油だけじゃなかった! 本稿のタイトルは、「やっぱり必要!油汚れとごはん汚れと凸凹に、花王キュキュットあとラクミスト」。食器用プレ洗剤「あとラクミスト」の良さを使用事例に基づいてレポートします。
1.緒言
2.レポート条件
3.私の食器洗いの背景
4.食器洗い手法の○×△
5.実験手法とスクリーニング
6.あとラクミストは油による汚れをよく落とす
7.あとラクミストは炊いた米の汚れをよく落とす
8.結果。洗い物はラクになる!!
9.総括と謝辞
1.緒言
今回、モニター商品で、「キュキュット あとラクミスト」(≫こちら、以下「あとラクミスト」)(花王株式会社、≫こちら)を受領しました(無香は嬉しい♡)。使用レポートをUPするという条件とともに、です。
2.レポート条件
レポートの条件は以下の通りです。
- あとラクミストで洗い物ははラクになるか!?
- どんな料理後に役に立ったか
私はあとラクミストのユーザーです。食器がキラキラして清潔に保てるのは気持ち良く、調理後の習慣づけになりました。今回改めてその良さを実感するために、私は1か月間あとラクミストを使わずに食器を洗いました。その上でやっぱり必要!と認識したので、検証結果と共にレポートします。
3.私の食器洗いの背景
私の食器洗いの背景は、以下の通りです。
- 洗い物が好きじゃない。手間と負担は減らしたい。
- 食洗器を使わない。理由:1)食洗器つきの家に住んでいたとき好きになれなかった、2)場所ふさぎ、3)使うものは使いたいときに手に取りたい、4)現在あとラクミストによりそもそも食器洗い時間が短縮されている、等。
- 食器を水に浸けない。理由:汚れを広げるのが嫌。
- 食器は絶対重ねない。理由:汚れを広げるのが嫌。
4.食器洗い手法の○×△
食器汚れの落とし方モデルを6パターンに分け、食器洗いの価値観を図示しました。
- ➀現在の定番◎ シンクであとラクミストを噴霧し、油分の乳化&デンプン分解後、さっと洗います。
- ➁汚れが軽ければそのまま洗う。
- ③ウエスやペーパーで拭き取らない。理由は日本はゴミ排出量が多い国なので、ゴミ排出低減が国民に求められている。水分と塩分が多いキッチンゴミはダイオキシン類(※)発生源になりうるのでキッチンゴミは少なくしたい。
※燃焼時に非意図的に生成する塩素基をもつジベンゾパラジオキシン等の化合物。催奇形性や発がん性があり体内残留性が極めて高い。台所は水分と塩分を含むゴミが多く、水分により燃焼温度が下がり塩分により塩素基が供給されるため、燃焼時にダイオキシン類が発生しやすくなる。
- ➃湯で洗うのは△。温水では油分がよく流れ落ちるが、パイプの中で冷やされ、特に飽和脂肪酸が多いほどパイプ内で固結する。不飽和脂肪酸が残留した場合は酸化によりベタつくマロンジアルデヒド重合体になる恐れがあるので、乳化させずに油分をパイプに流し込むのはよくないと思う。
- ⑤水に浸けてから洗うのは△。汚れていない面に汚れが広がるのは嫌。
- ⑥米ぬかで拭うと最高◎。油汚れの量が多いときに行います。米ぬかに油を吸わせてコンポストに入れて堆肥化。1か月後には菜園の野菜作りの肥料になります♪
我が家はきれいに食べきるよう家族に協力してもらっています。ごはん粒は最後の1つまで食べる。小さな固形分も1つも皿に残さない、パン食ならフランス料理の作法にてソース類は最後はパンでぬぐって食べるなどです。
では以下より、➀のあとラクミストについて、レポート課題であるどんな料理後に役に立つかを検証します。
5.実験手法とスクリーニング
実験手法は、意図的介入のないスクリーニングとしました。つまり、「あの汚れを落とそう」みたいなターゲットは決めず、「あとラクミストを使わずに1か月間洗い物をし、ないと不便に感じたもの」を選び出しました。
その結果、油汚れと、炊いた米の汚れに対し、あとラクミストの圧倒的な強さと必要性を感じました。
6.あとラクミストは油汚れをよく落とす
6-1)平面実験です。食器に赤い油が残っています。
上の図で、(左)水に浸け、(右)あとラクミスト噴霧し、30分後に両方に水をかけました。あとラクミスト噴霧側は油汚れを簡単に流せました。その理由としては、図の右のように、界面活性化(※)により油が水層に溶けていることを確認しました。油は水に溶ければ水で洗えるのです。
※界面活性作用は洗剤の主たる効果で、物理学的には表面ギブズ自由エネルギーの減少である。単体分子は液中から表面を引っ張ることで表面が伸びないようにして表面張力を生んでいるが界面活性剤分子が表面吸着すると液中からの吸引力に拮抗するので表面が張らずに延びる。こうして油は自由に延び、さらに界面活性剤の分子中の親水基と疎水基が水と油の両方に接着して油は界面活性剤分子を介して水分子と混ざる。機序を知りたい方はこんな用語を活用して書籍やネットを見るとよいと思います。
6-2)凸凹面の実験です。油はねガードに赤い油が付着しています。
左に水をかけ、右にあとラクミストを噴霧し、30分後に水洗したらあとラクミスト噴霧側は油汚れが流れ落ちました。凸凹があると食器洗いクロスは凹に完全には入り込めないので、これは大万歳\(^o^)/とても嬉しいです。
7.あとラクミストは炊いた米の汚れをよく落とす
次は炊いた米の汚れに対するあとラクミストの効果です。今回のレポートの特徴は、目に見えないデンプン汚れを可視化(しかも自宅で)するためにヨウ素系うがい薬を使ったことにあります。ごはんの残りが存在すると青くなります。
7-1)平面実験です。炊飯器の内釜をティッシュでぬぐって白い皿に入れ、左に水を入れ、右にあとラクミストを噴霧して、両方に0.03%ヨウ素液(※)を5 mL加えます。
※市販のポビドンヨード系うがい薬使用。原液の有効ヨウ素が7 mg/mLなので10滴を水10 mLで希釈したら約0.03 w/v%になる。
すごーい! 感動…。
最初はどちらも青変してデンプンの存在を示しましたが、あとラクミストはデンプンを消失させました(※)。
※あとラクミストがヨウ素デンプン反応自体を阻害する可能性が考えられるが、反応初期にあとラクミストを前処理後にヨウ素を加えて青変し、時間経過に伴い青色が退色したので、その可能性は否定できる。
※あとラクミストにデンプン加水分解酵素(α-アミラーゼ)が含まれることを推測した実験は以下に掲載しています。
≫食器洗い嫌いの素敵な食器洗い。『花王キュキュットあとラクミスト』
7-2)凸凹面の実験です。実はうちの「つかないしゃもじ」はごはんがつきやすくなっていて…(汗)
でも大丈夫! 洗ったつもりでも、0.03%ヨウ素液をかけたら実はごはん汚れがうっすら残っていたことが判明した凸凹しゃもじに対し、あとラクミスト噴霧3時間のつけ置き後は、もうヨウ素デンプン反応は起こらず、ごはん汚れが分解できたことを確認しました。
* * *
8.結果。洗い物はラクになる!!
実験結果から、あとラクミストは、噴霧するだけで油汚れと炊いた米の汚れを落としてくれることが分かりました。あとラクミストを1か月間使わずに食器洗いをしたときは、油汚れやごはん汚れをダイレクトに洗おうとすると、2度洗いはしょっちゅうだし、洗い物の時間は長くなるし、面倒だし、洗い上がりがすっきりせず、ストレスでした。
結果。
洗い物はラクになる!!
やっぱり必要!油汚れとごはん汚れと凸凹に『花王キュキュットあとラクミスト』
なお2021年10月9日にリニューアル発売された改良品「香りが気にならない無香性」タイプが秀逸です。ボトルの首が青いほうが無香性タイプです。
9.総括と謝辞
あとラクミストのおかげで食器洗いの手間が本当に少なくなり、更には私が大好きな無香料製品化の実現へ。おかげで私は、キッチンが一層「調理を楽しむ場所」になりました。そのような私たち一般消費者の「キレイ・ライフスタイル」(Kirei Lifestyle、※)の向上を本当にありがとうございます。
※「Kirei Lifestyle Plan」(キレイ・ライフスタイルプラン):花王グループのESG戦略に含まれる。ESG:環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)、そしてそれらに積極的に取り組みをする企業の姿勢。
花王(4452/東1)といえば連続増配銘柄(2021年10月1日時点で31年連続!)として知られるところですが、この企画を通じて、その素晴らしい企業姿勢や企業努力をいつも有難く実感します。
でも、あとラクミストにもまだまだ弱点がある(牛乳の膜タンパクのこびりつきとか納豆ネバネバ多糖類とか)。そして今後一層の環境への洗剤負荷低減を目指してほしい。だからこれからも、更なる改良を心待ちにしながら楽しくあとラクミストを使っていき、相対的に増えた調理時間に感謝して料理を楽しみ、レシピの世界でも自己発展すべく努力を続けようと思います。