コートジボワール料理

[last update 2015/02/22]

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路上ごはん屋で、フトゥバナニとソスゴンボ(鯖の切り身入り)。(撮影地アビジャン)


基礎情報コートジボワール共和国Republic of Côte d’Ivoire、首都ヤムスクロ、最大都市アビジャンISO3166-1国コードCI/CIV、独立国(1960年フランスより)、公用語フランス語。通貨セーファーフラン(XOF)

◆イモやバナナの熱帯料理。独自のアチェケが美味。

まずは、下の地図で、コートジボワールがギニア~コンゴの熱帯雨林帯に属することを見ましょう。

コートジボワールは、数十部族が混交する多民族国家ですが、北部を中心にイスラム教徒、南部を中心にキリスト教徒と国は大きく2分化。国は統一が困難なまま、今も内戦の状態が続いています。熱帯雨林気候に属するこの国は、実質の首都機能をもつアビジャンがラグーンに面した大都会であることもあり、豊富な魚やヤシ油、イモ類を使った西アフリカ熱帯地域らしい典型料理が多く存在します。例えば英語圏どうしガーナとナイジェリア料理が似ているように、フランス支配の都会どうし、コートジボワール料理とセネガル料理も、似た要素が多数存在します。

コートジボワール「Côte d’Ivoire」は直訳して「象牙の海岸」なるフランス語です。昔は我が国の外務省も「象牙海岸」という国名で扱っていました。「コートジボワール料理」と言われて、とにかくすぐに思い出すのは、キャッサバ(フランス語でマニオクと呼ばれる芋)やヤム芋、ココナッツ、ヤシ油、パイナップル、バナナなどのアフリカの熱帯の典型的な食材です。あとはコートジボワールは、ココア産地としての世界的な市場を築いていることでも知られます(2009年Food and Agriculture Organization of the United Nationsの統計では世界第一位、120万トン)。

主食は、「アチェケ」と「フトゥ」です。それに米を加えた3つが、コートジボワール料理の3大主食と呼ばれます。

フトゥは、ヤムイモやキャッサバ芋(マニオク)、バナナなどを臼でついてなめらかなモチ状にしたものです。ヤムイモで作る「フトゥヤム」フトゥをつくときにバナナを混ぜた「フトゥバナニ」などがあり、それをちぎってつける「ソス」(煮込み)類もいろいろな種類があります。フトゥと「ソス」の組み合わせの数がとっても多くて、コートジボワールの食事は楽しいです。

「ソス」には、「ソスアラシー」というピーナッツバターを使ったようなシチュー、「ソスオーベルジン」という苦みのあるナスを使ったシチュー、「ソスグレイン」という油の採れるヤシの実を煮たパームシチュー、「ソスゴンボ」というオクラねばねばシチュー、「ソスジュンブレ」という乾燥オクラを使ったシチューなどが定番です。

もうひとつの主食「アチェケ」は、コートジボワール東南部民族の独自の製法で作られた、比較的歴史の新しい料理です。キャッサバ(マニオク)に菌をつけて発酵させてから粉砕、乾燥させたもので、ふかして食べます。このアチェケは大変に美味で、揚げた魚やスライス玉ねぎ、揚げ油をかけて食べるのが定番です。アチェケはあまりに美味しくて止まりません。わずか数十年の間に西アフリカ各地に広まったのもうなずけます。「アチェケ+揚げた魚」の組み合わせは定番中の定番で、「ガルバ」とも言います。そしてそういう定番アチェケを売る店のことも「ガルバ」と言います。

食事処には、マキ(Maquis)もあります。フランス語で茂みを意味するマキは、お酒を飲むには絶好の場所。マキは、オープンエアの質素な店が多く、冷えたビールを飲んだり、ローカル食を食べたりできます。マキの定番は、炙り焼きチキンや焼き魚をトマトや玉ねぎと共にサーヴするもの。そして、アチェケやケジェヌ、ビールなどです。

タンパク質系のおかずとしては、魚や鶏肉がよく食べられます。旅行者でも目につきやすいのが、店先によくあるプレビシクレット(ぐるぐる回転炙り焼きチキン)。昔は自転車の廃車を利用して鶏をさしてぐるぐる炙り焼きにしていたから、「鶏(プレ)・自転車(ビシクレット)」と呼びますが、今は専用の焼き機を使います。またお鍋で作るケジェヌは国民食の1つ。チキンやシーフードをトマトや玉ねぎと無水じっくり煮にしたものです。

マフェは、よくセネガルの国民食のイメージで語られますが、コートジボワールでも食べられています。肉や野菜をピーナッツソースで煮たものです。

コートジボワールはフランスの植民地だったため、パン食もかなり根付いています。パンはもちろんフランスパンです。お隣ガーナが元イギリス領で今も食パンが売られているのを見ると、その対比が興味深く、歴史と重ねなる点が面白いです。

冒頭でも述べましたが、北部イスラム教と、南部キリスト教と、政治のみならず宗教も南北2分化されたこの国では、人々のお祝いの仕方も違ってきます。例えばキリスト教徒は復活祭を重んじ、ムスリム(イスラム教)はタバスキを重んじ、それぞれに違う料理で祝います。

民族が複雑で、宗教や政治対立が根深いこの国から、紛争がなくなり、かつてアフリカの筆頭、奇跡の大都会だったアビジャンが、再びアフリカのリーダーシップになる日は、来るでしょうか。多民族国家ですから、きっと各地方ごとに料理の特徴も残されているはず。平和になったら、また、コートジボワールを訪れたいです。

◆コートジボワールに行ったら、これ食べよ♪

【主食】
アチェケ(Attiéké)・・・菌づけして発酵したキャッサバ芋を砕いて乾燥し、蒸したもの。
┗ガルバ(Garba)・・・アチェケと魚フライのセット。またはそのセットを売る店。
フトゥ(FutuまたはFoutou)・・・イモ類を臼でついてなめらかなもち状にしたもの
┗フトゥヤム・・・ヤムイモのフトゥ
┗フトゥバナニ・・・ヤムイモのフトゥにバナナをミックスしたもの
プラカリ(Plakali)・・・発酵キャッサバ芋をマッシュにしたもの。酸味がある。
マニオク(Manioc)・・・キャッサバ芋。フランス語。
リー(Riz)・・・ごはん。

【ソス類】
ソス(Sauce)・・・どろっとした煮込み類の総称。フトゥやプラカリの友
┗ソスアラシー(Sauce Arachide)・・・ピーナッツベースのソス
┗ソスオーベルジン(Sauce Auberdine)・・・ナスのシチュー
┗ソスグレイン(Sauce Graine)・・・ヤシ油ベースのソス。
┗ソスゴンボ(Sauce Gombo)・・・刻みオクラのとろとろシチュー
┗ソスジュンブレ(Sauce Djoumgbré)・・・乾燥オクラのとろとろシチュー

【その他食べ物】
・アロコ(Alloco)・・・揚げバナナ。辛味を添えたりする。
・ケジェヌ(Kedjenou)・・・チキンやシーフードをトマトや玉ねぎとじっくり煮。
・プレビシクレット(Poulet bicyclette)・・・ぐるぐる回転炙り焼きチキン。

【飲み物】
クトゥク(Koutoukou)・・・バンギ/バンジの蒸留酒。
バンギ(Bangui)・・・パームワイン。ヤシの樹液を放置して糖分をアルコールに変えたもの。
バンジ(Bandji)・・・パームワイン。バンギに同じ。


[kuwakuwa]

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コートジボワール世界のお金

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コートジボワール料理」への1件のフィードバック

  1. アスモディエス より:

    勉強になります!(^0^)

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