今年も生ハムが出来ました♪
生ハムの原木ができました♪
この場合の原木(げんぼく)とは、写真のような、動物の脚1本まるごとのハムのことです。
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前にイタリアを旅したとき・・・。
ふと見かけた生ハム飲み屋(プロシューテリア)が素敵でした。
中に入ると、生ハムの原木がずらりと吊られていて。
いいなあ、イタリアの素敵な食文化だなあって、憧れが募った。
中でワインと生ハムを楽しむ人たちも、素敵だった。
食べる人、話す人、聞いている人、考える人。
こういう、無理に周りに合わせない気質に日本人と大きく違うものを感じて、イタリアらしいなあと思ったものでした。
* * *
そして、自宅で作りました。
もちろん私の自宅は日本です。
生ハムを作るのは簡単でした♪
最も大変なのはおそらく動物の脚の調達かと思いますが、ネット通販でも購入できるので探せば簡単です。狩猟免許をもつ人や畜産の精肉加工の企業の方とつながることができれば実物を受け取ることもできます。私は狩猟免許をもつ人から、農家の畑を荒らしたイノシシを捕獲したものをいただきました。それを、1)1日塩漬けにし、2週間くらい塩砂糖ハーブ液に漬けておく(放置)、2)1日真水に漬けて塩抜きをして、3時間燻製(炭火と生木で煙をもくもく出して放置)、4)2か月以上吊るして乾燥(放置)、です。
そう、意外に、生ハムは放置の連続で作れるのです。
初日の塩漬けは問題ありませんね。
塩砂糖ハーブ液に漬けるのはこんな感じです。
バーベキューのように火を起こして、熾(おき)火になったところに燻製チップを入れて、お肉を置いて段ボールをかぶせれば煙にまみれるので燻製できます。
あとは吊るします♪
ここは私や家族が「ラウンジ」と呼んでいる約13畳部屋です。10畳のスペースにはソファをたくさん置いて、素敵な空港の素敵なラウンジに近づけたくて。そして、旅行情報コーナーの棚を作り、旅と料理の本をずらりと並べ、立ち飲みカウンターバーをしつらえて、世界地図と大きな地球儀を置いて。また3畳のスペースにはダイニングテーブルセットとスキャナーやプリンターとwifiがあり、広いスペースで作業ができるような、ビジネスラウンジ風にしています。
「好きなものしか置かない」のが、この部屋作りのコンセプトです。
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今回、サントリーワインインターナショナル株式会社(≫こちら)のワインを2本受領しました。私が大好きなボローニャを州都とするエミリア=ロマーニャ州のオーガニックぶどうワインです。
前回記事(≫こちら)で、イタリアのバール(※)で提供される料理は炭水化物類が目立つほか、サラミ・チーズ類の盛り合わせ類があることを検証しました。
※当サイトではイタリアのBarを「バール」、スペインのBarを「バル」と表記します。理由:スペイン語は本来長母音がないこと、イタリアでは長母音化していること。ただしスペイン語でも強く抑揚をつけて言うとアクセントがつく母音が長音化しやすく、イタリア語でも前後語彙や早口によって短母音になるため、「スペインだからバル、イタリアだからバール」と厳密に区別することはできません。
下の現地メニューに「タリエーレ」と書いてあります。
タリエーレは、生ハムやチーズなど、簡単に盛り合わせできる冷菜プレートで、イタリア現地のバールでも提供されている料理です。
ならば、この、イタリアの旅の思い出のような、生ハムとワインを楽しむテーブルを自宅でもぜひ再現したいじゃない?
レシピは簡単です。
材料(出来上がり1.6 kg分):
- 動物の足1本(※1)
- 3.4 kg(※1)
- 塩A
- 足の5%(※2)
- こしょうA
- 塩Aの1%(※2)
- 水
- 2640 mL(※3)
- 塩B
- 240 g(※3)
- 砂糖
- 120 g(※3)
- ベイリーフ
- 1枚
- こしょう粒
- 12粒
- クローブホール
- 4粒
- ローズマリー
- 2枝
- セージ
- 2枝
- パセリ
- 2枝
※1:今回は地元でワナにかかったイノシシの足を使っています。3.4 kgはその時の計量です。狩猟のシカ肉でも作れます。ネット通販では生ハム作り用の豚の脚も売られています。脚は太ももから足首あたりにかけて、骨ごと使います。
※2:足の重量が3.4 kgなら、塩Aは170 g、こしょうAは2 g(1.7 g)です。
※3:塩8%及び砂糖4%のソミュール液を3 L用意する分量です。
作業工程:3か月半
- <足の準備>足を用意し、足首の先を切り落とす。冷蔵庫に入るサイズであることを確認する(入らないようなら切る)。
- <塩漬け>塩AとこしょうAを均一に混ぜ、足の肉の全面にしっかりとなすりつける。血管の切り口に入れ込むようにする。
- 大きなビニールに入れて冷蔵庫で1日置く。
- <ソミュール液>ソミュール液を作る。水、塩B、砂糖を鍋に入れて加温して溶かし、火を止め、冷めたらハーブ類(ベイリーフ、こしょう粒、クローブ粒、ローズマリー、セージ、パセリ)を加える。
- 冷蔵庫から豚の足を出し、肉から出てきた水分を捨て、肉表面をキッチンペーパーなどで丁寧に拭き取る。
- 別の大きなビニール袋に豚の足を入れ、ソミュール液を、肉がすべて浸かるように入れる。
- 冷蔵庫で1週間置く。
- <塩抜き>冷蔵庫から豚の足を出し、漬け汁やハーブを捨て、新たな水に10時間浸けて塩抜きする。気温が高い場合はトロ箱(発泡スチロール箱)に水と氷を入れて塩抜きする。
- <燻製>バーベキューセットか長火鉢などを使い、肉が入る段ボールを用意し、段ボールの中で肉が宙づりになるようなものを作る。
- バーベキューセットか長火鉢などに炭を熾(おこ)し、段ボールの中で肉を宙づりにし、燻製チップをくべながら6時間燻製する。
- <風乾>扇風機の風を当ててハエがつかないようにしながら、6時間風を当てる。
- その後、風通しの良い場所に吊るすか、気温が高くて心配な場合は冷蔵庫の中で網に乗せ、3か月ほど乾燥及び熟成させる。
- Enjoy!
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わああ♡
きゃああ♡
オリーブとチーズと、その場で削った生ハムでタリエーレ(盛り合わせ)・・。
(一口食べて)
とろける生ハム♡ 美味しーい♡
これほんとすごい。
口にした瞬間にイタリアのワインの旅の記憶が蘇る。
私はこれまでも自宅で様々なイタリア料理を作ってきましたが、正直、この生ハム以上に「ああイタリアの味!」と反射的に記憶が蘇る料理は多分ありません。今日あわせたワインは私が旅して大好きになったエミリア=ロマーニャ州のオーガニック赤ワインで、ワインのもつ心地よい軽さと渋さが美味しく、イタリアの旅を思い出すのにも貢献しました。
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夢の生ハム原木生活。
最高の、イタリア風のワインのひととき。
手作りの生ハムは、イタリアの食文化の重鎮が食卓に舞い降りたかのようで、素晴らしい食事のひとときを過ごすことができました。これからも、現地の食文化を尊重して世界の料理を楽しみ、その楽しさを多くの人と共有していけるよう、活動を頑張ろうと思います。よい機会を本当にありがとうございました。