米国やカナダなど北米の料理レシピにはしばしば「チーズカード」(Cheese curd)が登場します。チーズカードは牛乳にチーズカルチャー(Cheese culture;チーズを作る菌の集合培養体)とレンネット(チーズを作る酵素)を加えて作られます。
つまり日本に住んで普通の日本の食卓の環境にいて、普通のスーパーで買い物をしている限りは、自宅でチーズカードを作ることはできません。
でも、カナダ料理のプティーン(Poutine;フライドポテトにチーズカードがとろりとかかる料理)や米国料理のフライドチーズカード(Fried cheese curds;チーズカードをころころフライにしたもの)のように、日本にいてもチーズカードを使って料理を作りたいときがある。ネットで購入すれば買えるけれど、私は自宅で代用を作れたら楽しいなと思ったんです!
私は現地で本場のプティーンやフライドチーズカードを食べています。そのうえで、
日本によくある材料でチーズカード風のものが作れる
と思ったのです。
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<チーズカードの特徴>
- 風味や香りはマイルド
- 硬さと密度がややある
- 弾力性がある
- 噛むときゅきゅっという感じがする
- 味は淡いものから塩気が強いものまである
- 白いものから黄色いものまである
- 加熱すると融けてビヨンと延びる
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さあ、このようなチーズカードですが、日本では乳製品文化が薄いので普通のスーパーではカルチャーやレンネットは手に入りません。
では果たしてどうやって作るか!?
それは市販のピザチーズです♪
さて、市販のピザチーズを購入し、袋の上からぎゅぎゅっと押しました。少し室温高めで、押すうちに油分がにじみ出る感じで押しました。あまりににじみ出るともったいないのでその場合は冷蔵庫で少し冷やしたりもしました。
袋を開いて、ヘラである程度のサイズに切り分けて、
できた!!チーズカード!!(風)
これは日本にいるなりの代用ですけどね。でも、チーズカードがもつ「風味・香り・硬さ・密度・弾力性・嚙みごこち・色・塩分・加熱融解性」のすべてがそこそこ再現できているんです。そしてチーズカードの代用を自分でつかんでいたほうがプティーンなどを日本で調理するレシピを提供しやすい。レシピ化を行う世界の料理研究家としては、市民が作りやすい形まで食材や調味料の代替を落とし込むことも役目の一環と思って頑張っているわけです。
そのうえで、カナダ料理&米国料理のプティーンを作りました。もとがとろけるピザチーズなので、このチーズカードも加熱で容易にとろけます。
味わいもなかなか良かったのではないでしょうか。とてもとても美味しかったです。とろけるチーズの塊、万歳です\(^o^)/
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本場のチーズカードは(1)フレッシュをそのまま食べる、(2)他の具に乗せて融かして食べる、(3)衣をつけて揚げて食べる、などの食べ方があります。大体(1)~(3)におさまるんじゃないかな。
ということは、このチーズカードは、まだまだ使える方法がある。そして日本でも作りやすい。
将来の新たな世界の料理のレシピ化を楽しみにして、またチーズカードの料理を作ってみたいと思います。
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本物のチーズカードを作る方法は、≫こちら