新しい味にわくわくする世界のスパイスカレー(3)グアム料理「ターメリックチキン」

2023/01/13

【スパイスアンバサダー2022】の活動として、1~2月は「新しい味で世界のスパイスカレー」というテーマでレシピを掲載しています。

「新しい味に出会う」

って楽しいですよね。日本で安定して作れるレシピがない中で新しいレシピや調理に挑戦することはハードルが高いけれどもそれが完成してレシピ化できたときはとても満足感がありますし、楽しいです。新しい味に出会ってマンネリの真逆を行くことは、気分が高まって心がハツラツとします

よってここに、『新しい味で世界のスパイスカレー』というテーマを設定し、10レシピを連載します。

10か国の選定コンセプトは、まず地球の5大陸のそれぞれに2か国、その2か国は地域が重複しないようにしました。例えばアジア2か国において南アジアのパキスタンと東南アジアのシンガポールというようにです。メインスパイスが似通らないように分散するように選びました。さらに日本でスパイスカレーを作る人でもあまり作らない「新しい味のわくわくレシピ」であることを重視してレシピを選定しています。

私が実際に作って美味しかったレシピです。暗いことも多い世の中ですが、私と皆さんのキッチンが少しでも明るく楽しくなりますように。

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 【第3回】グアム料理「ターメリックチキン」 

ターメリックチキン

『わくわくする新しい味』のアピールキャッチは、
酢醤油味のカレーというミクロネシア家庭料理

太平洋のカレーって、太平洋の各国を旅したことがある方なら、もしかしたら脳に何かの思い出がよみがえっていらっしゃるかもしれない。いいんです。インド人比率が極めて高いフィジーを除き「オセアニアの民がカレーを取り入れたらインド人もびっくりの新変化球になる」と知ることも世界の食文化の大いなる収穫です。

heart『ターメリックが入った鶏肉の酢醤油煮♪ ターメリックチキン♪』
材料(3~4人分):

鶏肉(※1)
400~500 g(※1)
玉ねぎ
1/2個
にんにく
3かけ
赤唐辛子(※2)
1~2本
オリーブオイル
大2
大4
醤油
大4
こしょう
小1/2
砂糖
小1/2
ターメリック
大1
ベイリーフ
1枚
ココナッツミルク
1缶(400 mL)

※1:鶏肉は好きな部位を使っていただけます。骨なしの場合は400 gくらい、手羽など骨が入る部位を使う場合は500 gくらい使うと良いと思います。写真は鶏胸肉で調理しています。
※2:赤唐辛子は生(あるいは生の冷凍)を使うとよいです。ない場合は鷹の爪を使います。

作業工程:40 分

  1. 鶏肉を好きな大きさに切る。食べやすさを重視する場合は一口サイズで、鶏肉の噛み応えや存在感を出す場合はそれより大きく切る。
  2. 玉ねぎとにんにくをみじん切りにし、辛いのが好きな場合は赤唐辛子を切る。
  3. カレーを作る鍋にオリーブオイルを入れて中火で熱し、玉ねぎとにんにくを入れて香りが出るように炒める。
  4. 玉ねぎが柔らかくとろっとしてきたら鶏肉を入れ、両面に焼き色をつけるように香ばしく焼く。
  5. 酢、醤油、こしょう、砂糖、ターメリックパウダー、ベイリーフ、赤唐辛子を入れ、全体を混ぜながらいったん煮立てて、弱火にする。
  6. 辛くしたい場合は赤唐辛子を鍋の中で叩く。
  7. フタをして15~20分ほどゆっくりと火を通す。
  8. ココナッツミルクを加え、火加減を強めて熱くし、好みのとろみが出るように水分を飛ばしていく。
  9. 味見をし、酢加減や醤油加減や辛さ加減を好みに調えて出来上がり。
  10. Enjoy!

ターメリックチキン

美味しーーーい♡♡♡

最初レシピを見て、酢、多いっw 醤油、多いっwと、おののいたよ。ごめんなさい。だけど食べて感動。酢醤油ベースのカレーって美味しいですね。

見た目も、それからターメリックというカレーの土台がしっかり入ることで風味もカレーなのに、この料理はクミンもカレー粉も入りません。これはカドゥンピカに属する料理であり、つまりは、フィリピンからチャモロ圏に分布する酢醤油煮としてのアドボ料理の一環です。この、酢醤油と唐辛子でチキンを煮込んでココナッツミルクの旨味がリッチな料理は、どうもフィリピン南部でも食べた記憶にとても近くて(フィリピンではアドボと呼んでいました)、それからグアムや北マリアナにもあって、ミクロネシアの文化を語る味なのだなあと、食べてしみじみと思いました。

スパイスカレーなのに酢とか醤油とか、その量も多くてびびりますけれど、「食べてその国のことを思い出す」って、本当にいいレシピですね。美味しくて、白いごはんともどもぱくぱく食べられました。


※本記事はハウス食品及びレシピブログが主催するスパイスアンバサダーに就任したことに基づき執筆するものです。


* * *

本記事、レシピ内容及び写真の著作権はすべて管理人:松本あづさ(プロフィールは≫こちら、連絡方法は≫こちら)にあります。読んでくれた方が実際に作って下されば嬉しいですし、料理の背景やTipsなど、世界の料理情報の共有を目的として、大事に作成しています。
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