どうやらシナモンシュガーを与えられた日本人は甘い料理や甘いお菓子を作るようだ。レシピブログのシナモンシュガーのレシピ(≫こちら)を見て、そう思った。
しかし、「違和感」を感じたことをそのまま自分の思い込みにしてしまうのはよくないので、シナモンシュガーを使った投稿レシピにおける甘いものの比率を見てみようか。
【検証の手法】
- 調査時点で全222件ある投稿レシピ(シナモンシュガー以外のスパイスレシピを含む)のサムネイルを見て、シナモンシュガー使用が明らかと思われる料理を抜粋してその名称を収集した。
- 同じ料理が2つあるなら語末に2を付す。
- 甘いもの系にA、しょっぱいもの系にSを語頭に付す。
【結果】
全48件中、甘い料理47、しょっぱい料理1。
【結果の考察】
シナモンシュガーを手にした調理者は、圧倒的確率(98.0%)で甘いものを作った。
【結論】
もはやこう言い切ってしまってよいだろう。日本人にシナモンシュガーを与えるとほぼ全例で甘い料理を作る。と。
【感想】
しかしながら、世の中、甘い料理や甘いものが好きではない人も多い。おやつなどスウィーツの欲求が低い人は多いだろう。特に男性陣など、甘い料理としょっぱい料理が並んでいたら、ガッツリお腹にたまるしょっぱい料理を選ぶ人も多いんじゃないかな。だから、そういう家族がいらっしゃる家庭ほど、シナモンシュガーを持つと賞味期限内に使い切れなかったりする。使いきれないという理由で廃棄するともう2度とそれを買わないっていうことは多々あるよね。よって、シナモンシュガーが甘い料理やスウィーツ作りに限定されることは、シナモンシュガーの販売促進の障壁になっていて、言い換えればシナモンシュガーの販売促進にはまだまだ伸びしろがあるはずです。
シナモンシュガーの難点は砂糖が入っていて湿気るため、開封したら積極的に使いきります。だったら「シナモンシュガーを使って作るしょっぱい系料理」のレシピを持っていたら、速いです。
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「シナモンシュガーを使って作るしょっぱい系料理料理」の条件とは、以下の通りです。
- シナモンと砂糖をレシピに含む料理。
- スウィーツやおやつではなく食事になる料理。
- ごはんや麺などの主食に合う料理。
- (砂糖を含むため甘味があるのは置いておいて)しょっぱい系統の料理として一般に認識されるもの。
世界の料理の中にもあるんです。こういう料理。
そしてこういう料理作りなら、シナモンシュガーを「日々のおかずづくり」に活用していけるんです。
とりあえず5つ選びました。題して『シナモンシュガーを使って作れる「しょっぱい系」世界の料理5選』です。
1)[カリブ海]ジャマイカ料理、他カリブ海諸国:ジャークポーク
概要 :オールスパイスなどで香りの良いポークグリル
料理紹介文:ジャマイカ料理であまりに有名なジャークチキンと同じ漬けダレを用いて作るジャークポークは、ジャークチキンが「邪悪なチキン」と連想されるのと同様に、「邪悪なポーク」という言葉を思い浮かべるほどに美味しいです。「ジャーク」(Jerk)とはスパイシーマリネグリルのこと。ジャークシーズニングという、辛味があってスパイシーで美味しいタレをまぶしてお肉を焼くだけで、実に美味しい。しかもお肉がめちゃくちゃ柔らかくなります。
使用スパイス:オールスパイス、タイム、黒こしょう、ジンジャーパウダー、カイエンペッパー、シナモン、ドライバジル、クローブ、ナツメグ
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2)[東南アジア]ベトナム料理:フォーガー
概要 :平たいライスヌードルと鶏肉入りのスープ
料理紹介文:本格的な味のフォーができた~\(^o^)/ 決め手はコリアンダーパウダーとシナモンとナンプラーでした!! 主要炭水化物を米に依存しているベトナムでは、米はごはんを炊くだけではなく、ライスヌードルになり、ライスペーパーにもなり、様々な料理に使用されています。ベトナム全土で愛されているフォーはそのライスヌードルを使った美味しい麺料理です。香りにくせのある野草や野菜類をトッピングすることで、一層スープが美味しくなります。
使用スパイス:カルダモン、クローブ、シナモン、コリアンダー、こしょう
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3)[南アジア]インド料理、他インド系諸国:バターチキン
概要 :バターの香りが濃厚なチキンカレー
料理紹介文:これは数あるインド料理の中で最も美味しいカレーの1つであり、インド料理の最高傑作のつです。色も美しい。味も最高傑作。家族はもちろん、誰に出しても喜ばれる一品ではないでしょうか。これが自宅で作れると、感激する。夏の完熟トマトがある季節であれば美味しさMAXのものが作れましす! レシピを見ると材料が多いのですが、ちょこちょこスパイスを組み合わせる楽しさでもありますし、小さじでちょんちょんと取っていくだけで、煩雑じゃないから大丈夫。是非良いバターを使って作ってみてください。それでこそほっぺたがとろけ落ちる美味しさです。
使用スパイス:コリアンダー、カイエンペッパー、パプリカ、ターメリック、クローブ、クミン、カルダモン、シナモン、ガラムマサラ
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4)[西アジア]イラン料理、他アゼリ・ペルシャ系諸国:フェセンジュン
概要 :鶏肉のくるみ&ざくろソース煮
料理紹介文:この料理は、くるみと鶏肉とざくろ、主にこの3つの材料で作ったとびっきり美味し煮込み料理です。しかも、くるみ味、ざくろ味の料理なのに、ご飯と一緒に食べるのだから、日本の食卓とはとても離れた味わいです。しかしとびっきりの美味しさには食べてびっくりしますし、食べたみんながびっくりしています。なおこのざくろソースはコーカサスやイランでは日常的かつ人気のある調味料です。今回は現地の味に近いものを作りたいと思い、現地のざくろソースを使ってこの料理を作りました。日本で並ば輸入食材店などでないと手に入らない珍しいものかもしれませんが、私はいつかこの料理を、例えばザクロジュースなどを代用に使い、私たちにとって手に入りやすい材料で、この美味しい美味しい料理をいつか作りたいと思っております。
使用スパイス:サフラン、ターメリック、シナモン、こしょう、カルダモン
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5)[西欧]ベルギー料理、フランス料理:カルボナードフラマンド
概要 :鶏肉のくるみ&ざくろソース煮
料理紹介文:この暗色の見た目の煮込み料理は、ごろごろお肉の黒ビール煮です。「黒ビール煮」だなんて日本の家庭では滅多に作られない料理でしょうし、コクと苦みを感じる黒ビールをたっぷり使って煮るだなんて、調理中は出来上がりの味が想像もできないのですが、出来上がって食べてびっくり。美味しくて美味しくて、お肉も柔らかくて、それからこれを食べてくれた人も美味しさにびっくりしてくれます。少しビターな大人の味に、「大人テーブル」の雰囲気が上がります♪ 途中で加えるマスタード粒が、食べている途中で口の中でプチっとはじけ、これがまた美味しいのです。
使用スパイス:こしょう、ベイリーフ、シナモン、クローブ
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わーい♪♪ どれも美味しそうじゃないですか♪♪
しかも、米州もユーラシアもと、世界の広域に、条件を満たす料理があることが分かります。嬉しいですね。
もちろん直接シナモンシュガーを使ったレシピではないので、レシピを置き換えるときは、砂糖を全量シナモンシュガーに置き換えてシナモンを消除する方法でよいと思います。あとは味見で甘さ加減やシナモン加減を整えればよいのです。
シナモンは和食から離れた異国のフレーバーがしますから、シナモン/シナモンシュガーを使うおかずがあると、日々のごはんづくりのマンネリ打破にもなりそうです。ちなみに私がよくやるのは、インドやパキスタンのスパイスカレーと、ベトナムのフォーのスープ作りです。
上述のように、シナモンシュガーの難点は砂糖が入っていて湿気るため、開封したら積極的に使いきりましょう。