「鲜鱼汤」(シェンユータン)という、中国海南島スタイルの美味しい魚の食べ方

2019/10/25

三亜

「鲜鱼汤」(シェンユータン)という、中国海南島スタイルの美味しい魚料理に、出会った。

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日本から、杭州(ハンジョウ)で乗り継ぎ、海口(ハイコウ)へ。そこから海南島の旅が始まりました。

海南島では4都市をめぐりました。

海南島

海口(ハイコウ)→文昌(ウェンチャン)→万宁(ワンニン)→三亚(サンヤ)。知ってる人ならピンと来る。そう、私はシンガポールチキンライス(海南鶏飯)の発祥の地と言われる文昌(ウェンチャン)で海南鶏飯を食べたくて海南島に行ったのです♡(´∀`*)

でも今日の記事は、その文昌(ウェンチャン)先の三亚(サンヤ)で出会った美味しいお魚料理と、日本の家庭料理の事情に合っている素晴らしい調理法と、魚醤の素晴らしさについて記そうと思います。

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旅は、日本からはなかなか観光では行かないような万宁(ワンニン)を列車で発ち、三亚(サンヤ)に到着しました。

三亜

三亚(サンヤ)は中国のハワイと言われているそうですね。冬でも気温は20℃以上で、ビーチが人気です。1月でこれだなんて、空気は暑くて太陽はまぶしくて、心がウキウキしてきます♪

三亜

名物は、新鮮な魚介類を活かした海鮮料理です。そして路地を歩くと「鲜鱼汤」(シェンユータン)を掲げる店がずらり

鲜鱼汤(シェンユータン)

いえ、もっと言うと「鲜鱼汤」(シェンユータン)しか置いていない店がずらり
こういう料理こそ、その土地の名物料理であるということです。

地元の人にも大人気で、「鲜鱼汤」(シェンユータン)の食堂が並ぶ一角は大変に賑わっていました。

三亜

気に入ったのは注文方法です。

鲜鱼汤(シェンユータン)

まず、たくさんの種類のから、気に入るものを選びます。小さな魚は一匹魚で置いてあったり、大きな魚は切り身になっています。その他、野菜やきのこの具も用意されています。

客は、好き好きにメインの魚とサブの具を選んで注文をします。

スープ皿にはあらかじめ揚げにんにくや小ねぎなどの美味しさを増す素が入っています

鲜鱼汤(シェンユータン)

注文を受けたら調理人がざざっと調理します。

鲜鱼汤(シェンユータン)

中国料理なので、ざざっと短時間、クイックでスピーディー♪

おいしそーv
ごはんと、唐辛子ペーストが添えられます。

鲜鱼汤(シェンユータン)

この料理には決まりがない。
この料理は自由な料理だ。

なんか、料理としては当たり前のことなのだけど、この自由なカスタマイズがとても気に入りました。「鲜鱼汤」(シェンユータン)はすごくいいなと思いました。自由なカスタマイズというアイディアは、家庭料理に最適だ。こういう料理や調理技法を知っておくといい。なぜならば、家庭でなら、冷蔵庫に入っているちょこちょこ野菜を使うときも必要だろう。我が家は菜園があるので、そのとき菜園にある新鮮元気野菜を自由なカスタマイズで使うために、料理法のアイディアは多いほうがいい。

ちなみに、海南島の魚市場ではフィリピンのバゴオンと見た目も匂いも同じ発酵エビ調味料が売られていました(小米(シャーミー)と言っていました)。シンガポールのブラチャン、フィリピンのバゴオン、ミャンマーのガピのように、発酵エビ調味料は特に東南アジアで目立ちます。でも日本にも魚醤があります

その中の1つ「いさだ醤油」(※)が発酵エビ調味料の風味をもつ調味料です。小エビに似たオキアミを原料とするので、エビくささが出ているのです。

※いさだはツノナシオキアミのこと。小エビに似た体長数cmのプランクトン。

この発酵エビの風味をもつ「いさだ醤油」を使って海南島名物の「鲜鱼汤」(シェンユータン)を作ったら、とても美味しくなりました。

鲜鱼汤(シェンユータン)

レシピを以下に掲載します。是非、現地のように、ほかほかごはんと、唐辛子の辛い調味料(豆板醤などでよいです)を添えて、作ってみてください。

heart『鲜鱼汤(シェンユータン)♪』
材料(2人分):

好きな魚(※1)
約200 g
400 mL
にんにく
1かけ
サラダ油
大2
野菜やきのこ(※2)
約200 g
小ねぎ
刻んで大1
中華スープの素
少々
味の素
少々
魚醤(※3)
小1

※1:魚は、小さな一匹魚でも、切り身でもよいです。現地では様々な魚がショーケースに並び、客が好きなものを注文するスタイルです。
※2:野菜やきのこも、現地ではショーケースに並び、客が好きに注文するので、汁物仕立てに合うものなら何でもよいです。今回はネギや生姜、しめじ、きくらげ、にんじん、たけのこなどを用意しました。
※3:日本の魚醤やナンプラーなど。なければ醤油や塩少々で代用。

作業工程:30 分

  1. 魚は一匹魚ならウロコとワタとエラを取り、大きな魚なら切り身にする。
  2. 湯を沸かしておく。
  3. にんにくを薄切りにし、フライパン(または中華鍋)にサラダ油を入れて中火にかけ、にんにくを入れ、ゆっくり泳がせるようにして、軽く色づいたにんにくチップを作る。
  4. その間に、野菜やきのこ類を薄く食べやすく切る。
  5. 小ねぎを小口切りにして食べる器の底に敷き、にんにくチップ、中華スープの素、味の素を少々入れておく。
  6. フライパンに残った油を強火で加熱し、魚と野菜類を一気に炒める。
  7. フライパンに熱湯と魚醤を加え、短時間でぐらぐら煮立たせる。
  8. 味見をして塩加減などを好みに調え、熱いうちに器に注ぎ入れる。
  9. Enjoy!

* * *

今回の「鲜鱼汤」(シェンユータン)ついて、念のために中国の百度(バイドゥ)の記載内容を確認したところ、海南島名物料理としての位置づけは正しいことが確認できました。さらに、

海南菜|百度百科(≫こちら
「鲜鱼汤是三亚回族的传统美味」(鲜鱼汤(シェンユータン)は海南島三亜の回族の美味しい伝統料理です)。

と書いてある。「回族」(ホイ族、ホイズー)は、中国のイスラム教徒です。ちゃんと言うと、漢民族と同じ人種だが宗教だけイスラム教になっている人が漢民族から形式的に分離された形態。もっとざっくり言うと、回族は新疆以外にいるイスラム教徒なのです。

上の写真を見ても、回族らしさがまるきり見えなかったので、驚きました。

でもまたまたやる気が出た。

そもそも海南島と回族の歴史は何か? なぜそこにイスラムがあるのか? マレー人との関連は? など、今後私が勉強すべきことが見つかったのでした。


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