マリガトーニ

マリガトーニ

英国圏の料理に「マリガトーニ」と呼ばれるカレー風味のスープ/雑炊があります。綴りは難しく「Mulligatawny」(マリガトーニ)。多くは「Mulligatawny soup」(マリガトーニスープ)と表記されます。英領インドの時代に、インドに駐在していた英国人の食事のために、インド人がインドにない料理を創作したというもので、英国に持ち帰られてからもレシピは進化してきました。このレシピは1970年代の複数の英国料理本のレシピを統合し、オーセンティックでスタンダードな制作としました。食べた感想としては、すがすがしく美味しいです。どういう意味かというと、美味しい以外の感想が出ないので「純粋に美味しい」と思う純粋さがすがすがしい。ごはんが入っていてお腹に優しいですし、カレー粉がしっかりと「カレー感」を発揮していてお子さまから大人までみんな満足できる味。リンゴを入れるのですがリンゴ味がカレーにしっかりとなじんでリンゴの違和感はないですし、何より骨から離した肉はゼラチン質も多くて美味しいのです。作り置きにも良いですよ。

マリガトーニスープのオーセンティックレシピ

材料

6人分):

バター
大3
玉ねぎ
1個
にんじん
1/2本
セロリ
20 cm
薄力粉
大3
カレー粉
大1
鶏手羽元(※1)
8本
水(※2)
1 L
鶏がらスープの素(※2)
大1弱
パセリA
2枝
小1.5
こしょう
小1/4
ナツメグパウダー
小1/4
リンゴ
1/2個
生クリーム
150 mL
ごはん(炊いた米)
お茶碗1杯
レモン果汁
小2/3
パセリB
トッピングする量
  • ※1:元レシピは骨付き鶏もも肉ですが、ここでは手に入りやすい手羽元を使っています。500 gくらい使います。
  • ※2:水と鶏がらスープの素は、元レシピのチキンブイヨンに相当します。

調理時間

作り方

  1. 鍋にバターを入れ、玉ねぎ、にんじん、セロリを粗みじん切りにして鍋に入れる。
  2. 鍋を中火で熱して野菜を炒め、体積が減ってしんなりしたら薄力粉とカレー粉を広くまぶし入れて混ぜる。
  3. 野菜をよけ、鶏手羽元を入れて炒める。
  4. 水を入れて強火にし、鶏がらスープの素、パセリA(2枝)、塩、こしょう、ナツメグパウダーを入れ、沸騰したら弱火にしてフタをして煮込む。
  5. 煮込み始めてから10分くらい経ったところで味見をし、塩加減やスパイス加減などを好みに調えておく。
  6. 1時間煮込んだらパセリと鶏手羽元を取り出す。パセリは捨てる(またはもったいないのでその場で食べる)。
  7. (なめらかな具が好みなら鍋の中をハンドブレンダーでわずかに撹拌するかマッシャーで潰す。)
  8. 鍋は弱火のまま、リンゴを5 mm角切りにして鍋に入れ、生クリームとごはん(炊いた米)を入れて全体を混ぜる。
  9. 鶏肉が触れる温度に冷めたら、両手で鶏肉を揉みほぐしながら骨から外し、鍋に入れる。
  10. ときどき混ぜながら5~15分(リンゴの柔らかさが好みになる時間)煮て、レモン果汁を加え、味見をして塩加減、スパイス加減、酸味加減などを好みに調える。
  11. 器によそい、好みでパセリBを刻んでトッピングして出来上がり。
  12. Enjoy!

材料と調理のこつ

  • 上品なレストランでは鶏の皮は外しますが、美味しいし捨てるのはもったいないので、鶏皮や軟骨も鍋に入れてよいです。
  • 鶏肉を骨から外す作業は使い捨て手袋があると便利です。
  • 鶏肉を外した後に残る骨を鍋の中に入れておくと、引き続き良いダシが出ます。
  • レモン果汁を加えないレシピもありますが、少し加えると美味しさが増すので推奨します。
  • ナツメグパウダーを加えない優しい味のレシピもあれば、クローブやガラムマサラを加えてスパイス度を増すレシピもあります。
  • リンゴを加えてすぐだとリンゴの味と食感が独立しますが、10分ほど煮込むとリンゴが影に隠れて一体感のある味わいになります。
  • 生クリームを植物性ホイップで代用することもできます。カロリーが気になるならクリームの量を減らすことができますが、元レシピではダブルクリーム(脂肪分が多い濃厚クリーム)を使うので、減らさないほうが現地の味に近くなります。

Tips about cuisine

  • 「マリガトーニ」の英語(英国圏の公用語)のレシピは「Mulligatawny」。
  • 一説では、「Mulliga」(マリガ)はインド南部でよく話されているタミル語で唐辛子を意味する「மிளகாய்」(ミラカイ)またはこしょうを意味する「மிளகு」(ミラク)、「Tawny」(トーニ)はタミル語で水を意味する「தண்ணி」(タンニ)に由来する。この説に基づいた場合、マリガトーニは「唐辛子+水」または「こしょう+水」の意味になる。


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