台湾料理は美味しいですよね。しかも美味しいものがいっぱいある!! 私は、台湾に旅行しに行く人から「台湾で美味しいものは何ですか?」と質問されたら上位に「サバヒー」を挙げることにしています。
理由は幾つかあって。
- 本省人(※)と外省人(※)がいるこの国では、外省人料理よりも、本省人の料理を食べてほしいように思う。
- 折角外国へ旅するのだから日本にはないものを食べてきてほしいと思う。
- 現地でも「絶品」と名高い料理を食べてきてほしいと思う。
- そして高額な料理ではなく庶民の店で庶民的な価格で食べられるものをオススメしたい。
- 何よりも自分の好物をオススメしたい。
といったあたりが、私がサバヒーをオススメする理由です。
※本省人:第二次世界大戦以前に台湾にいた民族、外省人:第二次世界大戦直後の国共内戦で敗れて、蒋介石率いる国民党軍とともに台湾へ渡って来た中国大陸由来の華人。
下は、台南の魚市場で見つけたサバヒーの写真です。
サバヒーは南方の温かい海にいる魚です。温かい海にいるので台湾の中では台南の名物として有名です。台湾での表記は「虱目魚」、中国語読みすると「シュームーユー」、台南の地元の読み方をすると「サンバルヒー」、これが日本語で「サバヒー」です。
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かつて、台南に行ってみたいと思っていた私にとって、ステキな出会いがありました。中国雲南省を旅していたとき、同じ宿に泊まっていた台湾人2人が、「グループで世界遺産へ行かないか」と誘ってくれました。1台の車をドライバーつきで借りて割り勘しようという提案です。世界遺産の棚田へは行く予定だったし、これなら旅行会社主催のツアーよりも一人あたりの料金が安くなる上、公共バス移動では訪問できない場所にも行けるから、嬉しくて彼らと合流することになりました。その蔡(ツァイ)くんと張(チャン)くんとは、帰国後もメールやFacebookなどで交流が続きました。
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さあ、そこから時は経ち、私と夫が台南に到着すると、蔡(ツァイ)くんと張(チャン)くんはバイクを用意して待っていてくれました。
聞けば友人にバイクを借りて、バス下車地点まで迎えに来てくれたのだそうです。台南では彼らの家に泊めていただき、彼らの家族とも交流させてもらえ、台南旅行はのっけからSpecial☆なスタートでした。
台湾は外食文化が強く、家での食事のほか、蔡(ツァイ)くんと張(チャン)くんは何度も美味しい店へと連れていってくれました。彼らは台南生まれの台南育ち。自分の生まれ育った町だからこそ、自信を持って美味しい店に次々と連れていってくれます。
その一つが、「阿堂鹹粥」(アタンシェンジョ)でした。
朝からすごい賑わい。
台湾は食堂に注文用紙がある文化なのが嬉しいですね。1枚もらって帰れば、様々なお店のメニューを後日研究し、食文化の理解と勉強に大いに役立ちます。もちろん店内にもメニュー看板は掲示されています。
台南ボーイズは、何も迷うことなくサバヒー粥を注文しました。
サバヒー粥は、北京読みで「シュームーシェンゾ」、台南読みで「サンバルヒーモアエ」と教えてもらいました。また料金100元は300円台後半の価格ですから、日本の物価に慣れていると安いですよね。
来た♪ 魚肉がいっぱい♪♪ レンゲですくっていない部分にも魚肉がいっぱいあります。
食べて感激。
とにかく魚肉がふわっふわ♪
サバヒーは英語で「ミルクフィッシュ」(milkfish)と言うのですが、その理由が分かる気がしました。ふわっふわの食感で、美味しい油分が舌にとろけ、味わいがミルキーです。身の柔らかさからはニシンの近縁種というのが分かる気がしますが、もっとふわっふわ。そうか、ニシンよりうなぎに似てるかも。でもこの柔らかさといいコクといい、尋常ではない美味しさです。皮がふるんふるんしていてこれまた美味。お粥にものすごく合う魚でした。
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台湾料理は美味しいですよね。しかも美味しいものがいっぱいある!! 私は、台湾に旅行しに行く人から「台湾で美味しいものは何ですか?」と質問されたら上位に「サバヒー」を挙げることにしています。
英訳する人に「ミルキーフィッシュ」と言わしめた実力。なめらかさとふわっふわととろける脂肪分の美味たる食感。是非台湾で食べてきてください。