中国では、北でも南でも、西でも東でも、どこに行っても水餃子を見かけることができます。特に多いのは北方です。
水餃子は、中国語で、
水饺(シュイチャオ)
です。特に、北京より東北にある3省が本格的に美味しい水饺(シュイチャオ)の本場。遼寧省(りょうねいしょう、リャオニン)・吉林省(きつりんしょう、チーリン)・黒竜江省(こくりゅうこうしょう、ハイロンジャン)の3省はいわゆる満州で、日本史や日本で習う世界史では必ず知識を深める地域ですね。あとは、漢民族主体の8省、いわゆる中国八大料理をなす地域でも水饺(シュイチャオ)がよく食べられています。
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私は、広東省でも上海でも、北京でも甘粛省でも、ウイグル人のご家庭でも、とにかく中国の色々な土地の食として、これまで数えきれないほどの水饺(シュイチャオ)を食べています。水饺(シュイチャオ)の本場の東北3省にも行っているし、小麦粉の魔術師とも思える料理上手たちが腕をふるう甘粛省にも行っている。
そうすることによって、私は「日本に帰ってから、こういう餃子を作れるようになりたい!!」と強く憧れました。
もう10年以上も、私は餃子を作るなら中国の水饺(シュイチャオ)(水餃子)を作りたいと思い、何度も何度も作ってきました。
水饺(シュイチャオ)は職人の腕前で手早く確実に調理する料理で、何回作っても同じようにできません。
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私は世界の料理を作るときは、まずA4かB5の紙に、自分が研究をした上で、「この配合でいこう」と決めたレシピを書き出します。
3色ボールペンを使って青で書くことが多いです。レシピとは違うコメントを書き込むときに黒、実際に作ってみてレシピを修正するときに赤を使います。
もうこの紙も10何枚目ですよ。
作ってみて、食べてみて、同じく中国で水饺(シュイチャオ)をたくさん食べてきた夫に意見をもらって課題を見つけてレシピを修正します。次に修正レシピで調理をし、また課題をみつけて修正し、それを、「これなら現地の料理を作ったと言える」ところまで繰り返し、レシピになります。1度でレシピ化できることは滅多にありません。
水饺(シュイチャオ)の場合、まず、あの皮を作るところから難しい。粉と水の比、塩の量、粉の種類、こね方、寝かす時間、などなど。皮の延ばし方も包み方も、相当反復し、何度も中国人の調理を見て、日本でなら中国人調理人の動画を見て、あの熟練の手さばきと指の形を覚えていく・・・でもいざやってみると自分はどうしても下手で劣る。
皮1枚あたりの重量に対して具1つ分の重量の比率が狂うと包み方も狂う。もちろん大勢の中国人が餃子を作るといろんな餃子が出来上がるのだけど、私の中では、「中国で食べる餃子ってこういうのだよね!!」と自分自身が納得できる餃子を作りたいのです。
レシピにするなら、美味しいレシピを公開したい。自分や家族が食べるものだって、まあまあの出来のものよりも、美味しい出来のものを食べたいと思う。言うの2度目だけど、自分自身が納得できる餃子を作りたい。
だから、こうして、何十回でも作り直します。
課題を見つけて修正して、紙がいっぱいになったら再度書き直してから再スタート。こうして、最近はやっと中国の水饺(シュイチャオ)に似た料理を作れるようになりました。。。。かな!?
まだまだぜーんぜん発展途上ですけれど、自分の中ではやっと中国らしさを出すことができています。これからも頑張ります! →もう一生続くのだな、これ。