コビチャニガイグチ(頑張ったけれど不食)

2018/09/30

昔林道だったところ、竹が少し生えているが、基本的には松を含めた雑木林。南向きの斜面で、明るい日陰となるようなところ。
猛暑が過ぎ、次第に涼しくなり、「朝はタオルケットか薄い毛布が欲しいわ」と思う頃に、4~5個くらいが集まって生え、それがさらに点在している。

コビチャニガイグチ

傘はオリーブ色ないしウグイス色。黄褐色ないし灰褐色とも呼べる。ビロード。光沢なし。ぬれてもぬめりなし(わずかにぬめるとは言ってもいいくらい)。条線なし。

コビチャニガイグチ

管孔はやや黄色がかった白色。ウグイス色が薄くなったような色。きめの細かい網。ヒダはない。傷をつけると茶褐色に色が変わる(青変ではない)。

コビチャニガイグチ

ツカは網目がない。傘と同じ色。繊維のような縦スジが入っている。下の方ほど太くなり、下の先端はまたすぼんでいる。しっかりした軸である。基部に白い菌糸がある。地面にしっかり根付いていて、採取するとき何度かカサだけがすっぽ抜けた。

コビチャニガイグチ

傘も柄も色は変わらない。管孔は上生のような直生のような。

コビチャニガイグチ

臭いはない。強いて言えば、若干のきのこ臭。
かじっても苦いとは感じない。けれども味が濃いと思った。後味は残らない。

なお「コビチャ」は「人に媚びるような茶」という意味らしい。・・・なんとなく野山でこれを見つけてしまうと美味しそうに見えてしまうものなあ。

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にんにく玉ねぎと共にオイル炒めにして塩味で食べようと思った。ロシアで教えてもらったイグチ調理法と同じなのだけど・・・。きのこから出てくる汁がなんか苦くて、そこで、汁を捨てて、きのこ部分をゆでることで苦みを抜く方法に出た。肉質の良いきのこであることと、味に不安があることから、照り焼き風にして食べようと思ったので、みりんを煮詰めて醤油とあわせて、きのこの照り焼きを作った。だけれども、苦みは落ちても、舌にひりっとくるような不快な味がある(これが生でかじったときの「味が濃く感じる」のと同じだと思う)。なので、結局、食には不適なきのことして、終了。

コビチャニガイグチ

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<類似種との鑑別点>
◆ドクヤマドリ(毒)
亜高山帯。傷つけるとゆっくり青変。

◆ススケヤマドリタケ
ツカに網目。

◆ミドリニガイグチ
ツカの上部が赤っぽい。

◆ウツロイイグチ
軸が細い

◆オクヤマニガイグチ(不)
柄の縦しわがない。傘の裏が黄色。変色性がない。食べてもよいが苦くて食べられない。

◆ニガイグチモドキ(不)
管孔の表面だけが紫色。食べてもよいが苦くて食べられない。

◆フモトニガイグチ
傘がレンガ色のような褐色。

きのこの記事について:我が家は、雪は滅多に降らない(降っても数cmしか積もらない)気候の、いわゆる日本の暖地~中間地で、海際から1kmくらいの、少し周囲より高い場所(標高約100m)の、南向きに見晴らしのよい場所に建っています。東の隣には住宅が続きますが、西の隣に今は誰も歩かない林道がきれいに残っていて、そこを500mほど西に進んで少し高度を下げると再び車道と民家があります。サイトに掲載するきのこの多くはその500m区間に生えます。きのこ鑑定については調べて調べまくる性格もあり、採取きのこを食べて体調に変化をきたしたことは幸い一度もありません。なお私も家族もお酒が飲める体質、概ね健康体質、アレルギーなし、服薬中の薬なし。また、記事掲載日はきのこ情報に関係しません。きのこへの考え方


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