セダープレート
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国
:イスラエル料理
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現地表記
:Seder plate(英語)
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概要
:過越(すぎこし)の聖餐のワンプレートディッシュ
イスラエルの春、そして世界中のユダヤ人の春、食卓にはワインとこのプレートが並びます。過越(すぎこし)は、ヘブライ語ではペサハ、英語ではパスオーバーと言い、何千年も前のユダヤ人の解放である「出エジプト」に由来する行事です。このときユダヤ人の食卓に並ぶのが、ヘブライ語でケアラー、英語でセダープレートというワンディッシュです。私はちょうど過越の時期にイスラエルに滞在していました。ユダヤ人のお友達からこの料理の話を聞き、いつか作ろうと思い、やっと夢が叶いました。1つ1つの料理に意味があり、お酒とあわせていただくあたりが、どこか日本のおせちのようです。ちなみにほろ苦い野菜やパセリを塩水に浸けていただくのが予想以上に美味しかったので、ケアラーを作ってそういう発見を得たのが嬉しかったです。
<用語解説>
1)マーロール(Maror、מרור):苦いもの。特にホースラディッシュペーストが使われる。
2)ゼロア(Zeroa、זרוע):骨付き肉料理
3)ハローセト(Charoset、חרוסת):デーツの甘いジャム
4)ハゼレト(Chazeret、חזרת):苦みがある葉野菜(レタスやタンポポ)
5)カルパス(Karpas、כרפס):苦みがある葉野菜(パセリやセロリ)
6)ベイツァ(Beitzah、ביצה):ゆで卵
7)メイメラハ(Mei melah、מימלח):塩水
8)マッツァ(Matzah、מצה):薄焼きクラッカー
9)ヤイン(Yain、יין):ワイン
材料
(4人分):
<マッツァ>
- マッツァ
- 3枚
<マーロール>
- ホースラディッシュ
- 大2(※1)
- 酢
- 小2/3
- 砂糖
- 小1/2
<ゼロア>
- 骨付きの肉(※2)
- 4本
- 塩
- 小1/2
<ハローセト>
- デーツ
- 100 g
- レーズン
- 50 g
- くるみ
- 20 g
- 赤ワイン
- 250 mL
- シナモンパウダー
- 小1/2
- はちみつ
- 大1
<ハゼレト>
- 苦い葉野菜(※3)
- 4枚
<カルパス>
- 苦い葉野菜(※4)
- 4枚
<ベイツァ>
- 卵
- 4個
<メイメラハ>
- お湯
- 300 mL
- 塩
- 大1.5
<ヤイン>
- ワイン
- グラス4杯
- ※1:ホースラディッシュはチューブわさびのような形状のものが市販されているのでそれを使いました。
- ※2:羊、牛、鶏などの骨つき肉。肉は多くなくてよい。今回は鶏の手羽元を使用。
- ※3:レタスやエンダイブなど。タンポポの葉も良いらしい。今回はルッコラを使用。
- ※4:イタリアンパセリやセロリなど。
調理時間
:
作り方
:
- <マッツァ>リンク先(≫こちら)のように事前に焼いておくか、代用のクラッカーを購入して用意しておく。
- <マーロール>材料を全部混ぜる。
- <ゼロア>骨がむき出しになるように包丁を入れ、塩を全体にまぶして、オーブンやフライパンで火が通るまで焼く。
- <ハローセト>固形の材料を全部みじん切りにし、赤ワインのうち200 mLで煮て、もったりしてきたらシナモンパウダーとはちみつを入れ、残りの赤ワインを入れて煮詰め、固めのジャム状にする。
- <ハゼレト>葉を洗って水気を切る。
- <カルパス>同上。
- <ベイツァ>固ゆで卵を作る。お湯に卵を入れ、火にかけながら15分ゆでる。
- <メイメラハ>お湯に塩を入れてかき混ぜて溶かし、自然に冷ます。
- 平皿の7か所に料理を乗せる。時計12時から時計回りに、マーロール、ゼロア、ハローセト、ハゼレト、カルパス、ベイツァ。中央にメイメラハ。
- マッツァを食卓に置き、このとき2枚目を割って1枚目と3枚目の間に挟んでおく。グラスにヤイン(ワイン)を注ぐ。
- 最初にカルパスをメイメラハに浸していただき、その後ユダヤ人の偉大さを語りながら食べていきます。食事中にヤイン(ワイン)を4度飲みます。
- Enjoy!
材料と調理のこつ
:
- マーロールは今回は白いバージョンで作りましたが、ビーツを加えて赤く作ることもあります。
- マッツァを別途作るのが大変な場合、甘みのないおつまみクラッカーが味が似ているので代用になります。
- 最初にカルパス(セロリやパセリ)をつまみ、メイメラハ(塩水)につけていただきます。塩水は奴隷にされたときの涙を表しています。そしてユダヤ人は過越を春に執り行うので、春を象徴する青菜を食べます。その後は、ユダヤ人のかつての苦難とエルサレム奪回を目指した歴史などを会話しながら、いただきます。
- ベイツァ(卵)は卵は生命の輪、つまり誕生、生殖、そして死を表しています。マーロール(ホースラディッシュ)はユダヤ人がエジプトで耐えた奴隷制の苦味と厳しさを象徴します。ゼロア(骨付き肉)はエルサレムの過越の祭りの前夜に提供された子羊の犠牲を表し、またエジプトでのユダヤ人奴隷の強さの象徴です。ハローセト(デーツジャム)はエジプトでユダヤ人奴隷がレンガを作るときのモルタルの象徴です。ハゼレト(レタスなど)の苦みもかつての奴隷時代の苦しみを物語ります。
Tips about cuisine
- 「セダープレート」の英語の綴りは「Seder plate」。
- 「Seder」(セダー)は過越(すぎこし)の晩餐の意味、「Plate」(プレート)は料理が盛られる平皿の意味。よって「Seder plate」(セダープレート)は「過越の晩餐の料理盛り合わせ」のような意味になる。
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