マシャルタ

マシャルタ

世界の各地で、国境線よりも宗教によるつながりが濃い料理というのがあり、私にとっても大変に興味深い現象です。この、小麦粉を練って薄く伸ばして具を包んで揚げ焼きにする料理もその1つです。発祥は明らかではないものの、インド圏やアラブでは古くからある伝統料理です。皮はサクサクに揚がっていて、具からは香辛料の良い香りが口に広がります。この作り方を覚えると、例えば春巻きの皮などももう買わなくてすみますし、サクサクパイ生地パンも作りやすくなります。習得して絶対に得するレシピだと思います。具に決まりはないので、自由なアレンジが利き、季節や手持ちに合わせた調理ができるのもほっとします。

材料

1個分):
<皮の生地>

強力粉(※1)
70g
30mL強
小1/4
小1/2

<具>

1個
キャベツ
200g
玉ねぎ
中1/4個
鶏ひき肉(※2)
100g
小1/3
カレー粉(※3)
小1/2

<焼くとき>

大4
  • ※1:4倍量を作ると作りやすいですしHBで自動でこねやすいです(強力粉280g、水150mL、塩小1)。余った部分はうどんの麺などに使えます。
  • ※2:羊肉で作る地域も多いので、入手できれば羊肉で作るのも本格的です。鶏肉で作る人も多いので鶏肉で構いません。人によっては牛肉や豚肉でも作っています。
  • ※3:カレー粉は、コリアンダーパウダー、クミンパウダー、ターメリックパウダー、こしょうを混ぜてもよい。

調理時間

:(生地を5時間寝かせるとすると)5 時間 30 分

作り方

  1. 皮の生地の材料をボウルに入れ、手でよくこね、室温に半日くらい寝かせておく。
  2. 別のボウルに卵を入れ、ほぐしておく。
  3. キャベツを粗いみじん切りにし、玉ねぎをみじん切りにして、卵のボウルに入れ、ひき肉、塩、カレー粉(またはスパイス)を入れてさっくり混ぜておく。
  4. 皮の生地を球状にまるめ、油を塗った台の上で、麺棒で薄く伸ばしていき、直径25cm以上になるようにする。このとき中心部分の直径15cmくらいのゾーンは厚さが1~2mmくらいあってもいいけれど、端っこになるほど限りなく薄くなっていくように、油を塗った手で薄くひろげるのがよい。
  5. 中心15cmくらいのエリアに、正方形になるように、高さは1cmくらいになるように、具を乗せる。
  6. 生地の上下を折りたたむ。そして左右を折りたたむ。あまりに生地と生地が重なって厚くなるようなら生地を切り落としてもよい。
  7. フライパンに油を入れ、強火で加熱し、生地でとじている面から焼く。焦がさないように動かしながら、また焼きにくい面には油をスプーンでかけるなど工夫して、両面ともにサクサクに揚げるように焼く。
  8. 紙の上に取るなどして、油を吸わせ、包丁で食べやすいサイズに切り分ける。
  9. Enjoy!

材料と調理のこつ

  • 材料の分量や種類はバリエーションが多く、上記の限りではありません。イエメンではネギたっぷり版。じゃがいもを潰して入れるのもサモサ味で美味しいです。青唐辛子を刻んで入れるスパイシー版もあれば、インドネシアではセロリが入るレシピもあります。
  • 溶き卵を加えて具をまとめると、食べるときにポロポロしにくくなります。
  • 春巻きの皮を使用してもよいです。春巻きの皮を使う場合は2枚重ねにすると、適度な厚みが出て、外がパリっと仕上がります。
  • 焼くときは、サイドが生焼けにならないように、フライパンを随時傾けたりするとよいです。
  • 円形に作るレシピもあります。

Tips about cuisine

  • マシャルタのアラビア語(クウェート、バーレーン、カタール、アラブ首長国連邦、オマーン、エジプトの公用語)の綴りは「مشـلتت」。
  • 原型はインド。今もインドにはパラタという似た料理がある。イエメンやサウジアラビアではインドからの移住者や訪問者も多く、古くからこの料理が根付いた。個人的にはその背景にはイスラム教徒のサウジアラビアへの巡礼義務があると思う。そしてこの料理はアラビア半島の料理として発展し、のちにインド人の移動に伴って、今度は南アジアや東南アジアへと運ばれることになる。南アジアではイスラム教徒の多いパキスタンやバングラデシュに、東南アジアではイスラム教徒の多いマレーシア、ブルネイ、インドネシア、シンガポール、タイに定着する料理となった。
  • イエメンやサウジアラビアでの名称では「مطبق」(マタバク)と呼ばれ、「重ねるもの」や「重ねるように折りたたむ」のような意味をもつ。
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