ザアルーク

ザアルーク

美味しい、パーフェクト、作り方は簡単。要は「なすをゆでて潰して他の材料と混ぜるだけ」の簡単料理なのですが、秋なすの美味しい季節ならば最高の味が作れるでしょう。作り置きにも是非おすすめしたい、モロッコやアルジェリアなどマグレブ地方の美味です。現地の主食はパンなので、是非パンと一緒に食べてみてください。いつも以上にパンが進んでしまう最高のナスサラダだと感じていただけるのではないでしょうか。なお、トマトを減らした白いザアルークでも、トマト色の濃い赤いザアルークでも、それは店ごと家庭ごとの味わいの違いですから、どうぞ好みで。

材料

4人分):

長なす(※1)
6本(※1)
塩(なすをゆでる)
大2
にんにく
8かけ
トマト(※2)
0~3個(※2)
オリーブオイル
大4(※3)
ハリッサ(※4)
小1
パプリカパウダー
小1
クミンパウダー
小1
コリアンダーパウダー
大1
レモン果汁(※5)
大2~3(※5)
イタリアンパセリ(※6)
刻んで1/3 C
塩(味付け)
小1
砂糖(※7)
小1/2
  • ※1:なす使用量を700~800 gくらいで想定しています。なすの大きさや種類によって、なすの本数は随分と変わってしまうので、重量を参考にするとよいです。しかし分量に厳密な料理ではないので、適当な量でも一向に構いません。
  • ※2:トマトの使用量は、冒頭の文章のように幅があり、出来上がりの色を白くしたい場合はなくてもよいし、赤くしたい場合は多く入れます。トマトを加えるとトマトの旨味が加算されるのでよいと思います。生トマトがなくても、トマト缶や、トマトソースを使ってもよいです。
  • ※3:現地ではオリーブオイルをより多く使うレシピもあります。好みで増やしてよいです。
  • ※4:ハリッサは現地の辛味調味料です。なければリンク先のように鷹の爪から手作りすることもできますし、豆板醤などほかの辛味を加えてもよいです。
  • ※5:レモン果汁は酢でもよいです。使うものが違うと酸度が違うし、またトマト自体の酸味が出ることもあるので、使用量は大2くらいから始めて味見で決定するとよいです。
  • ※6:イタリアンパセリは、コリアンダーの葉(パクチー)でもよいです。
  • ※7:下部参照。トマトの旨味を補うために砂糖を加えています。

調理時間

(冷蔵庫で冷やす時間を除く)

作り方

  1. 大きな鍋に水4 Lくらいと塩(なすをゆでる分)を入れて湯を沸かし始める。
  2. ピーラーで、なすの皮をところどころ(例えば3割くらい)残すようにしてむき、2 cm角切りにする。にんにくは薄皮をむく。
  3. 塩水が沸騰したらなすとにんにくを入れ、ときどき上下を返しながら20分(あるいはなすが柔らかくなるまで)ゆでる。
  4. その合間にトマトを粗く刻む。
  5. なすとにんにくをざるにあげる。
  6. なすをゆでていた鍋にトマト、オリーブオイル(全量ではなく大2程度)、ハリッサを入れ、トマトを潰しながら炒め、水分を減らしながら、もったりしたソース状にしていく。
  7. トマトの水分を減らしている間に、ゆでたなすとにんにくをすり鉢に入れ、すりこ木でよく潰し、なすペーストを作る。
  8. トマトソースの鍋を中火にかけたまま、なすペーストを入れ、パプリカパウダー、クミンパウダー、コリアンダーパウダー、レモン果汁、塩、砂糖を入れて混ぜながら加熱を続け、水分がほどよく飛んだペースト状にする。
  9. その合間にイタリアンパセリをみじん切りにし、なすペーストに混ぜる。
  10. 火を止め、味見をして、塩加減や酸味などを好みに調える。
  11. 仕上げにオリーブオイル大2をかけて軽く混ぜ、オイルが表面ににじむくらいになったら出来上がり。
  12. 冷蔵庫に入れて冷やす。
  13. Enjoy!

材料と調理のこつ

  • 今回はなすをゆでて加熱するレシピを取り入れました。なすを加熱する方法として、焼きなすを作って皮をはいだり、なすをフライパンで油炒めするレシピもありますが、前者は皮をはぐ手間がかかり、後者はなすが大量の油を吸う懸念があるところ、なすをゆでるという方法は沸騰した湯が用意出来たら投入するだけで手軽ですし、油が多くならないコントロールができるので、優れていると思いました。
  • なすの皮を部分的に残すのは、出来上がりが単色よりも、皮の色がところどころに見え、まだらに出来るときれいに見えるためです。
  • ゆでたなすをミキサーにかけてしまうと食感が楽しめなくなると思います。手作業で潰すのが、舌触りを含め、風味を楽しむこつだと思います。
  • 日本のトマトやトマト缶の場合、現地のトマトに比べて旨味が弱いことが多く、砂糖を加えるのはその旨味の補強です。トマトの旨味はグルタミン酸なので、少々の味の素でグルタミン酸を補ってもよいです。
  • トマトやレモンの酸味が強いときは砂糖を増やすとよいです。
  • 作って時間を置いて食べるほうがよいです。味が変わってくる(一般に言う「味がなじんで美味しい」というレベルを超えて美味しくなると思った)冷蔵庫に1日以上置いておいて、冷たくしたものは大変に美味です。
  • 写真の盛り付けでは、中央のくぼみに黒オリーブを乗せ、オリーブオイルを少しかけています。アラブではしばしば見かける盛り付け例です。

Tips about cuisine

  • 「ザアルーク」のアラビア語(モロッコ、アルジェリア、西サハラの公用語)の綴りは「زعلوك‎」。
  • 英語アルファベットでは「Zaalouk」などのように綴られる。


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