ロシアは国の中に国をもつ国(つまり連邦制国家)です。ではなぜ国の中に国があるのかというと、それは、ロシア人ではない民族が築いてきた土地がロシア内部にあるからです。
ブリヤート共和国はモンゴル系のブリヤート人の国。
ウドムルト共和国はフィンウゴル系のウドムルト人の国。
チェチェン共和国はコーカサス系のチェチェン人の国。
といった具合です。
私はこの「インナー共和国」がどういうところなのか長らく憧れてきたので、およそ1か月をかけて、モスクワよりやや東に集まる6つの共和国(モルドヴィア共和国、バシコルトスタン共和国、ウドムルト共和国、タタールスタン共和国、マリエル共和国、チュバシ共和国)を旅してきました。一生かかっても来ることなんてないだろうなと思ったことさえあるその地域に、本当に立つことができたときの感動は大きかった。。。
6つの共和国の1つめの訪問地となったモルドヴィア共和国の首都サランスクは、2018年FIFAワールドカップにおいて日本チームが初戦を挑む会場として注目されています。モルドヴィア共和国はモクシャ人とエルジャ人の国です。
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日本から中国経由でフライトを乗り継いでモスクワに到着し、モスクワから夜行列車に乗り、サランスクに到着しました。美しい教会が輝いています。ここはなんて美しい街なのでしょう!
お腹がすいたので、リノック(※)へ行きました。お惣菜を買って気持ちのよい空の下で食べようと、売り場を歩いていると、見たことがない角切りパンをまぶしたメンチカツのような料理に出会いました。
※リノック:рынок。市場という意味のロシア語。
おばさんに「シュトエタ」(これは何ですか)と聞くと、両手を上げて「ガオー」って獣の真似をしたんです(実話です)。モルドヴィア共和国の初っ端から、幸運なことに、このモルドヴィア共和国の名物料理「熊の足」こと「メドゥイジュヤラパ」(Медвежья лапа)に出会ったんです!!!
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この「メドゥイジュヤラパ」は直訳して「熊の足」という意味です。熊の足、画像検索してみました。
そして料理のほうの「熊の足」
なるほどーー、熊の手に似せて作っていることが分かります!!この料理は強さの象徴のようです。
その後はサランスク市内観光をしました。博物館の受付ではモルドヴィア共和国レシピ本も買いました。そしてモルドヴィア共和国の伝統料理を提供するレストランでお昼ごはんを食べることにしました。このレストランは「モルドフスコエ・ポドヴォリエ」(Мордовское подворье)と言います。川の前で、緑と空と水が広がって素敵♪です。
ロシア語があまり話せない私たちの注文を受けてくれたのは、英語がカタコト話せる女の子でした。聞けば彼女はエルジャ人。スタッフの衣装もモルドヴィア共和国の伝統衣装です。
下の写真はメニューの一部です。
ほら、左下、「熊の足」(メドゥイジュヤラパ)が映っているでしょう。じゃがいもに重なる位置に「モルドヴィア共和国料理」とも書かれています。そしてエルジャ人の女の子は一生懸命に、「This is our National Dish. This is our National Dish.」(これは私たちの国民食、これは私たちの国民食。)と言って、熊の足を指さしていました。
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帰国して、私は、この「熊の足」(メドゥイジュヤラパ)を実際に作ってみました。
熊の手のひらがきれいに作れました♪ これはロシア料理ですから、お決まりのピュレ(マッシュポテト)と、お決まりのウクロップ(ディル)を添えて。そしてオーブンから出したばかりで熱いうちに食べたら、わー美味しい!!ひき肉にレバーも練り込んであって力もつきそうな美味しさです。パンはサクサクしていて、パン粉ではなくパンの味がして、美味しさが引き立っていると思いました。
私は以前、「サランスク料理、モルドヴィア共和国料理を作ってFIFAワールドカップ日本初戦を応援しませんか!」という記事を書きました。
サランスク料理、モルドヴィア共和国料理を作ってFIFAワールドカップ日本初戦を応援しませんか!
もしサランスク料理、モルドヴィア共和国料理を作るのなら、強さの象徴であるかのような「熊の足」ことメドゥイジュヤラパが大変にお勧めです。
日本チームを応援するにしても、強さの象徴の料理を食べたら、勝利に近づける気がします。縁起かつぎにもってこいです!
レシピは≫こちら