「世界の料理」というフィールドで活動をしていると、何度も、幾つも、まるで灰色の大きな壁の下に立って先に進めなくなるような困難に陥ります。
その一つが材料の調達。日本にないものならないで仕方ない(アフリカの野草とか)。だけど、「絶対にあるのに出回らない」ものの多さったら・・・。その1つが、「皮つきの豚肉」です。中国料理の「东坡肉」(トンポーロー)も、フィリピン料理のクリスピーパタも、ドイツ料理のシュバインスハクセも、あの皮が美味しいのにね。食用なのに、出回らないのがもったいないね。
もちろんネット通販で皮つきのお肉を買うことはできるのですが、私のコンセプトとして、出来るだけ日本の多くの人が世界の味に親しむ機会の種を蒔きたいと思っているので、私自身も、市内や町内のスーパーなどで手に入る食材で、その範囲の中で高いレベルで世界の料理を作り続けたいと思って努力をしています。
ということで、最近は「皮つきのサクサククリスピー豚肉を菜の花(現地ではカイラン菜)と炒めるタイ料理」を作りました。料理名は「カナームークロップ」(คะน้าหมูกรอบ)と言います。
「คะน้า」(カナー)はカイラン菜(アブラナ科野菜の茎とつぼみ)で、日本語では菜の花が最も近いもの。「หมู」(ムー)は豚肉、「กรอบ」(クロップ)はカリカリサクサククリスピーの表現。よって「คะน้าหมูกรอบ」(カナームークロップ)は「カイラン菜と皮サクサク豚肉の料理」のような意味の料理です。
工夫をしたのは、「皮つきのサクサククリスピー豚肉」を、皮のない豚肉を使って、天ぷら粉をまぶして事前にオーブン焼きすること。これで、なかなか良い再現ができました。
レシピは簡単です。
材料(4人分):
- 豚塊肉(※1)
- 200 g
- 塩
- 小1/2
- 天ぷら粉(※2)
- 大2
- 菜の花(※3)
- 300 g
- にんにく
- 5かけ
- 唐辛子
- 1~2本
- サラダ油
- 大2
- オイスターソース
- 大1
- 醤油
- 大1
- 水
- 大3
- 鶏がらスープの素
- 小1/2
- 砂糖
- 大1/2
- 白こしょう
- 小1/3
※1:豚塊肉は脂身のある部位を使います。
※2:今回は「昭和天ぷら粉黄金」を使用。
※3:現地ではカイラン菜を使います。菜の花はその代用です。
作業工程:40 分
- オーブンを170℃に予熱し、オーブン天板にクッキングシートを乗せておく。
- 豚塊肉を2~3 cm厚さに切り、脂身の部分を中心にフォークで穴をあけ、塩を全体にもみこみ、天ぷら粉をまぶし、脂身を上にしてクッキングシートに乗せ、170℃のオーブンで肉自体からじりじりと脂が音を立ててくるまで(およそ20分)加熱し、その後220℃に昇温し、脂身がパチパチと音を出すまで(およそ10分)加熱する。
- その間に、菜の花を5 cm程度の長さに斜め切りにする。
- にんにくはみじん切りにし、唐辛子はヘタと種を取って好きなサイズに切る。
- 豚肉をオーブンから取り出し、粗熱が取れたらどのパーツにも脂身がつくように、1 cm以内の厚さの一口サイズに切る。
- フライパンか中華鍋を強火にかけてサラダ油を入れて熱し、にんにくと唐辛子を入れて香りを出し、菜の花を入れて炒める。
- オイスターソース、醤油、水、鶏がらスープの素、砂糖、白こしょうを入れて炒め、全体が均一に混ざったら豚肉を入れて炒める。
- 豚肉に調味液がなじんだら出来上がり。
- Enjoy!
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美味しーい!!
この甘めのタレが、なんともタイ料理を思い出します♪
タイは麺類を食べるときにも卓上の砂糖をかける国ですし、日本人も料理に砂糖を使う国。白飯を食べる国は、甘い醤油を好むんですね。ガッツリ美味しいです。
* * *
再掲しますが、この料理のポイントは、本来は皮つきの豚肉を揚げたりすることで皮をサクサククリスピーにする料理ですが、日本には皮つき豚肉が出回らないため、豚塊肉に天ぷら粉をまぶしてからオーブン焼きにすることでサクサク感を増した点にあります。
天ぷら粉は、卵粉が入っていたり、プロテアーゼ配合(グルテンを分解するために)だったりと、カラッと仕上がるだけの企業努力の歴史を積んだ偉大な商品です。今回はお肉料理への活用でしたが、天ぷら粉を天ぷら以外にも使える「柔軟な発想」があると、料理って楽しいし幅が広がりますね。いい勉強になりました。
※本記事は(1)「昭和産業×レシピブログ」のモニターコラボ広告企画に参加していること、(2)昭和天ぷら粉黄金をモニター提供されたことに基づき執筆するものです。