このたびは、「鹿児島県・宮崎県・高知県・茨城県」の4県のJA(農業協同組合)による「国産ピーマンプロジェクト」のPR活動に選出していただきました。そして、鹿児島県産ピーマンを受領しました。
通常は夏野菜と認識されるピーマンでも、「出荷の時期は10月~5月」という日本南部産ピーマンの、特一級品と思うほどの出来の良さや美しさを見て、そして実際に食べて美味しさを感じて、まっさきに、農家の努力と農業技術開発の歴史に感謝をしました。スーパーには年中切らすことなく夏野菜が売られているのは、一般的な旬以外の時期に収穫ができるよう、生産者の並々ならぬ努力と技術の蓄積があるのだと、今回再認識しました。
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私は、「ピーマンが一番美味しい世界の料理は」と聞かれたら、その質問者の方の好みを幾つか聞いた上で、炒め物としての回答の1つに、「中国の、青椒肉丝(チンジャオロースー)」を挙げることでしょう。
ちなみに日本語ではロース肉という単語があるからチンジャオロースと呼ばれるのですが、中国簡体字の「丝」は「ス―」の音だから、やっぱり私の中では「チンジャオロースー」。あともう一つ述べておきたいのは、日本でチンジャオロースと言うとタケノコ入りの炒め物ですが、現地ではピーマン(またはししとう)とお肉だけです。この違いは大きい。私が作りたいのは、中国現地の美味しい中国料理の技法を取り入れた、食べた誰もに美味しいと言ってもらえるレシピです。
レシピは簡単です。
材料(2~3人分):
- 豚塊肉(※1)
- 200 g
- 塩A
- 小1/5
- 老抽(※2)
- 小1/5
- サラダ油A
- 小1/2
- ピーマン
- 4個
- にんにく
- 2かけ
- 生姜
- にんにくと同体積
- サラダ油B
- 大3
- 鷹の爪
- 1本
- 塩B
- 小1/2
- 味の素
- 少々
- 酢
- 小1/5
- 醤油
- 小1/3
※1:豚塊肉は脂身の少ない部位を使うとよいです。ない場合はトンカツ用などから薄切りにします。
※2:老抽は塩分の割に黒色が強い中国の醤油です。ない場合は省くか、半量の醤油で代用します。
作業工程:15 分
- 塊肉を水平に薄く切り(厚さ数mm)、次に5 mm幅の細切りにし、ボウルに入れる。
- 肉のボウルに塩A、老抽、サラダ油Aを入れて全体を和える。
- ピーマンのヘタと種を取り、縦方向に3~4 mm幅の千切りにする。
- にんにくを薄切りにし、生姜を細い千切りにする。
- フライパンにサラダ油Bと鷹の爪を入れて強火で熱し、油が十分に熱くなったら、にんにく、生姜、肉を入れ、激しくゆすりながら肉の全面がプリンプリンとした弾力を示すように素早く炒める。
- ピーマンを加え、同じ要領で素早く炒める。
- 塩、味の素、酢、醤油を加えて全体を炒め、味見をして塩加減などを好みに調えて出来上がり。
- Enjoy!
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美味しーい!
ピーマンの甘さが引き出されてる!!お肉もプリンプリンでイイ!!
中国料理として日本であまりに有名になった「チンジャオロースー」を、現地の厨房のレシピと手際で作りました。この料理の素晴らしい点は、辛味がほとんどなく、幅広い層の人に好まれること。この写真ではもも(大腿)の塊肉を使って、自分で細切りにしています。この料理は辛くないので幅広い層の方に食べていただけますし、何より、お肉を柔らかく美味しくプリンプリンに仕上げる炒め方に、やっぱり中国料理の美食たる実力を感じさせられます。
ちなみに現地で「酢を少し入れるのがポイント」と教わりました。ピーマンの色がくすまず、鮮やかにツヤツヤが保てるのだそうですよ。
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私は、地元での講演活動を幾度となく通じて、「地元の食材×世界の料理」の第一人者となれる足場が出来てきました。別に益田市だけじゃなくていい。中四国だけじゃなくていい。九州も北海道も、「その土地の産品×世界の料理」というテーマで自らが学びその良さを伝える伝道師の如く活動ができることが、今思い描いているワークスタイルです。
だから今回、心底美味しいと思う素晴らしい出来映えのお野菜を調理でき、嬉しかったです。これからもこういう「美味しい野菜を食べる世界の料理の伝播」に努めたいと思います。