中国の山東省で「葱花鸡蛋饼」(チョンホワチータンピン)を食べたことがあります。ネギ入りのしょっぱい薄焼きお焼きに卵をかけて焼いたものです。
食べたのは、济南(ジーナン)という街の路上ごはん屋の朝食でした。
路上ごはん屋は、作り方がよく見えるのが素敵ですよね。このとき教えてもらった作り方は、小麦粉を練った生地を薄く延ばしてから油を塗り、ネギのみじんぎりを散らし、丸めておいて、
それを薄く延ばして焼く。
そして溶き卵を薄く広げて塗って、
両面が焼けたら出来上がり。
このお店は大きく作ったものを食べやすく切って提供してくれました。
ネギと卵の塩味クレープ。美味しいんですよ。
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さて、私は中国語がビギナーなので、中国語ではほとんど会話ができません。作り方を教わったときも、このおねーさんが「葱花」(チョンホワ)と言っていたので、「ネギの花も入っているのね」くらいに思い込んでしまい、よく検証しませんでした。確かその日のうちに天津(ティエンシン)に移動するため、その場でじっくり確認する時間もなかったのだと思います。
最近になり、日本の自宅で、自分でもこの「葱花鸡蛋饼」(チョンホワチータンピン)を作ってみようと思い、中国人による中国語の動画を見たいと思いました。なぜならば、中国と日本では小麦粉の規格が異なるので、中国人がこの料理を作るのに使う小麦粉は、日本でならばどれに相当するのか(強力粉とか中力粉とか)を、少しでも突き止めたいので、動画を見て生地の延び具合をどうしても見たかったのです。
◆早餐饼新做法,3个鸡蛋加一把葱花,柔软筋道又营养,好吃还简单(≫こちら)
タイトル訳は、「朝食のうす焼きの新しい作り方、卵3個とひとつかみの「葱花」、柔らかくて栄養価が高く、美味しくて簡単」
0:13 あれ?「葱花」(チョンホワ)って言ってるのにネギの花が入っていないよ!?
◆葱花鸡蛋饼好吃有技巧,学会这做法,松软咸香,老人孩子都爱吃(≫こちら)
タイトル訳は、「葱花鸡蛋饼(チョンホワチータンピン)は美味しいのですが作るのにコツがあります。この方法を学びましょう。柔らかくて塩味があり、お年寄りや子供が大好きです。」
1:22 「葱花」(チョンホワ)と言っているのにネギの花が入っていない。
◆百度「葱花」(≫こちら)
「葱花(チョンホワ)は、ネギのみじん切りを指し、料理の味付けに使われます。」(葱花,指切碎的葱段,用作调味。)
「中国北部では長ネギが主流で、南部では小ネギがよく使われます。」(北方以大葱为主,南方多产小葱)
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<結論>
中国語の「葱花」はネギの花ではなくてみじん切りのネギ!
でも、北部は長ネギ、南部は小ネギが主流とのことで、ネギの種類は問わない。
あ、ちなみに、「葱花鸡蛋饼」(チョンホワチータンピン)を作るなら中力粉あたりで良さそうです。作ってみようと思います!