常備菜を食卓に並べるとき、器の色と雰囲気を揃えた、韓国や北朝鮮のパンチャンスタイルにするのも楽しいんですよ。
「パンチャン」(반찬)のことを、英語の堪能な韓国人は「サイドディッシュ」と説明してくれました。日本語では「おかず」とも訳されますが、メインのおかずとは異なるものなので、おかずという訳は適切ではないように思います。
韓国や北朝鮮の文化の1つとして、炒め物や炒め煮、和え物などの常備菜を作り、漬物を仕込み、それを食卓に出して並べるというものがあります。キムチはほぼ欠かせません。食事の準備としては、ちょっとの手間で食卓がこんなに賑やかになるし、楽しいものだと思い、現地でこの食卓準備を見たとき、私は日本でも是非取り入れたいと思いました。
まず、お皿を揃えてみることから始めました。お皿はシンプルに白磁で揃えました。3.3寸の浅い皿(直径約10cm)、4寸のやや深い皿(直径約12cm)、5寸の浅い皿(直径約15cm)、これらを各15枚ずつ一度に購入しました。1枚50円や70円と買い求めやすい価格でした。
日本で食事を楽しむのなら、このようなパンチャンスタイルを取り入れるにあたり、何も全てがコリアンな料理である必要はありません。冷蔵庫にいろんなおかずがあればそれらを出して、あれば漬物も用意して、ちょんちょんちょんとお皿に乗せればいい。白飯のおかずにも、晩酌を楽しむ絶好のつまみにもなります♪
<パンチャンの良い点>
パンチャンの食卓は栄養面からも評価できる点があります。それは、色々な食材を食べることができるので、肉類、淡色野菜、緑黄色野菜、発酵食品などなど、多数の食材を得られるので摂取する栄養の幅が広がります。それはかつて日本の厚生労働省が「1日30品目」を推奨していたときの理念と同じです。
<パンチャンの注意点>
また注意点を挙げると、漬物や常備菜は総じて塩分が多いことでしょう。しかしパンチャンは何も全部が常備菜である必要はありません。チヂミのような焼きたてのおかずを用意してもよいので、パンチャンスタイルと減塩は不可能な組み合わせでは決してありません。
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韓国や北朝鮮の旅の思い出は、私の宝物です。でも私は北朝鮮は一人旅で渡航しましたから -これだけ夫と世界中を旅しているにもかかわらず- 夫と共有できる思い出がない国でもあります。しかも私は首都平壌を訪れ、夫は登山ツアーで、行き先も違っているので、北朝鮮旅行に関してはホントに共通する話題がありません。しかし今、北朝鮮は韓国と南北統一を迎える可能性も大いにあると睨まれていますから、統一が実現して自由旅行が解禁されたら、私は、夫と一緒に南北を縦断するような自由旅行をしたいです。そのときは朝鮮半島の歴史の再確認とあわせて、朝鮮半島の数ある文化や料理について様々な地域性を見出し、南か北かだけに2分割する視点ではなく、どの地域も等しく旅をすることができたらと夢見ています。