ウガンダ料理

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  • コンゴ民主に国リンク挿入!
  • スワヒリ」の項を新規掲載しました。

【基礎情報】

国名:ウガンダ共和国Republic of Uganda、首都:カンパラ、ISO3166-1国コード:UG/UGA、独立国(1962年英国より)、公用語:スワヒリ語、英語、通貨:ウガンダシリング

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【地図】

ウガンダは東アフリカの国です。東西南北を、それぞれ、ケニア、コンゴ民主、タンザニア及びルワンダ、南スーダンに囲まれており、内陸国であるものの南側は広大なビクトリア湖に接しています。

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◆バナナが主食!東アフリカの典型料理も数多い国

ウガンダは南緯1°から北緯4°にまたがる赤道直下の国です。この国の食文化を大雑把にとらえるのであれば、南北に分けて見たほうが分かりやすいでしょう(※)。南部は雨が多く降り(例えば首都カンパラは年間降水量1000ミリ以上)、緑が多く作物が育ちやすい環境で、農耕型のバントゥー系民族が居住しています。一方南スーダンと接する北部はニロティック系民族が放牧を営む乾燥地帯です。ウガンダ(特に南部)ではバナナがよく採れ、ウガンダ人の大事な主食になっています。

※本当は単に南北で分けることに大いに悩んでいます。気候作物と民族は南北で特徴づけて良い気がします。でもケニヤ寄りの料理とコンゴザイール寄りの料理というように隣国との関連を見るなら、海岸に近いほうとより内陸深部に近いほうを隔てる東西の分け方も意義があることも承知しています。

ウガンダのバナナ
夕暮れどきの路上ごはん屋とバナナ売り。ウガンダはバナナが多い。(撮影地ムバレ)

上述の「ニロティック」について。「ニロ」は「ナイル」に関連する言葉でスーダン-ウガンダ-ケニアのラインに分布する肌が黒くて背が高くて健脚で牛を追う人々を指します(有名どころではケニアのマサイ族がそうです)。ウガンダは多民族国家で、国内で詳細に民族を見ると数十にも区分され、民族が多いだけあって言語も多く、1つのウガンダ料理に多数の名称が存在します。そこでこのページでは、公用語の英語やスワヒリ語、主要言語のガンダ語を中心とした、比較的どこでも通じやすい名称を中心に記述していくことにします。なおウガンダは英語が比較的よく通じるので、料理会話にはあまり困らないのが良いところです。
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主食 Staple

「主食がバラエティー豊かで、おかずは一種類」、これはウガンダ料理の特徴です。ただしこれはアフリカの広範囲で共通する特徴でもあります。

主食(炭水化物源)には、マトケ(甘くない調理用バナナを蒸したりゆでたりし、ときにマッシュしたもの)、ゴンジャ(焼きバナナ)、ポショ(とうもろこし粉を湯で練ったもの)、カロ(ミレット(シコクビエ)やソルガム(モロコシ)の粉にキャッサバ粉を混ぜて練ったもの)などがあります。バナナがよく採れる中南部ではマトケをよく食べ、北部乾燥地帯に行くほどカロが多くなります。粉を湯で練るものはウガリカウンガアタップとも総称されます。トウモロコシの粉を練る料理は、糸で切ってケーキみたいに出せるほどパサパサ塊なものから、ふわふわ流動食のようなものまで固さが様々です。

主食となるイモ類には、ヤム(ヤム芋)、キャッサバ(木芋)、ルモンデ又はムゴヨ(いずれもさつまいも)、アイリッシュポテト(じゃがいも)があります。ライスワリ又はムチェリ(いずれもごはん)もよく食べられていますが、これらはベトナムやパキスタンからの輸入米が主体です。

食堂では、主食を複数選び、おかずは1種を選びます。例えばローカル食堂でお店の人に「今日は何がある?」と尋ねると、「マトケポショライス、スパゲティ、アイリッシュポテト・・・」と主食の羅列が返り、そこから1~3品くらいを選びます。おかずを尋ねると、「ビーフゴート」または「今日はビーフ」のような答えが返り、1つを選んで注文完了です。・・・そう、日本とむしろ逆なんです、日本では一汁三菜っていう言葉があって、主食はたいてい白いごはん1つでもおかずは3つ。でもウガンダでは主食3+おかず1のような現象が日常的なのです。
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肉のおかず Meat

ウガンダで肉と言えば、ビーフ(牛肉)かゴート又はブジ(ヤギ肉)です。チキン又はクク(鶏肉)はこれらよりも高く、クリスマスやイード(イスラム教の祝事)でないとなかなか食べられない人もいます。アラブないしスワヒリの文化の影響ゆえ、豚肉もあまり出回る肉ではありません。豚肉はポークジョイントという専門店でさばかれ、供されます。肉の調理法としては、路上屋台では串焼きをよく見かけますが、マトケポショなどの主食と合わせるときはスープステュー(stewすなわち日本語のシチュー)のような水分ある煮込みにします。

そうそう、アフリカをいろいろ旅していると、「すっきり澄んだスープ」って案外珍しい。でも、ケニアやタンザニア、ウガンダなど、スワヒリ文化圏には汁が透き通る肉煮込みが意外に多くて感動します。
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魚のおかず Fish

魚は総称してスワヒリ語でサマキと呼ばれます。ウガンダはアフリカ大地溝帯の上にあり、湖がたくさんあり、アフリカ最大(世界第三位)の湖のビクトリア湖をケニア・タンザニアと共有しています。それゆえ、ティラピア(ピラニアではない)やナイルパーチなどの淡水の白身魚もよく食べられます。
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スワヒリ Swahili

スワヒリとは端的に言うと「アフリカとアラブの融合」。スワヒリはアラビア語のサワーヒルすなわち「海岸」に由来する言葉です。アフリカの東側の海岸に並ぶソマリア、ケニア、タンザニア、モザンビークは、中世期からインド洋交易が盛んで、アラブ人、ペルシャ人、インド人と長期にわたる接触がありました。スワヒリ語を含めたスワヒリ文化は、これら海岸の国からウガンダ、ブルンジ、ルワンダ、コンゴ民主(の東部)あたりの内陸まで広まっています。

インド料理としても著名なチャパティー(全粒粉をこねて鉄板で薄く焼いたもの)やサモサ(肉や野菜を小麦粉の皮で三角に包んで揚げたもの)やチャイ(牛乳濃厚なミルクティー)がアフリカの代表的なスワヒリ料理の例でもあります。ウガンダでも、路上メシ屋で食べる軽食の代表的存在です。更にウガンダ人は、焼きたてチャパティーと同時にトマトや玉ねぎが入った薄焼き卵を焼いて、チャパティーと重ねてくるくる巻いたものを作ります。スワヒリ語ではチャパティーマヤイですが、「Roll Eggs」をもじって「ロレックス」という新名称が定着しています。ロレックス時計にピンとくる外国人に受けが良い料理なのでしょう(何故かケニアやタンザニアでこれを見たことはありません、ウガンダ人不思議です)。
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挑戦する? We dare you

ウガンダではアリを炒めて食べます。スワと言います。
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料理名一覧 Food & Drink Glossary

【主食】
  • アイリッシュポテト(Irish potato)・・・じゃがいも
  • アタップ(Atap)・・・粉の練り物の総称
  • ウガリ(Ugali)・・・とうもろこし粉を湯で練ったもの。粉の練り物の総称のこともある
  • カウンガ(Kawunga)・・・とうもろこし粉を湯で練ったもの。粉の練り物の総称のこともある
  • カロ(Kalo)・・・ミレット(シコクビエ)やソルガム(モロコシ)の粉にキャッサバ粉を混ぜて練ったもの
  • キャッサバ(Cassava)・・・木芋
  • ゴンジャ(Gonja)・・・焼きバナナ
  • ポショ(Posho)・・・とうもろこし粉を湯で練ったもの
  • マトケ(Matoke)・・・甘くない調理用バナナ
  • ムゴヨ・・・さつまいも
  • ムチェリ・・・白米
  • ヤム(Yam)・・・ヤム芋
  • ライス(Rice)・・・白米
  • ルモンデ(Lumonde)・・・さつまいも
  • ワリ(Wari)・・・白米
【肉のおかず】
  • クク(Kuku)・・・鶏肉
  • ゴート(Goat)・・・ヤギ肉
  • ビーフ(Beef)・・・牛肉
  • ブジ・・・ヤギ肉
【魚のおかず】
  • サマキ・・・魚の総称
  • ティラピア・・・淡水魚、白身魚
  • ナイルパーチ・・・淡水魚、白身魚
【軽食】
  • サモサ・・・肉や野菜を小麦粉の皮で三角に包んで揚げたもの
  • スワ・・・アリ
  • チャパティー・・・全粒粉をこねて薄く焼いたもの
    • チャパティーマヤイ・・・薄焼き卵とチャパティーと重ねて巻いたもの
  • ロレックス・・・薄焼き卵とチャパティーと重ねて巻いたもの
【飲み物】
  • チャイ・・・牛乳濃厚なミルクティー

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