茶の葉をもらったので自分で煎りました。
これはとても嬉しいことです。
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でも!
実は嬉しくない背景がありまして・・・、
以前国内旅行で温泉に行ったんです。そこは町民風呂の役割も担う地元密着型の温泉でした。お茶の生産も行われているところです。そこで湯に浸かりながらおしゃべりをするおばさんが2人いました。会話の中で聞いてて私が嫌だなと思ったのは、農薬の部分でした。
「自分の家の分には農薬使わないけどね。出荷する分は、明日農薬かけるから。」
・・・と、会話にこんな感じの表現が出てきたのです。
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ちなみに私は大学などの機関で毒性学や農薬の授業を受け持っていたので(しかも相当長いこと授業を担当した)、国内外の全ての農薬を学んでるし、詳しいし、農薬中立派だし、農薬に日本最高峰に理解がある人材の1人である自負があります。
だから、茶葉に農薬がかかってたっていい。害虫の防除にはやむを得ないし、安全基準はクリアされているはずだし。
だけどね、いやだなと思ったのは、「自分が飲むお茶には農薬を使わないけれども人が飲む分には農薬を使う」という点でした。商売には不可避なのだろうけど、使う側が嫌なものだと分かって思っている農薬は、私も取り入れなくていいかなと。
でも市販の茶葉でなければ話は別です! 今回頂いた茶葉は、農家でない人が庭木?か何かで大切に愛でながら育てているお茶の木の葉です。実は「天ぷらにすると美味しいよ」と言って私に下さったのですが、量が多かったのでお茶としても飲もうと思いました。
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作り方はとても簡単です。ちょっとフライパンの中で素手を動かす作業に驚くかもしれませんが、生の茶葉から自家製のお茶を作ったことがある人には経験のある作業だと思います。
洗って水気を取った茶葉をフライパンに入れ、およそ100℃くらい・・・と言ってもなかなかフライパンの温度は測れませんが、「かろうじて素手でも取り扱える上限」といった具合の温度でしょうか。私はときどき素手で温度チェックしながら、木べらも併用して煎っていきます。低めの温度でゆっくりじっくりと、つまりは茶葉の中で水分を水蒸気にして、茶葉の中から蒸し、決して焦がさないようにするのです。
下の写真は…「中国で一番絵になる村」とこれまで多くの書に書かれてきた中国の宏村(ホンツン)村を旅したときに撮影したものです。村の中では、茶葉を揉念する(揉む)女性たちがたくさんいます。
素手で、それはすなわち高すぎない温度で茶葉を乾煎りしています。これを一般的には「蒸す」と称します。じっくりと低い温度でローストし、色がついてくれば完成です。
できました♪♪
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自然のものって、美味しいですよね。
このお茶は、非常に美味でした。本当に素晴らしい味わいでした。