ティプンシュ

ティプンシュ

カリブ海諸国は、サトウキビが採れたがために、砂糖への欲望を燃やす欧州列強のプランテーションが各地に作られ、奴隷貿易の舞台となりました。ティプンシュは、フランス領を経験したカリブ海の国々に根付くカクテルで、伝統的かつ典型的には「CRS」(Citron vert(シトロンベール;ライム)、Rhum Blanc(ラムブラン;ホワイトラム)、Sucre de canne(シュクルドゥカンヌ;サトウキビシロップ)で作られます。ラム酒もサトウキビシロップも、負の歴史を作る根源となったサトウキビの産物です。でも、この「フレンチカリビアン」の代表的な味を、歴史の理解を深めながら、大いに美味しさを楽しんでもらえたらと思います。

材料

1人分):

黒糖(※1)
小1
水(※1)
小1
ラム酒(透明なもの)
50mL
グラス半分
ライム(※2)
1/2個
  • ※1:サトウキビシロップがあれば、黒糖と水のかわりに小2を使います。ガムシロップ小2で代用もできます。
  • ※2:ライム果汁がなければレモン果汁あるいはポッカレモン大1などでもよい。

調理時間

:3 分

作り方

  1. 黒糖と水を小鍋や電子レンジで加熱して、黒糖シロップを作る。
  2. 寸胴のグラスに、シロップ、ラム酒、ライム果汁(またはレモン果汁)、搾ったあとの皮のざく切りを入れる。
  3. 氷をグラスの半分まで入れ、マドラーで混ぜる。
  4. Enjoy!

材料と調理のこつ

  • ライムやラム酒の分量は好みだし適当だし、みんな好きに作るし、家庭で作るときは、みんな分量が違っても何も構わない。途上国の料理ってそういうものです。
  • 他の柑橘を足してもよいが、オリジンは「Citron vert(緑の柑橘)」を使うので、あればライムや、未熟な夏みかんなどを使うとよい。
  • 現地ではアペリティフ(食前酒)の位置づけです。

Tips about cuisine

  • 「ティプンシュ」のフランス語系統のカリブ海クレオール語の綴りは「Ti’ Punch」。
  • 「Ti’」(ティ)はフランス語の「Peti」すなわち「小さい」という意味であり、「Punch」(プンシュ)はパンチという飲み物を意味する。
  • パンチ(Punch)はサンスクリット系言語に由来する言葉で、「पञ्च」(パンチュ)は本来「5」を意味する。パンチは元来はアルコール、砂糖、柑橘、水、茶または香辛料の5つの材料で作られた。
  • ティプンシュの材料は「CRS」と呼ばれ、Citron vert(ライム)、Rhum Blanc(ホワイトラム)、Sucre de canne(サトウキビシロップ)である。
  • ティプンシュは、パンチやプラントゥールとは違う概念のものとされる。


本記事、レシピ内容及び写真の著作権はすべて管理人:松本あづさ(プロフィールは≫こちら、連絡方法は≫こちら)にあります。読んでくれた方が実際に作って下されば嬉しいですし、料理の背景やTipsなど、世界の料理情報の共有を目的として、大事に作成しています。
出典URL付記リンクを貼れば小規模な範囲でOKなこと】
・ご自身のサイト、ブログ、FacebookやTwitterにおける情報の小規模な引用や紹介。
事前連絡出典明記をお願いします】
・個人、団体、企業等の活動や出版等で、当サイトおよび当管理人のもつ料理レシピや写真を活用・使用したい場合(料金は≫こちら)。
事後連絡でもよいのでお寄せ下さい(楽しみにしています)】
・学校や大学の宿題や課題で当サイトを活用してくれた児童・生徒・学生さん。
ご遠慮ください】
・大々的なコピペや読み込み、出版物への無断転載。
・商用非商用ならびに営利非営利を問わず、個人、団体、企業等の活動や出版等での無断使用。
※免責事項:上記の引用に基づいて万が一損失・損害がありましても、対応はユーザーご自身の責任において行っていただきますようお願いいたします。