トッポキは、朝鮮半島の伝統の棒状のお餅を甘辛いタレと絡めた美味しい料理です。韓国に行くと国民的軽食の位置づけで売られています。
下の写真の、赤い料理がトッポキです。
私が世界の料理について関心があることの1つに、朝鮮半島の食文化や食事内容があります。南部分を韓国、北部分を北朝鮮としたとき、その食文化はどれだけ同じで、どこに差異があるのか、もっと知りたいです。。
最近トッポキについてハングル/チョソングル文字(떡볶이のような子音や母音の組み合わせ文字)を使ってネット検索をしているときに、「북한에는 떡볶이가 없다고요?」(北朝鮮にはトッポキがない?)という記事が目にとまりました。私は韓国や北朝鮮の言語や文字は初心者なので、読み間違いもあるかもしれませんが、興味がある内容なだけに、ここから知ったことをメモしておこうと思いました。
* * *
1)「북한에는 떡볶이가 없다고요?|NK News」(≫こちら)
NK Newsは北朝鮮に関して寄せられた質問を北朝鮮出身者が回答するという企画を設けています。この質問はスペインのマリアさんから寄せられています。
タイトル訳:「北朝鮮にはトッポキがないの?」
回答:맞습니다. 북한에는 떡볶이가 없습니다. 저는 한국에 오기 전까지 떡볶이라는 음식이 있는지 몰랐습니다./はいその通りです。私は韓国に来るまでトッポキを知りませんでした。
2)「No tteokbokki in North Korea?|NK News」(≫こちら)
同じ記事の英語版がありました。
タイトル訳:「北朝鮮にはトッポキがないの?」
回答:Right. Tteokbokki does not exist in North Korea./はい。北朝鮮にはトッポキはありません。
* * *
トッポキは、棒状のお餅(トックまたはカレトクと呼ばれる)を調味料とともに調理して味付けしたものです。今や韓国でトッポキと言えば、コチュジャン(唐辛子味噌)といった唐辛子調味料を使って赤く甘く仕上げた、赤い煮物が主流なのだろうと思います。しかし長い歴史の中では料理に唐辛子を使わない時代も長く、昔の宮廷料理では醤油のような伝統調味料を使って茶色い煮しめのようなトッポキ(トクチムと呼ばれていたと聞いたことがあります)が作られていました。
長い歴史を俯瞰すると、韓国と北朝鮮が分断されたのは近代のことで、分断前の時間のほうが圧倒的に長い。日本も南北に長い国なので、九州と北海道では緯度が違うから採れる作物も違い、食べられる料理は完全一致はしないものの、「日本の食卓」としての共通点はたくさんあります。朝鮮半島も、緯度が違えば採れる作物も違うから、韓国と北朝鮮の食べ物は完全一致はしないものの、分断前の時間のほうが圧倒的に長いのだから、料理にも共通点がたくさんあると聞きます。だから、伝統的なトッポキ(トクチム)だって、きっとどちら側にも存在してきた料理なのだろうと思います。
しかしそこで、「Right. Tteokbokki does not exist in North Korea./はい。北朝鮮にはトッポキはありません。」という回答者の見解が本当だとしたら、それは赤いトッポキが韓国の側で独自に発展した可能性があると思いました。
* * *
下の写真は韓国のホームステイで教わった、野菜が入ったトッポキです。韓国人は本当にトッポキが大好きみたい。唐辛子の辛さがあるのに、子供もぱくぱくと美味しそうに食べていましたよ。
家庭で作ると、冷蔵庫の中の野菜をちょこちょこと消費できて、しかも簡単に作れて美味しい。この甘辛い風味にはやみつきになります。是非作ってみてください♪