従来キクバナイグチとされてきたキノコが2016年論文で細分類されたそうです。その細分類により、うちの広義のキクバナイグチは、狭義のヒビワレキクバナイグチと思われるようになりました。
9月下旬、カシの大木のふもと(樹木と土の境目付近)を覗くとひょっこり斜めに顔を出していました。
割と背が高いきのこです。柄が、上部黄色で下部が赤です。細分類後の狭義のキクバナイグチは全体が赤いそうです。
「キクバナ」の名の由来は「菊の花の紋様」。
傘の表面がぼこぼこしています。小豆色のようなくすんだ赤い色をしています。
ひだはなくアミ。黄色いアミ。
幼菌は傘のフチが柄の基部まで巻いていて、成長すると傘のフチが柄から離れているが、アミが結構傘のフチに覆われている。「包まれている」という表現が似合う。
柄は丈夫で硬い。中実。基部が膨らむ。強い青変性。
肉も管孔も強い青変性。
なお上の写真を見ると、肉はもとは白色である。さらに、肉の上に張り付いているキクバナ模様の赤い膜が1 mm以下と薄い。ここが細分類のキクバナイグチ(3 mm以内だが厚い)との鑑別点のようで、これによりうちのきのこはヒビワレキクバナイグチと判断した。
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いざ食べるとして。
このきのこ、悪いものじゃないんだけど、絶賛するほど美味しくはないんですよね。イグチ系なので、見つけたら食べたいとは思うのだけど、なんというか土臭いし、舌触りも絶品というほどではない。
老菌は管孔の食感が悪そうなので、管孔(スポンジ状の部分)を包丁で切って、あとはアミの部分を包んでいる傘のフチをはがして、4 mm厚さに切ってゆでこぼしています。淡い味付けより、いっそのこと中華の炒め物とかがいいね。濃い味付けでジャっと炒めるような料理がこのきのこには合っています。