世界をおいしくする出会い、「トリプル変化ごはん」

2019/10/07

きっかけは、「だし」に着目した日本人の味覚と世界の料理の距離隔たり。そして外国人の味覚と和食の距離隔たりです。世界を旅して、私はこれまでたくさんのホームステイをしてきました。一緒に料理を作ることが多いのだけど、でもときに、外国人は日本の「だし」の味を理解しません

カナダでホームステイをして「和食を作って」と頼まれてかつ丼を作った日。彼ら、だしで煮込まれたトンカツに不思議な顔をし、一方でトンカツにバーベキューソースとケチャップをかけるとガッツリ食べるんですね。フランス人のおねーちゃんも「卵焼きに魚の風味は嫌だわぁ」と、日本の旅館で食べたというだしまき卵の思い出を語っていましたっけ。

だから、日本人が突然だしと縁を切って世界の料理に入ることや、外国人をだしがものを言う日本料理の世界にいきなり入れることは、距離がありすぎるかもしれない。これは私が長年抱いてきた葛藤であり、いつか克服したいと思ってきた課題です。

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今回「だしとスパイス」をコンセプトとした商品を仕事つながりで頂きました。その味は、日本人には「いつもの味だけど外国の味」、外国人には「食べ慣れた味でもジャパニーズテイスト」と思ってもらえる味。さっき述べた「日本の料理と外国人の味覚の長すぎる距離」に対し、ちょうど中間点で着地してくれる良い存在だったのです。

こういう既製品を活用するなら、「手軽に、パパッと、ハレの日」のような料理を作れたらいいな。

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考えて、やってみようと思ったのは、

『最初が美味しいから変化が美味しい、楽なおもてなしの新提案。』

1つの元料理2つめに展開して活用され、1つめと2つめの料理が3つめの料理に活用される。最初が美味しいから、2つめ、3つめも楽に美味しくなる。おもてなし料理で調理者が疲弊しちゃいけませんね。だから今回の「トリプル変化のおもてなし」は調理者にとって朗報とも言える「おもてなしの新提案」です。

この「トリプル変化のおもてなし」は、世界のレシピの膨大な蓄積の中から、元の既製品の美味しさや簡便性、それから手軽で簡単、見た目が良いなどを踏まえて検討してきました。

ハレの日の料理であっても、手軽さを重んじ、準備と調理と食事前片付けをすべて含めてなるべく短時間で終えたいです。ハレの日の乾杯テーブルには自分も参加したいですから、初めにシメのごはんまで完成させておくことで、食事の時間は自分もお客様とのコミュニケーションが図れ、お酒と会話を楽しめます。そういった楽しい場づくりを想像しながら、有意義なレシピ化を心掛けました。

また今回の手法は、1つめの元料理が、焼いた油なども無駄にせずに、次々と違う料理に展開するため、調理後の油汚れがほとんど出ず、環境にエコであるのも特徴です。

そうして出来上がった料理は、こんな感じ。

トリプル変化ごはん

写真では味は伝わらないけれど、ステーキ最高、スープもライスも世界に名だたる実力の味\(^o^)/

それでは【トリプル変化のおもてなし】、「世界をおいしくする出会いの味」を是非ご覧ください♪

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最近、大きなスペアリブ(14本がつながっている)のを近所のスーパーで見て、「美味しそう♡」と思って購入しました。しかも1351 gで1323円ですから、小分けで買うスペアリブの半値ほどです。割安です。

リブ

わー美味しそう♪
ポークステーキによく使われるトンカツ用肉やポークステーキ用肉は、一般には焼くとパサつくし反るけれど、スペアリブは肉質がよく、柔らかく、脂っこくないのにジューシーでテンダーで旨さが違う。魚で言うと尾びれ近くの肉とカマ肉くらい美味しさが違う。ハレの日のお肉は美味しいほうがいいよね。今回ポークステーキは、このリブを使って「ポークリブステーキ」にしようと思います♪ 商品には、1)スパイスパウダーと、2)調味液(お肉のタレ)が入っています。スパイスパウダーはジンジャーのいい香りがし、タレは牡蠣の風味がぷんぷんします♪

 (1)ポークリブステーキ☆ 

最初は既製品の指示通りに調理して味わうべきですね。段取りフローを可視化しました!(私はワード作図が大好きです笑)

トリプル変化ごはん

要は、にんにくチップを作る間に、お肉にスパイスをまぶし、お米を研ぎます。にんにくを取り出したあとの油にお肉を入れ、表面に焼き色をつける間に次のグヤーシュ用の野菜を切ります。お肉は油を切ってタレを絡め、残ったこぼれスパイスや旨い炒め油は次の料理に使っていくという流れです♪

トリプル変化ごはん

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 (2)グヤーシュ☆ハンガリー♪ 

グヤーシュは、ハンガリーの国民食で、欧州を代表する美食です。甘さと香りをもつパプリカパウダーをたっぷり入れた赤くて美味しいスープは、具をたっぷり入れるほど具がおかずになります。

段取りはこんな感じ♪

トリプル変化ごはん

準備はたったの5分! ポークリブステーキの余りのスパイスは水で洗い込んで鍋に入れ、余った炒め油は刻んだ野菜を炒めて、それを鍋に入れます(野菜は次のジョロフライス用に少し残しておきます)。あとは調味料類を入れれば、煮込みの仕込み完了です。さきほどのポークリブステーキは弱火にかけて骨までじっくり火を通します♪

トリプル変化ごはん

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 (3)ジョロフライス☆ナイジェリア♪ 

ジョロフライスはナイジェリアやガーナなど西アフリカ諸国の国民食で、アフリカを代表する美食です。赤い炊き込みご飯はお祝いにもピッタリで、現地でもお祝い料理やおもてなし料理として作られます。肉の旨味が入って美味しいんです♪

段取りはこんな感じ♪

トリプル変化ごはん

こちらも準備はたったの5分♪ 要は、炊飯器の内釜に、研いだ米、グヤーシュの赤いスープ、さきほどのグヤーシュでフライパンに残った野菜や油、調味料類、ポークリブステーキとタレの一部を入れて炊飯器スイッチON。これだけです。

トリプル変化ごはん

あとは、グヤーシュを弱火でことこと煮込み、ポークリブステーキは冷めないように超弱火にかけておきます。私の家の炊飯器には急速モードがあり25分くらいでごはんが炊けます。重要ポイント!!この炊飯時間は完全に手があくので、ここで洗い物やテーブルセッティングなどを済ませて、ワインをあけて、あとはごはんが炊けるのを待ちましょう♪

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調理開始から60分後、全部温かい状態で料理が並びました♪
ほかほか~

トリプル変化ごはん

「B)パパッと」作ることも今回のテーマなので、取っ手が取れる可愛いフライパン3つセットを使い、大皿のようにサーヴします♪

いいお肉を使い、赤い料理を増やしたので、「C)ハレの日」の料理らしくなったかな!?

トリプル変化ごはん

(1)のポークリブステーキは、牡蠣の風味の旨味濃厚なタレと肉が好相性。

(2)のハンガリー料理グヤーシュは、元製品のスパイスパウダーの美味しさが確実に出ていて、美味しいのなんの。

(3)のナイジェリア料理ジョロフライスは、(1)の肉やタレも(2)の旨いスープも取り入れて、ガッツリ美味しい。

結局のところ、(1)は肉を焼くだけ、(2)は鍋に入れて煮るだけ、(3)は炊飯器に入れてスイッチONするだけなので、「A)手軽」の点も完璧にクリアしたように思います。

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【私の感想】
いつもと違うテーマを設定して、チャレンジ精神でキッチンに立つのは楽しい時間でした。「ポークステーキの素」という商品を目の前に、敢えてネットも資料も見ずに、純粋に、世界の各地で美味しかったものを思い起こしていました。そうして世界246か国の料理を思い描く中で、【トリプル変化のおもてなし】というコンセプトは、世界中の良さとリンク可能で、可能性が無限大なのだと確信しました。

今回の既製品には和のかつおぶしが入りながらも、その他の国の調味料もブレンドし、遠く離れた地域どうしの伝承の味をつなげることができました。

これ以降は今回作成したトリプル変化の「一連の流れ」を1レシピとして掲載して、本記事の締めくくりといたします。

heart『トリプル変化ごはん☆ポークリブステーキ、グヤーシュ、ジョロフライス』

トリプル変化ごはん

材料(4人分):

にんにく
4かけ
サラダ油A
大2
豚スペアリブ
8本
スパイスパウダー(※1)
1袋(※1)
2合
玉ねぎ
2個
じゃがいも
3個
セロリの茎と葉
刻んで1/2 C
緑ピーマン
3個
トマト缶
1缶(400 g)
調味液(※1)
1袋(※1)
水A
600 mL
パプリカパウダー
大2
サラダ油B
小2
塩A
小1
こしょう
小1/3
ドライマジョラム
小1/2
ベイリーフ
2枚
キャラウェイシード
小1/4
水B
適量(※2)
ビーフコンソメの素
小1/4
ドライタイム
小1/4
クミンパウダー
小1/4
塩B
小1/2
サラダ油C
大1

※1:スパイスパウダー及び調味液は、にんべん「だしとスパイスの魔法ポークステーキ」1箱の内容量です。
※2:炊飯時の水の量は炊飯器の内側の目盛りで1.8合分を最大量とし、これを超えないようにします。

作業工程:1 時間

    トリプル変化ごはん

  1. にんにくを薄切りにしてフライパンに入れ、サラダ油Aを入れて弱火で熱し、にんにくを泳がせるように徐々に表面をキツネ色にしていく。
  2. その間に平らな皿にスペアリブのうち6本を並べて両面にスパイスパウダーをまぶす(残り2本はとっておく)。
  3. 米を研いで吸水させておく。
  4. にんにくがキツネ色になったものから紙の上に取り出し、すべて取り出したらスペアリブを入れ、中火にして、途中で返しながら肉の表面を焼きつける。
  5. 肉を焼いている間に、玉ねぎ1.5個分を2 cm角切りにし、0.5個分をみじん切りにし、じゃがいもの皮をむいて2 cm角切りにし、セロリの茎と葉は2 cm長さに切り、ピーマンはヘタと種を取って2 cm角切りにする。
  6. トマト缶の中身をハンドブレンダーかミキサーにかけてピューレ状にしておく。
  7. スペアリブが焼けたら別のフライパンに取り出し、調味液を肉の周囲に流し込み、にんにくチップを肉の上に乗せる。
  8. スペアリブを入れたフライパンをいったん強火にかけ、タレを沸騰させてから弱火にし、中まで火を通していく(加熱は食べる直前まで続け骨まで火を通します)。
  9. トリプル変化ごはん

  10. 肉を焼いた油の残りが入ったフライパンに、先ほど切った玉ねぎ、じゃがいも、セロリの茎と葉、緑ピーマンを入れて強火にかけて、ときどき返しながら野菜を3分ほど炒める。
  11. その間に水Aでスパイスの残りが入った皿を2回ほど洗い込みながら鍋に入れ、強火にかける。
  12. 未調理のスペアリブ(2本)を鍋に入れる。
  13. 先ほどピューレ状にしたトマト缶の中身を200 mL取り、鍋に入れる。
  14. 炒めた野菜を、野菜を少しだけ残して鍋に入れる。
  15. 鍋の水面にパプリカパウダーを優しく乗せ、その上から(赤い色を引き出すために)サラダ油Bをかける。
  16. 塩A、こしょう、ドライマジョラム、ベイリーフ、キャラウェイシードを入れ、煮立ったらフタをして弱火にする。
  17. 途中味見をして塩加減などを好みに調え、旨味が足りないと思う場合はビーフコンソメ(分量外)などで調える(加熱は食べる直前まで続け具を柔らかく煮ます)。
  18. トリプル変化ごはん

  19. 吸水した米をザルにあげ、炊飯器の内釜に入れる。
  20. グヤーシュのスープを180 mL取り、内釜に入れる。
  21. トマト缶の中身をピューレ状にしたものを大さじ2取り、内釜に入れる。
  22. 野菜を炒めた残りの油が入っているフライパンに水Bを入れ、水の量が炊飯器の内釜の1.8合分の目盛りを超えない範囲で中身を全部内釜に入れる。水が少ない場合には水を足して1.8合分の目盛りに合わせる。
  23. ビーフコンソメの素を加える。
  24. ドライタイム、クミンパウダー、塩B、サラダ油Cを加える。
  25. ポークリブステーキ2本を米の上にそっと置き、タレを大さじ1程度取って加え、にんにくチップを肉の上に置く。
  26. 急速炊飯モード/早炊きモードで炊飯を開始する(なければ通常の炊飯)。
  27. ここから手があくので、片付けやテーブルセッティングをする。
  28. ごはんが炊けたら内釜の中で軽く混ぜて上下均一にし、すべての料理をテーブルに出して出来上がり。
  29. Enjoy!

トリプル変化ごはん


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本記事、レシピ内容及び写真の著作権はすべて管理人:松本あづさ(プロフィールは≫こちら、連絡方法は≫こちら)にあります。読んでくれた方が実際に作って下されば嬉しいですし、料理の背景やTipsなど、世界の料理情報の共有を目的として、大事に作成しています。
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