私のレシピサイト(≫こちら)の構築は、数段階の変遷を経ました。例えばエジプトからイエメンにかけて同じ料理が食べられていても、その名前はエジプトやイエメンではアラビア語で読み書きされ、ソマリアではソマリ語で読み書きされます。公用語の水準よりも一層細分化し、ローカル言語に踏み入れるともっとその数は増えることもあります。
じゃあ、現地で食べてきたその料理を日本で再現してレシピ化できたとして、それは何語で掲載すればいいの?
今の答えは、アラビア語もソマリ語も、どちらも等しく掲載しようというのが結論です。特に、画像検索でレシピを探す人に見つかりやすいように、その国の言語で料理名を画像に付記することにこだわろうと思いました。なぜならば、「検索」という今後も消えない「入口」が、長く続く一番のアクセス経路になると判断したからです。
しかし、料理画像に多言語で料理名を付記するのは苦労の連続です。当然、ひとつひとつ調べなければならないし、綴りを見るだけでは読み方は分かりませんから、綴りに「カタカナ表記」を適切に充てる必要もあり、その検証にこそ膨大な時間がかかります。だから1つのレシピ更新にも、数日から数か月かかるといったことがしょっちゅうです。
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世界中を旅していると、言葉の壁と確執と共存とは、痛いほどに身に染み入るものでした。多言語こそ、世界の基盤だと思いました。そしてそういう世界に理解を深める時間が、好きです。
「言葉ひとつが、文化です。」
これは私がもつ、大事な言葉です。
世界って、本当に面白いですよね。
よし、これからも、頑張ります。楽しい料理とともに、料理のうしろに世界が見えるような日常の構築と、旅のある暮らしを、これからも頑張ります。