ワールドカップ出場32か国の料理が勢ぞろいする企画・イベントを担当!!無事終了♪

2018/05/30

先日、2018年5月26日(土)~27日(日)の二日間、大阪市の新聞社の主催で「サッカーワールドカップの出場32か国の料理が勢ぞろい!!出場国の料理を作ってその国や地域に理解を深めよう」という主旨のイベントがありました。私はこの企画において、レシピと料理に関わる業務を引き受けました。主には、1)出場国のレシピ提供、2)調理監修と料理解説、3)レシピブック作成、の3点です。

FIFAワールドカップ出場国料理

世界中の料理を一度に作って勢ぞろいできるだなんてすごい話!! 調理者は主に地元の方々で、親子やご年配仲間も含め、老若男女に及びました。ごく普通の日本の一般家庭の方々は、普段は日本の家庭料理しか作らないからと、「家にあるスパイスはこしょう、ベイリーフ、唐辛子、カレー粉程度」という方も多くおりました。日本以外の料理を作るとなると、スパイス使いはその魅力と威力を発揮します。スパイスにより料理の風味がつき、美味しさが生まれることを知り、食文化を知る良い契機となります。各国詳細は次回の記事に掲載しますが、ここでは、その活動のご報告をさせてください♪
FIFAワールドカップ2018、32か国の出場国の代表料理が勢ぞろい!イベントに出した全メニューを紹介します。

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32の出場国のレシピを全て決定するのには4か月をかけ、結果として、今回使用したスパイスは以下の通りとなりました。私からもスパイスを提供し、ほぼすべて以下のGABAN社のものを使用しました。
こしょうカイエンペパーターメリックジンジャーシナモンスティックローリエガラムマサラクローブパプリカナツメグクミンこしょうカルダモンこしょうクミンコリアンダーコリアンダー唐辛子キャラウェイオールスパイスオレガノ
こしょう(パウダー)、カイエンペパー(パウダー)、ターメリック(パウダー)、ジンジャー(パウダー)、シナモン(スティック)、ローリエ(ローレル又はベイリーフ、ホール)、カレー粉(ガラムマサラ使用、パウダー)、クローブ(ホール)、パプリカ(パウダー)、ナツメグ(パウダー)、クミン(パウダー)、こしょう(ホール)、カルダモン(ホール)、こしょう(粗びき)、クミン(ホール)、コリアンダー(パウダー)、コリアンダー(ホール)、唐辛子(チリペパー、粗びき)、キャラウェイ(ホール)、オールスパイス(パウダー)、オレガノ(ドライ)。順不同。

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当日の様子は、テレビや新聞社の各社が取材に訪れ、同日のNHK、翌日の朝日放送をはじめ、幾つかのネットワークでも放送され、また新聞各紙にも掲載されました。特に朝日新聞の記者は料理の点でも熱心に取材してくれました。以下が朝日新聞ネットニュースの前段です。

FIFAワールドカップ出場国料理

FIFAワールドカップ出場国料理

<嬉しかったこと>
世界の料理を作り慣れない一般の方やお子様の調理であっても、すべて失敗せず成功しました。これ、ホントすごいことだと思います。味は、現地のレストランや現地の家庭の美味しさがふんだんに出ていて、びっくりする美味しさばかりでした(もちろん私はその成果のために何度も試作して失敗もしてレシピを完成させてきたのですが)。

FIFAワールドカップ出場国料理

綺麗♡ 手打ちの麺♡ 小麦粉の本当のにおいが素晴らしい、美味しいイラン料理の麺を作ってくれました!!イラン料理はターメリックパウダーを多用するので黄色い料理が多いのですが、手打ち麺とよく合います。

FIFAワールドカップ出場国料理

最も難易度が高いと私が想定していたのはチュニジア料理の魚のクスクスです。中学校一年生の男の子が魚をさばけることにも感動し、さらに見事に難関を突破し美味しいクスクスを作り上げました!!スパイスを多用するのですが、コリアンダーホールをキャラウェイシードと共にすりつぶして(チュニジア現地のテーブルというミックススパイスの基盤部分です)加えたとき、「味に「旨い」が加わった」のようなコメントを述べていて、こういう体験こそスパイスの効果実証だと思いました。

FIFAワールドカップ出場国料理

スペイン料理のトルティージャは、厚さがあるスパニッシュオムレツで、中が生焼けになりやすい点で難易度が高い料理なのにも関わらずこの完璧さ!!中の味付けもブラックペッパー加減がばっちりで美味しさも最高♪

FIFAワールドカップ出場国料理

報道陣も多数集まりました。配置と仕上げに徹する私。「前回優勝国ドイツは手前に持ってきましょうか」みたいに。仕上げはカメラ映りをよくするため、撮影には必須です。

並べる料理は2人分ですが、実際は4人分を調理してもらい、料理が並ぶまでの間、集まった皆さんには出来立てを食べていただいています♪

小さな子供が私に「おねーちゃん、お肉にジャムをかけるやつ、おいしかった。まだおかわりある?」って言ってきたのを覚えています。スウェーデン料理の肉団子は北欧っぽく香りのパンチの強いオールスパイスを使い、更に日本人が食べ慣れない、肉をフルーツで食べるという異色の料理なのですが、美味しいものは誰が食べたって美味しい。お子様にも初めての味を気に入ってもらえて嬉しかったです!!!

あとサウジアラビア料理のカブサ。今回の32か国の料理の中で最も多量のスパイスを使う料理なのですが、カルダモンなど粒の大きなスパイスはすりつぶし、多種類のスパイスを次々使って、出来上がったカブサは、もう、食べた瞬間に、アラブのレストランを越える美味しさ!!食べた人たちからは「レシピほしい、レシピ!レシピ!」と歓声が上がりました。私がカイロ(エジプト)とドバイ(アラブ首長国連邦)のレストランで食べたカブサよりも美味しかったとここに付け加えておきます♪

FIFAワールドカップ出場国料理

主催者の用意した国旗や芝の柄の紙が素晴らしい。それぞれのお皿から、それぞれの国のにおいがただよいます。

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私がこの企画での仕事をお引き受けし、最初から最後まで一貫していた想いは、これ。

「料理のむこうに、地球が見える」

FIFAワールドカップ出場国料理

今回の仕事を通して私が喜びを感じたのは、子供たちも大人の方々にも、料理を通じてその国のことを知るお手伝いできたことです。なぜメキシコもコロンビアもトウモロコシ粉料理なのか。なぜスペインとメキシコに同じ名前の料理があるのか。なぜデンマーク料理に豚肉料理なのか。なぜチュニジア料理にクスクスなのか。なぜアイスランドに羊料理なのか。なぜアルゼンチン料理とウルグアイ料理に同じ料理を(敢えて)出したのか。なぜ、なぜ、なぜ。その問いには深い意図があります。そしてぜんぶ、歴史や地理や政治や民族に答えがあります。そういう料理を選びました。

特にお子様たちは、これから地理や歴史の授業を受けていきます。そのときに「僕チュニジア知ってる!」、のように、今日の体験があることで、将来学ぶとき、得るものがぐんと大きくなります。大人だってそうです。私だって今も料理を通じて社会を毎日勉強しています。

FIFAワールドカップ出場国料理

子供たちの笑顔も、可愛い~(*^ ^*) やって良かった (*^ ^*)

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このお仕事は、世界の料理を研究する私にとって、そしてスパイス大使としての普及活動としても、2018年上半期の、私にとっては非常に大きな仕事となりました。

<今後の方針と決意>
この想いが継続するよう、今後の方針を3つ立てました。

  1. 2018年上半期の最後(6月)は、いよいよあの秘境へ旅します!!! 香辛料の魅力あふれる料理を作る、秘境・北コーカサス(チェチェンやダゲスタンやオセチア)を旅して料理を収集します!!!紛争のイメージがある地域ですが、頑張ってこようと思います。
  2. 2018年下半期は、スパイス大使らしく、香辛料に関連するレシピと情報の新規掲載を強化します!! もう今年はスパイスレシピ三昧になろうと思いますので楽しみにしていてください!!
  3. 年始の抱負の引き続きの継続。上記2つを導入するため達成量は目標より少なくなりますが、最大限頑張ります!
    2018年の抱負は、1)後回しにしないこと、2)食材管理システム、3)世界の料理

以上を改めて決意しました。

では、次回の更新記事では、その詳細を記事にしようと思います♪
FIFAワールドカップ2018、32か国の出場国の代表料理が勢ぞろい!イベントに出した全メニューを紹介します。



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本記事、レシピ内容及び写真の著作権はすべて管理人:松本あづさ(プロフィールは≫こちら、連絡方法は≫こちら)にあります。読んでくれた方が実際に作って下されば嬉しいですし、料理の背景やTipsなど、世界の料理情報の共有を目的として、大事に作成しています。
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