンパウダーで減糖」、シナモンシュガートーストのレシピ、家庭内簡易実験。

゚・*美味しさは、香りで作る。*・゚【スパイス大使2018】

スパイス大使レシピ
使用スパイス:シナモンパウダー
シナモンパウダー

甘さひかえめ料理レシピ

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このたび「香辛料で砂糖の使用量を減らす」というテーマで、アニス、シナモン、バニラビーンズをいただきました。

今回、ただ調理のみにとどまらず、「香辛料と減糖」について研究し、家庭内簡易実験を行い、結果を考察しましたので、その過程も記事にします。

* * *

前段)「Aを混ぜたらBが減らせるわけではない」

調理レシピにおいて、砂糖以外のものを混ぜたら砂糖を減らせるとは一概には言えない。甘味受容機能を鈍麻させられたら砂糖はより一層必要になるからだ。

これを実証したのが、この論文。

<香辛料の食品成分が味覚に及ぼす影響について>(≫こちら

香辛料味覚

参加者の味覚識別能の精度チェックなどの予備実験も確立しており、なかなか良い&面白い論文だ。

甘味感受性を、高めるもの、下げるもの。結果は両方向に出た。

香辛料味覚

有意水準とは、統計学上は第一種の過誤を起こす確率で、第一種の過誤は正しい帰無仮説を棄却することである。例えば甘味増強について検証したい場合は、甘帰無仮説(無に帰する仮説)は「甘味を増強するとはいえない」ことである。だから、ざっくり言うと、「有意水準1%」とは、「甘味を増強するとはいえない」検証結果が1%までは起こる。もっと雑駁に言うと、「100回に1回くらいは外れることがある結果だ」ということ。何が言いたいのかと言うと、有意水準1%の結果と有意水準5%の結果は、100回に1回外れるかもしれない結果と、100回に5回は外れるかもしれない結果ということなのだから、当然前者のほうが信憑性の高い結果ということだ(長文読んでくれてありがとー)。

私? 統計の先生です ε-(´∀`*)
あ、話がそれますた(汗)

上の実験結果を私独自に7段階にまとめた。

  1. 甘味味覚を有意に強める香辛料(**有意水準1%
     セロリ
  2. 甘味味覚を有意に強める香辛料(*有意水準5%)
     アニス、レモングラス、メース、ウーロン茶、ポピーシード
  3. 甘味味覚を強めるかもしれない香辛料(有意差とれず)
     パプリカ、シソ(表中perilla)
  4. 甘味味覚を有意に弱める香辛料(**有意水準1%
     -
  5. 甘味味覚を有意に弱める香辛料(*有意水準5%)
     ローズヒップ(表中rose rugosa)
  6. 甘味味覚を弱めるかもしれない香辛料(有意差とれず)
     バジル、クミン、カモミール、ジンジャー、オレガノ、パセリ、ペパーミント
  7. どちらともいえない
     ゆずの皮

上記のうち「減糖に役立つ香辛料」を示すのは1)と2)である。
セロリ、アニス、レモングラス、メース、ウーロン茶、ポピーシード

しかしローズヒップなどは逆に甘味感受性を鈍麻させるといえる。

何事もイメージだけで語るのはよくないので、だからこうして実験結果としてエビデンスが得られたことは大変に利用価値の高い情報である。アニスは昔からクッキーを焼くときに加える定番のスパイスだ。きっと、控えめの砂糖使用料でも豊かな甘さと香りが得られるのだろう。

* * *

上記の研究を見て思ったのはスウィーツづくりに繁用されるシナモンが実験に使われていないこと。私は、シナモンシュガーが好きだし、シナモンは日本で製菓類に最も頻繁に使用される香辛料と言って過言ではないだろう。

そこで、今回の家庭内簡易実験では、「シナモンで減糖」を検証することに決まった。

<実験の目的>
シナモンパウダーを添加することで、減糖しても美味しいと感じるかどうかを検証する。

<実験手法の概要>
糖分としてはショ糖(グラニュー糖)を用い、シナモン(+)系列で糖分3段階、シナモン(-)系列で糖分3段階、合計6段階調製し、官能試験を行う。

<用語と略称>

  • ショ糖(グラニュー糖、Sucrose、Sと略す)
  • グラム(英語でgram、gと略す)
  • シナモン(Cinnammon、Cと略す)
  • ひとふり(英語で1 dash、dと略す)

これらを単位化することで、簡潔表記したい。

<甘味系列の調製法>

  1. ショ糖(グラニュー糖)を6グラム用意し、3g、2g、1gに分割する。
  2. 上記のショ糖(S)系列を2等分する。つまり1.5g、1g、0.5gの3段階になる。それぞれS1.5g、S1.0g、S0.5gとする。
  3. S1.5g、S1.0g、S0.5gの3系列に、それぞれシナモン(C)をひとふり(d)加えたシナモン(+)系列と、ショ糖のみのシナモン(-)系列を作成する。合計6段階できる。
    ⇒シナモン(+)系列:S1.5gC1d、S1.0gC1d、S0.5gC1d。
    ⇒シナモン(-)系列:S1.5gC0d、S1.0gC0d、S0.5gC0d。
  4. 上記を更に2等分する。
    シナモン(+)系列:S0.75gC0.5d、S0.5gC0.5d、S0.25gC0.5d
    シナモン(-)系列:S0.75gC0d、S0.5gC0d、S0.25gC0d

「S0.75gC0.5d」とか、パッと見分かりにくいが、普通にゆっくり読めば何の問題もない。「砂糖0.75gに、シナモンひとふりの半分」と、素直に読めるように記号化しただけだから。

<パンとの組み合わせ>

  1. 6枚切りの食パンを2枚用意し、マーガリン(現在うちにあるのは発酵バター入り)をごく薄く塗って6等分にカットし、200℃5分でトーストする。
  2. シナモン(+)系統3段階と、シナモン(-)系統3段階をそれぞれパンにふる。
  3. 実食し、好きな味のものを選ぶ。甘味の味覚実験なので、甘さに満足することを最大の判定基準とする
  4. 判定は相対評価。すなわちこの6区分の中ならどれが甘くて美味しいと思うかを選ぶ。
  5. ほかに旨味を与えるもの(おかず類、乳製品類)は食べず、一緒に摂取するものはブラックコーヒーのみとした。

<実験結果>
下の写真では、上段がシナモン(+)系列:S0.75gC0.5d、S0.5gC0.5d、S0.25gC0.5d。
下段がシナモン(-)系列:S0.75gC0d、S0.5gC0d、S0.25gC0d。
どちらも左にいくほど砂糖が多い。

シナモンシュガートースト

食べてみて、「美味しい♡」と率直に感じたのは、S0.75gC0.5d、S0.5gC0.5d、S0.75gC0dだった。相対評価なので、どれも美味しいのだが、この6段階の中で好みの味を拾ったら3つが選択された。

ここで重要な点は、シナモン(-)系列では砂糖が多いものが美味しいと感じたが、シナモン(+)系列ではそれよりも甘味が少ないものも美味しいと感じたということだ。

一言でいうと、「シナモンは減糖に貢献した」のだ。

* * *

今回の家庭内簡易実験では、「シナモンは減糖に貢献した」ことを官能的に証明した。最後に、「減糖に貢献した」配合比率「S0.5gC0.5d」(食パン1/6枚あたり砂糖0.5g+シナモンひとふりの半分)に基づいて、「減糖に成功したシナモンシュガートースト」のレシピを以下に掲載する。

heart『甘さに満足♪ でもシナモンで減糖♪ シナモンシュガートースト』
材料(1枚分、1人分):

食パン
6枚切りを1枚
マーガリン
食パンに薄く塗る量
グラニュー糖
3g
シナモンパウダー
ごく軽く3ふり

作業工程:10 分

  1. 食パンにマーガリンを薄く塗り、200℃で5分ほど焼き、トーストする。
  2. グラニュー糖は3g入りのスティックシュガーを使うと計量しなくて済む。小皿にあけ、シナモンを軽くごく3ふり入れて、混ぜる。
  3. トーストした食パンにシナモンパウダー入りのグラニュー糖をまんべんなくふりかける。
  4. 好みで食べやすい形に切って、サーヴする。
  5. Enjoy!
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もし、シナモン(-)系統で美味しいと感じたもの(S0.75gC0d)で、シュガートーストを作ると、グラニュー糖を4.5g使うことになります。シナモンを加える(S0.5gC0.5d)ことで食パン1枚あたり1.5g減糖することができたことになります。

* * *

<感想>
今回、シナモンは減糖に貢献できることを、家庭内簡易実験で検証できた。今回はシナモン添加量が順序尺度(段階を設けていない)であるため一次元(砂糖使用量のみ段階化した)の実験に過ぎないが、シナモン添加量と砂糖使用量の両方を間隔尺度化した二次元段階で官能試験を行い、更に被験者数をも増やすことができれば、より精度の高い実験となったであろう。

簡単に言えば、もっとやれば、もっと減糖の道を探せたと思う。

でもいいや。家庭の計量では、こんなもんかな(*^_^*)

* * *

最後に。

このシナモンシュガートーストを一緒に食べ、「香辛料で減糖」を夫と会話をした。夫の発想は実に正論だった。

(シナモンシュガートースト実験用を一緒に食べ)下手にごまかそうとするから中途半端になるの。

うーん。

香辛料で砂糖を減らしたいっていうお題だろ? だったら、香辛料を使う国の人が何を食べてるか考えてみろよ。

南アジアw

砂糖を減らしたいんだったら、中途半端な甘いパンより、俺はカレーパンを食べたいけどな。

あ、そうか。シュガートーストにシナモンを混ぜるとかじゃなくて、いっそのことカレーパン作ったらいいのか!

そ。

でも今回は甘いもので減糖に挑戦というテーマだから。

もしどうしても砂糖でっていうんだったらな、砂糖を使う国の人が何を食べてるか考えてみろよ。

砂糖と言えば英国だね。カリブ海の英国の侵略の歴史も砂糖(サトウキビ)への執着だったし、アフタヌーンティーのイメージ。砂糖を使う。

砂糖と一緒に香辛料入れないだろ?

うん。せめてミルクティー。

あ、そうか、乳製品はそのものが美味しいから、他の美味しいもの(砂糖)を減らせるのか。

ケニアとかバングラデシュとかモーリシャスにさ、香辛料を入れた甘い紅茶あるじゃんか。あれ、砂糖減らしたら美味しくないぜ?

あ、そうか、香辛料はそのものが美味しいわけじゃないから、他の美味しいものを減らせるわけじゃないのか。

香辛料を食べている国の人が、どう香辛料を使うか、お前はそういうのを正しく拾って伝えていく人だと思うけどな。

うーん。

だろ。今度はせめてカレーパン作ってくれよ(笑)

せめてナシーフとロティにしよう、オマーンっぽく(笑)

ま、今回の実験は発想がお前らしくて、シナモン入れたほうも砂糖減らしても美味しかったから。いいんじゃない?


夫の発想は実に正論ですね。いつも会話はこんな感じです(ほんと?)
お陰で我が家は会話が非常に楽しいです(笑)。

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