私のお気に入りキッチン道具に、文句なく最高にレモンや柚子の果汁がしぼれる、レモンスクイーザーがあります。
マーシャルでおよそ6USドルで買ったものですが、出会いは、それよりも古く、北マリアナのロタ島で、現地で出会ったおばさんの別宅に泊めていただいたときのことでした。
北マリアナやグアムなどのチャモロ人の料理では、柑橘を料理によく使います。代表的料理はケラグエン(レモン果汁シメ)であり、この日は、狩猟シーズンにつき頭数限定で狩りが認められているという鹿のさばきたてのレバーをケラグエンにしてくれました。
このとき、手が汚れず、力が要らず、種が落ちず、果汁が完璧に絞れ、皮の柑橘エッセンスがよく得られ、食材やティーカップにに直接果汁を入れられる、理想のレモンスクイーザーに出会ったのです。
泊めていただいた家の庭にはレモンの木がありました。泊めていただいている間は私と夫の2人きりで滞在させていただけ、レモンも好きなだけ取らせてもらえ、ロタ島らしい食事をキッチンで作りました。
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帰国して、あのときの素晴らしいレモンスクイーザーが欲しくてたまりませんでした。日本によくあるレモン搾りといえば、器に山が生えていて、2つ割りにしたレモンの果肉部分を押し付けて、手で皮の部分を持って押し付けて、ぐりぐり左右にまわしながらこすらせて、果汁を搾るというものです。しかし難点は幾つもあります。日本によくあるレモン搾りの難点は、手が汚れるし、大事な皮の精油(柑橘の香り本体)は手にもっていかれるし、力を入れないと果汁がちゃんと絞れないし、果汁に種がまざるため種を別途除去しなければならない、食材に直接ふりかけることができない、などです。
しかし、ロタ島タイプのレモンスクイーザーなら、手が汚れず、力が要らず、種が落ちず、果汁が完璧に絞れ、皮の柑橘エッセンスがよく得られ、食材やティーカップにに直接果汁を入れられる。それは忘れることのできない理想のレモンスクイーザーなのです。グリップの持ち加減もとっても気に入りました。
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やがて私には、太平洋の未訪問国を渡航し、世界の渡航国数を238か国から242か国へ増やす機会が訪れました。新規渡航国は、マーシャル、キリバス、ナウル、ソロモンです。そこで訪れたマーシャルのスーパーマーケットで、ロタ島とまったく同じレモンスクイーザーを見つけたのです!!! 5.95USドルでした。マーシャルの物価にしたら安いもんです。即買いです。
ラベル商標は「Chef Friendly Lemon Squeezer 2.5″D」、商品バーコード番号は795229409023です。この番号でGoogle検索をすると、以下の画像検索結果が得られます。
まさに、私が買ったものと同じです。
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じゃあ、嬉しくて、セビッチェを作りましょうか♪♪
恩師の畑にあるレモンの木の収穫をお手伝いした後なので、新鮮無農薬レモンがあります♪ うちの菜園で獲れた紫玉ねぎに生唐辛子にパクチーがあります♪ あとは魚の切り身と塩があればいい。
断面を下に向けて(果汁は下から落ちるため)。
そして、ハンドルを握る。このスクイーザーのすごいところは、上部の凸部分が皮の液胞を潰してくるので、ものすごく皮から柑橘の香りが出てくることです。
ほら、皮がフリップフロップ(反り返る)まで皮に力がかかるので、しぼられる果汁は皮のエキスがたっぷり入って、実に香り高きものになります。
種が落ちないのも、とっても便利。レモンやライムのほか、柚子にも大活躍です。
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このレモンスクイーザーは、私の旅の思い出であり、キッチンのお気に入りです。力をかけても頑丈なのも嬉しいです。しかしながら、頑丈さに甘えずに -形あるものには寿命があることは前提としながらも- これからも大事に使っていこうと思います。