ナイジェリアやニジェールのシンカファってどんな食べ物?

2020/12/21

下の写真は、ニジェールで食べた料理で、ごはん(うるち米)を搗いてもち状にした主食です。

シンカファ

料理名を聞いたら「シンカファ」と言っていました。でもそのとき知ったことはそこまで。旅は毎日動き、食事の情報だって1日に3度も入ってくるわけですから、「シンカファ」がどういう意味の料理名なのかは分からないままになっていました。

・・・世界の料理って難しいんです。
あらゆる国にあらゆる言語があって、しかも私にまともに話せる言語なんてありやしないから(日本語だって未だに難しいのにね)、料理名を聞くのは実に苦労します。

例えばカレー屋に入って、チキンカレーを盛ってもらったとしましょう。そのお皿を指さして「この料理の名前はなんですか?」と聞くとき、料理名としては「カレーライス」や「チキンカレー」が期待されるのですが、諸外国でそういう期待する料理名を言える人って半分くらいしかいないんですよね。残りはこちらの意図しない回答を出してきます。例えば「カレー」のように、別にカレーうどんであってもそう答えるであろうドンピシャにならない幅広すぎる回答、私の指先がごはんに向いているとして、「ごはん」や「ライス」と言う人、具の種類を聞いていると思った人は「鶏肉」と答えるし、自分の名前を聞かれたと思って「アブドゥル」なんて答える人もいる(結構これが多い)。もし「カレーライス」と回答してくれたとしても、「ああ、カレーライス」や「カレーライスね」と料理名以外にも聞き取れてしまう音を付属してしまう人もいて、その国の言語や語尾活用変化を知らない私には「アーカレーライス」や「カレーライスネ」というメモを取ることになってしまいます。それでも聞かないわけにはいかないので、回答の整合性とはいつも戦いです。

日本語だと大した問題がないように聞こえますが、でも言葉が通じない地域だと大変なんですよ。「それは単体ですか?総体ですか?」など相手に追加質問をしまくることが出来ればまだしも、飲食店などでしつこく質問することも出来ないし…(※)。

※それでも不明な点は宿の人に聞いたり空港職員に聞いたりして、なるべくその言語圏を出ないうちに解決できるようにめちゃくちゃ努力はしてきています。

というわけで。

それから何年も経ってしまいますが、「シンカファ」について、自分がしっかりと理解を深めきれなかったことを省みて、今回は、シンカファがどんな食べものなのかを検証しました。

* * *

1)Google翻訳
シンカファという料理を見たのはニジェール南部とナイジェリア北部というハウサ人の地域です。公用語はそれぞれフランス語と英語で異なりますが、シンカファの名前は両国で共通したことから、この料理名はハウサ語である可能性が極めて高いと思いました。

日本語で、穀物の名称を6つ用意しました。
コメ、とうもろこし、ミレット、ソルガム、小麦、大麦。

英語ではそれぞれ、
Rice、Corn、Millet、Sorghum、Wheat、Barley

ハウサ語への翻訳結果は、
Shinkafa、Masara、Gero、Sorghum、alkama、sha’ir

(ソルガムだけハウサ語になっていないかもしれません)

翻訳結果からは、シンカファはコメと思われます

2)英語Wikipedia「Tuwo shinkafa」(≫こちら
「Tuwo shinkafa」に関する英語ページです。これを検証する前に、ハウサ語辞書で「Tuwo shinkafa」の意味を見ておきましょう。

3)English Hausa Dictionary(≫こちら
英語-ハウサ語のオンライン辞書です。
ハウサ語の「tuwo」は(≫こちら)、「マッシュ、主食」。
ハウサ語の「sinkafa」は(≫こちら)、「米」。

だから、「Tuwo shinkafa」は、ごはん(うるち米)を搗いてもち状にした主食と冒頭に書いた食べ物と一致します。今回さらにその他3サイトを使ってtuwoとsinkafaの意味を調べ、いずれも意味に相違ないことを確認しました。

4)英語Wikipedia「Tuwo shinkafa」(≫こちら

シンカファ

「Tuwo shinkafa」に関する英語ページです。正直、これまで何度かこれを見ていたから解釈がおかしかった。

「トゥオシンカファは、米、とうもろこし、雑穀などで作る、やわらかくて粘り気のある団子状の料理です。」(Tuwon shinkafa is a thick pudding prepared from a local rice or Maize or millet that is soft and sticky.)

と書いてあるから、私は、材料はなんでもよくて、形状を示す料理名なのだと思っていたのです。なおこの一文には引用元サイト(≫こちら)が表記されていますが、引用元サイトにとうもろこしや雑穀の文字はなく、米だけを材料としていました。この食い違いの理由として、昔引用元サイトにとうもろこしなどの記述があったが今は消えているか、Wikipedia執筆者が引用元にないとうもろこしなどの記述を入れたかが考えられます。多分後者でしょうね、写真の元タイトルにはTuwoと書いてあって見たところ多分とうもろこしで作っている、すなわち写真の食材と元タイトルには食い違いがないのに、Wikipedia上の説明文にはわざわざRiceと書かれて食い違いが生じているからです。

* * *

【検証と考察・まとめ】
「シンカファ」(Shinkafa)はニジェール南部やナイジェリア北部に多く居住するハウサ族の料理/ハウサ語の料理名で米を意味する。また、米のほかにもとうもろこしやその他雑穀(ミレットなど)を炊いて団子状/もち状にした主食を総じて「トゥオ」(Tuwo)と呼ぶ。よって「トゥオシンカファ」(Tuwo shinkafa)は「米を炊いて搗いて団子状/もち状にした主食」を意味する。

* * *

OK、OK♪♪

一応、当時知りたかったことを知ることができて、今回の調べものも有意義だったと思います。

西アフリカにはお米が多いんですよ。意外ですか?

シンカファ

こういった素朴な料理こそ、現地のローカルフードそのものだから、折角日本にも米が根付いていることを活用して、これからもっともっと西アフリカの料理や食材を勉強して、我が家でいっぱい西アフリカ料理を作ろうと思います♪



* * *

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