アフリカの料理をこれからたくさん作っていきたいと思っている。
今回はガーナやブルキナファソのゾムコムを作ったわけですけど。
ゾムコムは、現地ではミレットやソルガムを使って作る料理(ドリンク)です。
ミレットやソルガムは日本では通常売られていない雑穀です。以前その定義などを勉強しました。
【よく分かる】ミレットとソルガムについて
私が作る世界の料理レシピとは。
自分自身が日本の普通の家庭の主婦でもあるので、同じ目線で料理をする方々も作れるようなレシピにしたいと思っている。各国料理をいかに本格的に本場の調理法で本式に作りながらも、いかに日本の調理環境に落とし込んでいくかが、いつも苦労と勉強に尽きないポイントです。食材もそうで、その料理の特性を失わない範囲で日本の普通のスーパーで手に入る材料に落とし込みたいと思っています。ネットで買えるものも多いのでしょうけれど、そうではなく、ご近所のママさんたちも買い求められるような食材で、世界の料理を楽しめることができるようなレシピを作りたいのです。
そうして地域のイベントや、オリジナルの課題に取り組む高校生や大学生たち、国際交流をしたい団体の方々などと、一緒に料理を作っていければと思っているのです。
しかし、私自身が、これまでアフリカのミレットやソルガムを使う料理を自宅で作るのが難しかった。それはそうそう手に入る穀類ではなかったから。
でも、難しいからと言って避けていると一生作れないままで終わってしまうから、今回はミレットとソルガムの定義や、穀類や雑穀について基礎を学び、そしてミレットやソルガムの良い代用がないものか、検討しました。
* * *
まずはミレットとソルガムから。
◆Wikipedia「ミレット」(≫こちら)
ミレットは様々な穀物を含む言葉で、「トウジンビエ(パールミレット)、シコクビエ(フィンガーミレット)、テフ、フォニオ、ヒエ、キビ、アワなどがある」。とのこと。
黄色い線の前2者は名前にヒエがついても日本語のヒエには帰属しません。
◆Wikipedia「ヒエ」(≫こちら)
◆Wikipedia「トウジンビエ」(≫こちら)
西アフリカのパールミレット(トウジンビエ)はイネ科チカラシバ属。日本のヒエはイネ科ヒエ属なので、ヒエの中にはトウジンビエが入っていないのです。
ということは、パールミレット(トウジンビエ)の代用に、わざわざ日本の高額なヒエを買い求める必要がないわけです。
◆Wikipedia「モロコシ」(≫こちら)
モロコシ=ソルガムです。とうもろこしとモロコシは異なる植物です。
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◆Wikipedia「穀物」(≫こちら)
「穀物は、狭義にはイネ科の種子のみを指し、広義にはマメや他の種子を含む。」
要は、穀物は基本的にイネ科である。
◆Wikipedia「イネ科」(≫こちら)
食用の穀物:イネ・コムギ・オオムギ・カラスムギ・ライムギ・キビ・アワ・ヒエ・トウモロコシ・シコクビエ・モロコシ
イネからモロコシまで、11種類のイネ科食用穀物が揃いました。
ところで、日本人の食生活において主穀となるのは、ごはん、パン、麺類です。またトウモロコシは定義上は穀物であっても日本人の食生活においては野菜感覚なので除外します。そして、以下のように、主穀級とそれ以外を分類しました。
主穀級であるため除外対象
ごはんの材量:イネ
パンや麺の材量:コムギ、ライムギ
よって、ミレットやソルガムのような雑穀料理の代用には、この3種類は除外します。
流通度が低いため除外対象
カラスムギ、キビ、アワ、ヒエ、シコクビエ、モロコシ
普通のスーパーではそうそう買えないものは、除外対象としました。
残るはただ1種!
オオムギ←はったい粉です。
確かにいいですね。米粉や小麦粉では雑穀感がありませんし、話題かつ人気のはったい粉は、とりあえず私の近所のスーパーのどこにでも売っていた。
このようにして、雑穀の粉を使う料理の代用候補として、これからははったい粉(オオムギの粉)を念頭に置いていこうと思いました。
農学上ははったい粉は麦類に属することから厳密には雑穀ではありませんが、日本人の食生活感覚として、ごはん、パン、麺を作る穀物以外の穀物を雑穀感覚に置くのは不自然ではないので、よって、雑穀料理を、スーパーで普通に買える粉で作りたい場合、はったい粉に頼るのは悪くないアイディアであり、有益な結果をもたらすものと思います。
* * *
というわけで♪
はったい粉でゾムコム。できましたー!
ブラックアフリカの国々では、穀物の粉でとろみをつけたドリンクをよく見かけます。ガーナやブルキナファソのゾムコムは、現地では主にはミレットと呼ばれる雑穀で作ります。しかし現地のミレットは日本では普通には手に入らず、代用品としてはヒエあたりかと思っても、それらは普遍的には売っていないし売られていても高額なので、もっと多くの人がゾムコムを作れるよう、私自身が普通のスーパーの買い物で作れないかと、「穀物」や「雑穀」の定義から勉強をしました。
その結果、かなり普遍的に売られていて雑穀感があるものとしてはったい粉を選出。
そうして私が作ったゾムコムは、確かに「ガーナあたりで飲んだわこれ!」や「コートジボワールでよく飲んだ味やわ~」と思う味になりました。
だから私は、この判断は間違えていなかったと思っています。
ちなみに、はったい粉は、中国/チベット料理でいう糌粑(ツァンパ)です。粉に旨味が濃くて、もっと暮らしに取り入れていきたい粉だと思いました。
まあ、何事も勉強ですね。
感覚と思いつきで「はったい粉」と言っても信憑性も信頼性もないけれど、私自身が今後何かの形でアフリカの雑穀粉の料理を推奨するときに、こうして理論的・科学的に説明ができれば、それは説得力になって目的を叶えてくれます。もう一度書いておこう。何事も勉強ですわ。