ギリシャ語で「ホルタ」(Χόρτα)は緑の意味ですが、料理の会話でホルタと言うと「ゆでた葉野菜」を指します。ある日ギリシャのレスボス(Λέσβος)島をお散歩していたら観光地脇の遊歩道で野草を採っているおじさんに出会ったんです。これが私とホルタの出会いでもあります。おじさんが少し分けてくれてキッチンつきの宿だったので教わった通りにゆでて食べたら、もう、想像を絶する絶品の美味しさだったのです。
さらに、ホルタは健康に良いこと間違いなし!ですよね! だって、健康的に育った葉野菜をオリーブオイルとレモンで食べるすがすがしさがある。だから現地で私は「日本でも是非ホルタを食べていきたい!」と強く思ったのです。
ギリシャと日本では野草が違うけれど、それならば日本では何を使えばギリシャのホルタに最も近くなるかを検証したらいい。本ページではこの点における検証の過程と結論を記事にします。
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◆Google検索「βραστά σαλάτα Χόρτα」
「Χόρτα」(ホルタ)は緑の意味をもち、広域な解釈ができる単語です。今回はゆで野菜サラダとしてのホルタについて検証したいので、「βραστά σαλάτα Χόρτα」(ブラスタサラタホルタ)すなわち「ゆで野菜サラダ」という用語で検索しました。そしてここから青菜単品を使うレシピを上からとにかくたくさん探して、青菜の固有名称が出てきたらカウントします。母数を多く集めたいので、100個探したいと思ってかなり時間をかけましたが80で頭打ち。なぜなら数百のサイトを見て、青菜の固有名称を示さないものはノーカウントとしましたし、同じ情報を引っ張った引用サイトは除外するなどの作業も含めているから。でもおかげでなかなか精度は良いと思います。
ともあれ日本では見たことも聞いたこともない青菜もあって苦労しましたが、合計80個のホルタの固有名称が集まったので集計しました。多い順に掲載します。黄色のアンダーラインは我が家で再現できそうな、私が作ってみたいホルタです♪
トップ3
Βλήτα(ブリタ):アマランサス類、25回
※Βλίτα(ブリタ)は複数形。単数形はΒλίτο(ブリト)。学名はAmaranthus blitum
Ζοχοί(ゾホイ):ノゲシ、13回
※Ζοχοί(ゾホイ)は複数形。単数形はΖοχός(ゾホス)。学名はSonchus oleraceus
Αντίδια(アンティディア):エンダイブ、12回
※Αντίδια(アンティディア)は複数形。単数形はΑντίδι(アンティディ)。学名はCichorium endivia
アマランサスとエンダイブは日本でも種が手に入るから菜園で栽培できる。ノゲシは日本にもある野草ですね。しかしアマランサスの登場回数の多さはすごいですね。
次に多いもの
Ραδίκια(ラディキア):チコリ類の総称、9回
※Ραδίκια(ラディキア)は複数形。単数形はΡαδίκι(ラディキ)。Ροδίκιο(ラディキオ)の名前もある。ギリシャ語Wikipedia「ραδίκι」(≫こちら)にはラディキアはチコリを始めとする類縁種を含めた名称であり、セイヨウタンポポも含むとの記載がある。イタリア野菜のプンタレッレ(Puntarelle、Cichorium intybus var. foliosum)もこのチコリ類に該当する。ただしセイヨウタンポポは下で別途カウントしているのでこのチコリ類から切り離して記載する。日本でチコリと言うと葉チコリでなく新芽チコリであるが一般的な葉チコリの学名はCichorium intybus
少数派
- Σέσκουλα(セスクラ):スイスチャード/フダンソウ(Beta vulgaris)、5回
- Αγριοράδικα/Πικροραδικα(アグリオラディカ/ピクロラディカ):セイヨウタンポポ(Taraxacum officinale)、3回
- Αλμύρα(アルミラ):起立性スベリヒユのような塩分を含む野草(Salsola soda)、3回
- Σταμναγκάθι(スタムナガシ):水菜に似たチコリ(スピニーチコリ、Cichorium spinosum)、3回
- Καυκαλήθρες(カフカリスレス):セリに似た野草(ハートワート、Tordylium apulum)、2回
- Ασκολύμπροι/Γούλες(アスコリンブリ/グレス):アザミに似た野草(ゴールデンシッスル、Scolymus hispanicus)、1回
- Γλιστρίδα(グリストリーダ):スベリヒユ(Portulaca oleracea)、1回
- Κρίταμο(クリタモ):葉の太いフェンネルようような野草(ロックサンファイア、Crithmum maritimum)、1回
- Βρούβες(ブルベス):野草のからし菜/アブラナのおそらく総称、1回
- Χειροβότανα(ヒロボタナ):野草のタンポポ(Helminthotheca echioides)、1回
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ということで、今回の調査において一番人気はブリタ(アマランサス)です!! ぱちぱちぱち♡ そしてこの結果には私は大いに同意します。なぜならば、
アマランサスは驚くほど美味しい
からです。
上の写真。我が家の菜園で収穫したアマランサスなのですが、菜園仕事中に収穫して「後で洗おう」とガレージの前に置いておいたらあまりに猛暑であっという間にくたってしまった図です(苦笑)。アマランサスはね、味が良い。食感が良い。食感が心地よい。味が心地よい。ギリシャ料理「ホルタ」は青菜をゆでてオリーブオイルとレモン果汁をかけて食べるシンプルさを活かした料理で、葉自体に甘味や旨味が合うとホルタも美味しくなります。アマランサスは、確かにその筆頭格の旨味を有しています。
アマランサスの種は日本で買えます。春蒔きにおすすめします。虫がつきにくく病気になりにくく追肥なしお手入れなしでもぐんぐん育つ。つまり、育てやすさの点でも菜園ナンバーワンです。