タイトル訳は、「Groとクリスマス(3)白ワインによく合うタラのシチューのレシピ」です。
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前回記事と同じ日に、私はもう一品のノルウェー伝統料理を調理しました。前回料理は古代からあったと思われる超伝統料理ですが、今回のタラの料理、「バカラオ」(Bacalao)は17世紀にさかのぼる料理です。今が21世紀。すなわち、ざっと400年も根付いている料理ならそれはもちろん伝統料理です。
レシピをプリントアウトして、ノルウェー語を英語に直訳しました。
そして、日本の調理環境や調理バッチに合わせてレシピを検討しながら日本語にしていきました。前回記載のように外国料理は直訳ではレシピにならないので、いつもながらの作業ですが、外国料理を日本語レシピにする作業はものすごく時間を遣いました。
そうして、お世話になったGroへの感謝や、ノルウェーの旅に連れていってくれた夫にめいっぱいの感謝を詰めて作った料理は、心の底から美味しいと思える味わいだったのです。
お魚料理なので、美味しい白ワインと合わせて・・・♪
レシピは簡単です。
材料(4人分):
- 塩漬け干しタラ(※1)
- 300 g
- じゃがいも
- 3個
- 玉ねぎ
- 大1個
- 赤パプリカ
- 1/2個
- 鷹の爪
- 1/4~1/2本
- 緑のオリーブ
- 8個
- 水
- 350 mL
- トマトピューレ(※2)
- 160 mL
- バター
- 大1
- サラダ油
- 大4
※1:干しタラは原則として塩漬けの干しタラを使います。ない場合の代用は下のコツ欄と下記リンク先参照。
世界の料理によく使う「干しタラ」を作って冷凍庫で常備する
※2:トマトピューレはレトルトタイプで市販されているものを使いました。スパゲティーソースを使ってもよいです(ミートソースではなくトマトだけのソース)。また製品によりトマトの濃さが違うので使用量は色を見て加減します。
作業工程:1 時間 10 分(タラを水で戻す時間を除く)
- <前日~数時間前>塩漬け干しタラをたっぷりの水に浸けて戻す。
- <調理開始>塩漬け干しタラを取り出し、身が崩れないように骨や皮を取り、一口サイズに切る。
- じゃがいもは皮をむいて一口サイズに切り、玉ねぎは薄切りにして長さを短く切り(例えば4 cm以内)、赤パプリカは中の種を取り除いて一口サイズに切り、鷹の爪は中の種を取り除く。
- 鍋に、じゃがいも、タラ、玉ねぎ、赤パプリカ、緑のオリーブを交互に入れる。
- 鷹の爪、水、トマトピューレ、バター、サラダ油を入れる(混ぜなくてよい)。
- フタをして弱火でじっくりと煮る。※具が鍋の底にくっつかないようにときどき鍋底にヘラを入れる。
- 40分くらい経ったら、じゃがいもに火が通っているかどうかを確認し、味見をして塩加減やトマト加減などを好みに調える。
- もうしばらく煮て、煮汁にとろみが少しついたら出来上がり。
- Enjoy!
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美味しいーー♡♡♡
これ、もう、作っている途中の味見の段階から、「この味!!!ノルウェー料理店と同じ味にできている!!!」とわくわくして興奮した料理です。
ちなみにバカラオとはスペイン語なのですけれど、ノルウェー政府サイト(旧ノルウェー観光局を含む組織)による「バカラオ」紹介ページ冒頭の一文が「Doesn’t sound Norwegian, you say? You’re right!」(ノルウェーっぽくない料理ですって? いやぁそうなんですよねぇ。)と書いてあるように、バカラオとは「スペイン語が料理名になったノルウェー料理らしくないノルウェー料理」です。でもそれはノルウェーの歴史を語る重要料理。ここはタラ加工品の世界的生産地で、クリップフィスク(ノルウェー語で塩漬け干しタラのこと)を17世紀半ばに南欧諸国に輸出し始めたとき、ノルウェーには南欧の食文化が入ることになりました。
このバカラオは、大変に特徴的な味がします。それはトマトの濃さと干しタラの旨味の融合です。ノルウェーのタラ産業と連携していたのはポルトガルやバスク(スペイン)で、ノルウェーに持ち込まれた唐辛子、トマト、オリーブといった地中海風の食材は、当時のノルウェー人には最先端の美味しさだっただろうと思います。
塩もこしょうも加えないのにスープがこんなに美味しいって信じられますか!?これがバカラオの実力です。
フランスボルドーワインで、ノルウェー人のように料理とワインを楽しんで、素晴らしいクリスマスを過ごしました。
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クリスマスの翌日、私は料理や食卓の写真や、頑張って頂いたレシピを日本語化した写真を添えて、Groに感謝の報告をしました(Facebookでタグ付けとメッセンジャーで報告)。Groはとても喜んでくれた様子で、私のFacebook投稿をシェアして
「Så morro å se at mine gjester tidligere i år, Azusa – lager Norsk mat fra min første kokebok fra kokkeskolen :D」(先日私の家にステイしていたゲストのあづさが、私が調理師学校に通っていたときの初めての料理本でノルウェー料理を作ってくれていて、私はそれを見てとても楽しい気持ちになっています。)
とコメントして、友人たちに報告してくれました。
喜んでくれたのだと思う。
だから、私のほうこそ、彼女のコメントを見てとても幸せな気持ちになっています。
そして私は彼女にコメント欄でさらにメッセージを贈りました。
「Karbonader, Sursild, Ovnsbakt torsk, Fiskeboller, Sodd, Lefsa, and more more more … I will continue to cook Norwegian foods by your KOKEBOK recipe!!!」
「カルボナーダ、スーシル、オブンスバクトトシュク、フィスケボラール、ソッ、レフサ、それから、えっと、もっともっとたくさん!! 私はあなたの料理本のレシピを見て、これからもノルウェー料理を作り続けます!!」
と。
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旅は素敵です。
料理を通じて、離れた国の人とこんなにも心が繋がることができました。
今回作った煮込み料理2種と、そしてそれに合う2種のフランスボルドーワインにも感謝します。
(1)Cookbook from Norway
(2)Lammegryte recipe goes well with red wine
(3)Bacalao recipe goes well with white wine
※本記事は(1)「サントリー×フーディストパーク」のモニターコラボ広告企画に参加していること、(2)「バロン ド レスタック」をモニター提供されたことに基づき執筆するものです。