マジャドラ

  • イスラエル料理

  • 現地表記

    :מג’דרה(ヘブライ語)

  • 概要

    :レンズマメ入りご飯にあめ色玉ねぎ乗せ

マジャドラ

イスラエルでは3軒のユダヤ人のおうちでホームステイをしました。特に年齢が近いナアマという女性は非常に日本のことが好きで、私とは本当に親しくしてくれ、今も、土地が離れていても仲良しの友人です。ナアマの家を離れるとき、彼女は私にとびっきり上質のオリーブオイルをプレゼントしてくれました。そして「これで、マジャドラを作ってね」と、イスラエル人の大事な食を私に教えてくれたのです。マジャドラはイスラエルのみならず周辺アラブ国にも根付く大事な食です。豆と米を炊き合わせ、その豆のデンプン質が口の中でほぐれる食感は日本のお赤飯を思い起こす味です。しかしバハラートなどの香辛料を穏やかに含み、レンズマメの独自の美味しさに、とびっきり美味しいあめ色玉ねぎと一緒に食べる点で、私はあまりにマジャドラが美味しいので気に入っています。あめ色玉ねぎを作るのに時間がかかるので、あめ色玉ねぎを前日に作っておくと作るのはとても簡単です。

材料

4人分):

レンズマメ
1 C
玉ねぎ
大2個
オリーブオイル
大5(※1)
米(※2)
1 C(※2)
2 C
バハラート
小1.5(※3)
小2/3
  • ※1:オリーブオイルの量は現地の作り方からすると少なめですが、多いと思ったら減らしてもよいです。
  • ※2:米は現地では長粒種も使われますが、日本米に似た米も使われます。ここでは日本米を使っています。また1カップは200 mLで1合(180 mL)ではありません。
  • ※3:バハラートはリンク先を参考に手作りすることができます。なければクミンパウダー、シナモンパウダー、こしょうあたりを加えるとよいです。

調理時間

(レンズマメや米の水浸時間を除く)

作り方

  1. <レンズマメの準備>2時間以上前(あるいは前日)にレンズマメを洗い、2倍量の水(分量外)に浸けておく。
  2. <あめ色玉ねぎの準備>玉ねぎを縦2つに切り、高さ半分に切り、繊維に沿って極めて薄い薄切りにする(要は3~4 cm長さの薄切りスライスを作る)。
  3. フライパンにオリーブオイルを入れて中火で熱し、玉ねぎを入れてじっくり炒め、あめ色玉ねぎを作る(40分くらい炒める)。
  4. <お米の準備>米を洗い、ザルにあげておく(水に浸けなくてよい)。
  5. <レンズマメを煮る>レンズマメをザルにあげて水気を切ってから小鍋に入れ、水(2カップ)とあめ色玉ねぎの1割くらい(作成途中のものでもよい)を入れ、15分くらい(あるいはレンズマメがほくほくになるまで)煮る。
  6. 煮えたレンズマメをザルにあげ、煮汁の量を計量カップで量る。
  7. <米を炊く>フタができる鍋(鍋炊きの炊飯に適したもの)に米、レンズマメの煮汁を250 mL、バハラート、塩を入れて混ぜ、味見をして塩加減やスパイス加減を好みに調え、強火にかけて沸騰させ、沸騰したらレンズマメを乗せ、フタをして弱火にし、20分くらい(あるいは蒸気が上がらなくなるまで)炊飯する。
  8. 10分くらい置いて落ち着かせてから軽く混ぜる。
  9. 器に盛り、あめ色玉ねぎを乗せて出来上がり。
  10. Enjoy!

材料と調理のこつ

  • 調理時間1時間40分の内訳は、レンズマメの水浸に5分、玉ねぎを切って炒める準備をするのに10分、玉ねぎを炒めるのに40分、その間に米を洗ってレンズマメを煮て、その後レンズマメの煮汁の計量と炊飯準備に5分、炊飯と蒸らしに35分、盛り付けと準備に5分を見積もって合計100分としています。
  • 前日にあめ色玉ねぎとレンズマメの煮込みを作っておくと当日の調理が楽になり、45分くらいで完了します。
  • 材料が少なくシンプルなので、オリーブオイルは良質のものを使って美味しく仕上げます。
  • 現地では、特に昔のレシピではより大量のオリーブオイルを使います。油が多いと思ったら減らすこともできますが、少ないと美味しくならないので、せめてこのレシピくらいは油を使うほうがよいです。
  • あめ色玉ねぎは決して焦がさないように。水分が抜けるほど焦げやすくなるので徐々に火加減を落としながら炒めます。
  • 炊飯するときレンズマメの煮汁が足りない場合は水を足します。もし水だけで炊飯すると旨味や色合いが物足りなくなるのでレンズマメの煮汁は捨てないで。
  • 炊飯するとき、現地では米や煮汁の量が目分量でも上手に炊きますが、慣れないうちは計量するほうが安全です。また炊飯器の炊き込みご飯モードで作ることもできますので、その場合は炊飯器の内釜の線まで煮汁を入れます。
  • バハラートはリンク先を参考に手作りすることができます。なければクミンパウダーやシナモンパウダーあたりを加えるとよいです。
  • お米が立つような料理ではないので、少し柔らかめの炊飯になってもよいです。時間を置くと水分が吸われて丁度よくなります。しかし炊き上がりのときに明らかに水分が多いと思ったら、フタをあけて弱火で加熱するなどして水分を飛ばすとよいです。
  • 炊飯するときは混ぜないように。極力デンプンが出てこないようにします。

Tips about cuisine

  • 「マジャドラ」のヘブライ語(イスラエルの公用語)の綴りは「מג’דרה」。
  • 「מג’דרה」の音価は「h r d dʒ m」でこれを右から読む(’はגに付き、’גでdʒの音になる)。
  • 話者により母音の付け方に差異があり、ムジャダラなど他の呼び方も存在する。
本記事、レシピ内容及び写真の著作権はすべて管理人:松本あづさ(プロフィールは≫こちら、連絡方法は≫こちら)にあります。読んでくれた方が実際に作って下されば嬉しいですし、料理の背景やTipsなど、世界の料理情報の共有を目的として、大事に作成しています。
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