ヒトクチダケ。枯れていく松の木に生えるきのこです。

ネット情報では多数の根拠不明な「食用不適」(中には、このきのこの空洞部分に入り込む虫が毒と書いてあるものはありました)。理由として、異臭を挙げているページは幾つか見られました。
しかしながら、しっかりとした出典を見て書いているようなきのこ情報ページを精査していくと、「毒ではないが味が良くないので不適」と、判断できるように書いてあります。
家の近くの道沿いにヒトクチダケを見つけて、幅が2 cmに満たない超幼菌を採取したところ、異臭はゼロだし、中を割っても異物はゼロ。
そういう状態のヒトクチダケを採取し、毒ではないという情報も確認し、スペイン風のごはんにこのきのこを少量入れて調理し、味を試してみました。作ったのは「アロースコントマテ」(Arroz con tomate)という、トマトを入れて炊くスペイン風のごはんで、私は好みでにんにくを多く入れて作ります。米2合を4人分として、1人分に2個のヒトクチダケを入れて調理しました。つまり1人分に半分に割ったヒトクチタケが4個。

結果、嬉しい意外ということで、
これはなかなか良い!
ほろ苦さがあります。それはゴーヤが好きな人なら喜ぶ、心地よくて軽くて上品で美味しいほろ苦さです。私はゴーヤが好きなので、この味を発見して驚きました。2つめの要素としては、食感がとても良いです。上質のきのこだと言える、ぷっちりぷりんとした噛みごこちです。若々しさ最高峰の幼菌を採ったからこその食感。ということで、ほろ苦さと食感の2つを評価して「結構美味しい」と思ったのです。
ちなみにごはんはほろ苦くなっていません。苦味が水に溶出しにくいことが分かりました。1人分で2個しか入れていませんが、ともあれごはんについたトマト&にんにくの美味しさをまったく損なわず、美味しく「ヒトクチダケ入りアロースコントマテ」を頂いたのでした♪
でも、今後はこのきのこを採らないと思います。理由は滅多に見かけないこと。そして今回、発生したての直径2 cmに満たない超フレッシュ幼菌を食したわけですが、美味しいと思って今後食べるならもっと量が欲しいと思うはずで、その際、空洞の内部異物チェックや成長に伴って発生するきのこの独特のにおいを1つ1つチェックしてから料理に使うか、と自問したら、そこまでのきのこではないと思ったからです。
でも今回試してみて良かった (^^) いい体験と実証になりました。
