<2020年度スパイスアンバサダーの活動報告>
1月の活動内容として、「スパイスで好き嫌い解消チャレンジ!苦手な食材をおいしく克服しよう<味覚が育つ楽しいレシピ編>」という趣旨に基づいた情報発信をする運びとなりました。そこで、本タイトルの通り【ジビエ×スパイス×世界の料理】として、5回連載形式でスパイスアレンジレシピをお届けします。
* * *
ジビエ、苦手ですか?
野獣です。
苦手な人多いですよね。
でも・・・、
ジビエ料理は、今後絶対世の中に必要になると思う。
ジビエは飼育肉の対義語で、狩猟で得られる肉を主に意味します。日本ではジビエの肉となる動物はイノシシ、アナグマ、シカ、タヌキなど、主に害獣です。里山暮らしの地域では、人口が減っていることもあり、獣は一層繁殖しやすく、畑や果樹園を荒らします。害獣対策は各自治体が講じ、自治体で助成金や確保協力金を出すなどの対策もされています。しかし問題なのは、その確保した肉が、一般消費者になかなか届いていないこと。
現在もジビエ振興の動きはありますが、ジビエ振興のために、私は料理面において、以下のことが必要であると考えます。
- 肉を血抜きされた良い状態で流通すること。ジビエは臭いといった先入観を排除すること。
- 一般スーパーなどでも供給する体制の確保。
- 一般家庭でも美味しく調理でき、消費できること。そのために美味しいレシピが多いこと。
- 美味しいレシピが広まるために、まずは狩猟肉文化の諸外国のレシピが広まること。
ジビエ肉は、本来人類が食べてきた肉。人類の本能の旨さを引き出す肉。ジビエ肉を食べることは、本当に美味しいものを美味しいと分かる本来の味覚を育てることでもあります。もっとみんなでジビエを知って、ジビエの苦手意識をなくして、ジビエ振興に理解と協力を増していきませんか。
連載最終回は、「イノシシの足×ブラックペパー×スペイン料理」~ハモン編~です。
うふふ。これほどの、ジビエ料理たるジビエ料理にふさわしい料理があるでしょうか!? 生ハムですよ、これが自宅で作れるんです。
うわあ♪♪
美味しい♪♪
すげぇ。。。生ハムが作れた。。。しかも超旨い。
材料(出来上がり1.6 kg分):
- 豚かイノシシの足
- 3.4 kg(※1)
- 塩A
- 足の5%(※2)
- こしょうA
- 塩Aの1%(※2)
- 水
- 2640 mL(※3)
- 塩B
- 240 g(※3)
- 砂糖
- 120 g(※3)
- ベイリーフ
- 1枚
- こしょう粒
- 12粒
- クローブホール
- 4粒
- ローズマリー
- 2枝
- セージ
- 2枝
- パセリ
- 2枝
※1:今回は地元でワナにかかったイノシシの足を使っています。3.4 kgはその時の計量です。太ももから足首あたりにかけて、骨ごと使います。
※2:足の重量が3.4 kgなら、塩Aは170 g、こしょうAは2 g(1.7 g)です。
※3:塩8%及び砂糖4%のソミュール液を3 L用意する分量です。
作業工程:3か月半
- <足の準備>足を用意し、足首の先を切り落とす。冷蔵庫に入るサイズであることを確認する(入らないようなら切る)。
- <塩漬け>塩AとこしょうAを均一に混ぜ、足の肉の全面にしっかりとなすりつける。血管の切り口に入れ込むようにする。
- 大きなビニールに入れて冷蔵庫で1日置く。
- <ソミュール液>ソミュール液を作る。水、塩B、砂糖を鍋に入れて加温して溶かし、火を止め、冷めたらハーブ類(ベイリーフ、こしょう粒、クローブ粒、ローズマリー、セージ、パセリ)を加える。
- 冷蔵庫から豚の足を出し、肉から出てきた水分を捨て、肉表面をキッチンペーパーなどで丁寧に拭き取る。
- 別の大きなビニール袋に豚の足を入れ、ソミュール液を、肉がすべて浸かるように入れる。
- 冷蔵庫で1週間置く。
- <塩抜き>冷蔵庫から豚の足を出し、漬け汁やハーブを捨て、新たな水に10時間浸けて塩抜きする。気温が高い場合はトロ箱(発泡スチロール箱)に水と氷を入れて塩抜きする。
- <燻製>バーベキューセットか長火鉢などを使い、肉が入る段ボールを用意し、段ボールの中で肉が宙づりになるようなものを作る。
- バーベキューセットか長火鉢などに炭を熾(おこ)し、段ボールの中で肉を宙づりにし、燻製チップをくべながら6時間燻製する。
- <風乾>扇風機の風を当ててハエがつかないようにしながら、6時間風を当てる。
- その後、風通しの良い場所に吊るすか、気温が高くて心配な場合は冷蔵庫の中で網に乗せ、3か月ほど乾燥及び熟成させる。
- Enjoy!
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「美味しーい!」
わーい。自宅で生ハムが出来ました!!! 屠殺したばかりの新鮮なイノシシの足を使い、太ももから足首を塩こしょうに浸け、次にソミュール液(塩砂糖香辛料ハーブ液)に浸け、塩抜きして風乾し、燻製して、出来上がります。生ハムは数年間熟成させるものもありますが、この生ハムは3か月で作るレシピを参考にして作りました。食品添加物の発色剤(亜硝酸塩など)を使っていないので、酸素と触れる部位から黒くなりますが、それでよいのです。しかし自分で作る生ハムの美味しさは今まで食べてきた市販の生ハムとは別世界で、格別&絶品です。ただし、これが世界中で伝統的に作られてきた生肉保存食とはいえ、元が豚肉ないしイノシシ肉なので、念のため作っても自己消費にとどめ、他人には差し上げないようにしましょう。
* * *
世界はそのスパイスの使い方を持っています。
<スパイスアンバサダーの1月の活動報告>として、「スパイスで好き嫌い解消チャレンジ!苦手な食材をおいしく克服しよう<味覚が育つ楽しいレシピ編>」という趣旨に基づいた情報発信をして参りました。そして、本タイトルの通り【ジビエ×スパイス×世界の料理】として、5回連載形式でスパイスアレンジレシピをお届けしてきました。多くの人にとって美味しいという保証つきの料理をレシピつきで紹介することで、「作る楽しみ」が芽生える一助になれば無上の喜びです。読んでいただき本当にありがとうございました。私自身も大変に勉強になりました。
そして、
世界には、まだまだ、私すら知らないスパイス使用のコツが溢れてる。
だからこれからも、夢に向かって走り、取り組み続け、家族との楽しい食事の時間にも会話にも世界中の良さを集めて、妥協のない努力を続けて参りたいと思います。
本企画を主催されたレシピブログとハウス食品(株)に、心より感謝申し上げます。
【第1回】「イノシシ肩肉×クミン×米国料理」~プルドポーク編~
【第2回】「シカ肉×ホワイトペパー×フィンランド料理」~ヒヒルベンリハピーヒビット編~
【第3回】「アナグマ肉×オレガノ×ウルグアイ料理」~アサード&チミチュリ編~
【第4回】「イノシシの内臓×ローリエ×フィリピン料理」~ボピス編~
【第5回】「イノシシの足×ブラックペパー×スペイン料理」~ハモン編~
※本記事は(1)「ハウス食品×レシピブログ」のモニターコラボ広告企画に参加していること、(2)スパイスをモニター提供されたことに基づき執筆するものです。