世界の料理について、各国ごとに料理背景を勉強していると、案外パナマって難しいんです。
パナマは地理区分では、一般には中米に区分される国です。パナマを旅すると、食べるものは中米にありがちな料理ばかりなので、ついつい、普通の中米の国のようにも思えてしまうのですが・・・。
そこでとても良いサイトを見つけました。私は(料理と旅に関する内容であれば)スペイン語が読めるので、中南米やカリブの一部の料理背景を調べるときは、随分とスペイン語に踏み込みます。そこでとても良いサイトを見つけられて、嬉しかった。
(≫こちら)
何が良いって、主なパナマ料理が、
1)インディヘナ(先住民)由来の料理
2)スペイン植民地時代の料理
3)スペインから独立後のグランコロンビア時代の料理
4)単独独立後、そしてアメリカの影響
に分類されていることです。
超有名パナマ料理をこれによって分類すると、
2)スペイン植民地時代・・・アロースコンポジョ、サンコーチョ
3)グランコロンビア時代・・・ワチョ、ロパビエハ
4)独立後・・・ペスカドフリット
このように、その料理の形成時代が大まかに分かります。鵜呑みにはできないけれど、大変に参考になります。また、先住民由来の料理の記録があるのも大変勉強になります。
(※ただし「グランコロンビア時代」は10年間くらいしかなく、料理の形成に影響を与えるのに十分な期間であったかどうかが疑問視されます。グランコロンビアよりももう少し時期を拡張して、ヌエバグラナダ副王領の時代も3に含められるのでしょうか。検証の機会を得たら記事としてまとめたいと思います。)
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パナマってどんな国?
そう、パナマ運河で有名な国。
観光客がいっぱいいましたよ~。
パナマは北米大陸と南米大陸を細くつなぐ「大陸のくびれ」のような国です。国になるサイズも規模もなような場所で、スペイン植民地時代(ヌエバグレナダ副王領時代)も、スペインから独立したとき(グランコロンビア時代)も、今のパナマが単独の独立国になったわけじゃなくて、コロンビアと同じ国でした。しかしその「くびれ」部分にパナマ運河の竣工計画があがり、運河利権を欲する米国がパナマ部分をコロンビアから切り離して独立させました。
中世にスペインがやってきた。彼らはインディヘナ(もともとそこに住んでいた人々)を殺戮し、そして自分たちが住む場所を作っていった。パナマの首都のパナマシティーでさえ、スペインが作った街なのです。フランシスコピサロがインカ帝国を征服したことは有名な話ですが、そのインカの征服はピサロがパナマを拠点にしていました。
パナマって面白いですよね。他に類を見ない、世界でも独特の歴史背景があるから、面白い。スペインが街と文化を作った。でもスペインが作った文化は当然歴史が浅い。国土の一部(運河両サイド)がアメリカだった。アメリカの傀儡政権があった。そして今は地理的に中米の国に区分されるけれど、かつて南米のコロンビアと同じ国だった時期があまりに長くて、つまりパナマは「南米の国だった」ということがとても興味深い!
私が中米8か国を旅し終えて思った当時の日記には、こう書いてあります:
「楽しかったのは、何よりグアテマラのスペイン語漬けの2週間半(※スペイン語学校に通ってマンツーマンでレッスンを受けていました)。そしてグアテマラの民族めぐりの旅。満喫したのはニカラグアの古都滞在。「もっと日数が欲しかった!」と切に思ったのはパナマ。だって、ダリエン地方(パナマとコロンビアの交通を隔てる密林地帯)に行けばマジで裸族住んでるし、それに内陸部のパナマ運河も見てみたい、パナマには魅力的な見所がいっぱいあるじゃない(*^.^*)」
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私が今できることは、パナマを振り返って、パナマを一層学んで、自らもパナマ料理についてきちんと記事をまとめて、パナマ料理を作ってレシピ化してサイトに残していくことです。旅して得た体験が薄れないように、旅した経験が一生の宝物として残るように努力を続けていこうと思います。
そんな素敵な感動を抱かせてくれたサイトに、感謝をこめて。