昔林道だったところ、竹が少し生えているが、基本的には松を含めた雑木林。南向きの斜面で、明るい日陰となるようなところ。
猛暑が過ぎ、次第に涼しくなり、「朝はタオルケットか薄い毛布が欲しいわ」と思う頃に、4~5個くらいが集まって生え、それがさらに点在している。
傘はオリーブ色ないしウグイス色。黄褐色ないし灰褐色とも呼べる。ビロード。光沢なし。ぬれてもぬめりなし(わずかにぬめるとは言ってもいいくらい)。条線なし。
管孔はやや黄色がかった白色。ウグイス色が薄くなったような色。きめの細かい網。ヒダはない。傷をつけると茶褐色に色が変わる(青変ではない)。
ツカは網目がない。傘と同じ色。繊維のような縦スジが入っている。下の方ほど太くなり、下の先端はまたすぼんでいる。しっかりした軸である。基部に白い菌糸がある。地面にしっかり根付いていて、採取するとき何度かカサだけがすっぽ抜けた。
傘も柄も色は変わらない。管孔は上生のような直生のような。
臭いはない。強いて言えば、若干のきのこ臭。
かじっても苦いとは感じない。けれども味が濃いと思った。後味は残らない。
なお「コビチャ」は「人に媚びるような茶」という意味らしい。・・・なんとなく野山でこれを見つけてしまうと美味しそうに見えてしまうものなあ。
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にんにく玉ねぎと共にオイル炒めにして塩味で食べようと思った。ロシアで教えてもらったイグチ調理法と同じなのだけど・・・。きのこから出てくる汁がなんか苦くて、そこで、汁を捨てて、きのこ部分をゆでることで苦みを抜く方法に出た。肉質の良いきのこであることと、味に不安があることから、照り焼き風にして食べようと思ったので、みりんを煮詰めて醤油とあわせて、きのこの照り焼きを作った。だけれども、苦みは落ちても、舌にひりっとくるような不快な味がある(これが生でかじったときの「味が濃く感じる」のと同じだと思う)。なので、結局、食には不適なきのことして、終了。
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<類似種との鑑別点>
◆ドクヤマドリ(毒)
亜高山帯。傷つけるとゆっくり青変。
◆ススケヤマドリタケ
ツカに網目。
◆ミドリニガイグチ
ツカの上部が赤っぽい。
◆ウツロイイグチ
軸が細い
◆オクヤマニガイグチ(不)
柄の縦しわがない。傘の裏が黄色。変色性がない。食べてもよいが苦くて食べられない。
◆ニガイグチモドキ(不)
管孔の表面だけが紫色。食べてもよいが苦くて食べられない。
◆フモトニガイグチ
傘がレンガ色のような褐色。