以前、島根県松江市にある「小泉八雲記念館」(≫こちら)に行きました。
ラフカディオ・ハーン氏は1850年ギリシャ生まれの英国国籍者。幼少を父の出身のアイルランドで過ごし、英国やフランスで学び、その後渡米。来日したのは1890年で、小泉八雲(こいずみやくも)は彼の日本名です。来日後は日本人女性と結婚、自身は英語教師や文筆家として活動します。
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むかし「ラフカディオ・ハーンのクレオール料理読本」を買いました。これが小泉八雲を知るきっかけでした。
ハーンの渡米時はルイジアナ州のニューオーリンズに長く住んでいます。ルイジアナ州は現在黒人比率が3割を占め、州最大都市であるニューオーリンズは黒人文化や白人文化が強く交じります。この「黒人と白人の融合」がクレオールの定義であり、ルイジアナ州のクレオール料理にはガンボなど多数の有名料理があります。
「ラフカディオ・ハーンのクレオール料理読本」の目次は出版社のページ(≫こちら)に記載されています。
料理本ではなく「料理読本」。料理写真もないし度量衡も日本版に直していない(バター1ポンドと言われても多くの日本人は分量を言えないだろう)。本当にこれで現地の味を作りたい人向けではなく、彼のユーモアある文章を楽しむ「おもしろい読本」です。でも日本にいてはなかなか知るきっかけがない料理を、おもしろく楽しく書いてくれたことは、素晴らしいと思います。
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小泉八雲記念館では、世界の料理が好きな私にとって興味が持てる展示がたくさんありました。内部写真撮影禁止なのが残念。
展示物の1つに、ニューヨークで発刊された元の料理本が展示されていました。「La Cuisine Creole」(クレオール料理)というタイトルで、1885年発行のものでした。