私は、ガボンをこのように旅しました。
その中央部アフリカの旅は、ひたすらジャングル地帯の旅。熱帯雨林気候のアフリカ大陸の旅。コンゴ共和からガボンへ入国し、首都のリーブルビルへ向かった。リーブルビルでは次なる国々のビザ取得や移動の情報を集め、不安定なアフリカの旅で計画を立てていた。そして次の国を赤道ギニアとし、リーブルビルの乗り合いバス乗り場「PK8」(ペカユイット)から「ココビーチ行き」と掲げるミニバスに乗り込んだ。・・・しかしそのバスは、なぜか南へ向かっていった。
南に向かう道と、東へ向かう道との分岐点。南から来たのに南へ戻るわけにはいかない。だから分岐点で降ろしてもらい、料金でもめる点では警察に入ってもらい、そして東の道から北上するルートへと変更した。トラックをヒッチし、ンジョレからは乗り合いバスに乗り、ひたすらジャングルの道を走って夜20時にラララに着いた。
もうその時点では暗かったから、ラララが町なのか村なのかも分からなかったが、今Google mapを見てもジャングルだ。
そこには一軒だけ宿があった。バー兼食堂もあった。だからそこで夕食にありつけたのは本当に有難い。
わーーー!!!
見てみて!!!やったね、これぞガボン料理と思える、野生の肉の煮込み料理です!!!
いつも私は旅先で料理を頂くたびに、地元の人に料理名を聞いています。フランス語は苦手だけど、ガボンで私が使える言葉はフランス語しかない。そして、地元の人もまた、フランス語が苦手だったり話せないときもあって、100%流暢に会話が通じることは少ないのだけど、この野生の肉料理を「シャーウィア」と教えてくれました。
シャー(Chat)って猫だよね。
フランス語でなく地元語だと猫じゃないかもしれないけど。
シャーが食材の名前ならウィアは細分類の名前か?(例:シャムネコ)
もしくはシャーの生息地の名前か?(例:ヤマネコ)
それともシャーの調理法の名前か?(例:ネコ鍋)
あるいはシャーの味付けの名前か?(例:塩ネコ)
またはシャーに加える食材名か?(例:肉じゃがならぬネコじゃが)
そっか料理名総称がついたのかも?(例:サバ寿司ならぬネコ寿司)
私の旅の絵日記。
(懐かしいのでときどき載せていきますネ☆)
その「シャーウィア」について、レストランの人は、大きさはこのくらい、周囲の森にいること、走り方、などなどを教えてくれました。私と夫は「ヤマネコだ」と思いました。夫によると、はく製があったか、写真を見せてもらったか何かで、「ヤマネコ」と確信したことを今でも覚えているそうです。だけど私が未だにエビデンス(根拠)のない状態でいるのも確かで、確実なこととは言えない状態です。
* * *
あれから何年も経った今。
今私は、常々、「これまでの旅の経験を無駄にしたくない」と思っている。だから、ガボンのラララというジャングル宿で食べたあの料理が、ヤマネコなのかそうじゃないのか、いつかちゃんと知りたいと気になってきた。だから、今回、検証してみることにしました。
* * *
◆1)「シャーウィア」の検索
例えばChaouiaなど、シャーウィアと読みそうな綴りを何十通りも考察して検索したが、1日がかりでも写真の料理になるような動物は見つからなかった。
◆2)「Biodiversity and local priorities in a community near the Ivindo National Park Makokou, Gabon」(≫こちら)
ガボンの食糧について現地語が載っているPDF資料を探した。
「Ngomba (Porc epic/Athérure) 」のように、現地名称と国際名称が併記されているのが良い。魚類や哺乳動物のほか、鳥類やワニ類なども幾つも名前が載っている。動物に生活を依存していることがよく分かる。
このように幾つかのサイトを見て、あのときのレストランの人の説明に合いそうなサイズや生態の動物を探すと、ヤマアラシ(Atherurus africanusまたは porc-épic)、ジャコウネコ(Servaline genet)、アフリカゴールデンキャット(Chat doré africain)の3つが可能性が高いと思えてきた。
▼ヤマアラシ
▼ジャコウネコ
▼アフリカゴールデンキャット
これらは、地球上の分布を確認しても、どれもガボンにドンピシャである。・・・うーん、あのとき肉を食べて「レモングラスの良い風味♪」って思ったんだよなあ。ジャコウネコって肉に香りがあるって言うものなあ。しかしガボンのヤマアラシは旨いらしいし、「シャー」の名を言っていたくらいだからアフリカゴールデンキャット(Chat doré africain)なのかもしれないなあ。
夫とも相談して、そのときの旅の資料や記録も見返して、この料理は、ジャコウネコかアフリカゴールデンキャットとしておこうということになりました。つまりはどちらをとっても「野のネコ」、日本語の俗語感覚では「ヤマネコ」でよいでしょう。
* * *
見てみて!!!やったね、これぞガボン料理と思える、ヤマネコの煮込み料理です!!!
この動物の候補を2つまで絞り込むことができました。間違えているかもしれないけれど、少なくとも、何もしないよりは前進したと思う。人生ってそういうもんだと思う。
* * *
ガボンのように天然資源に大きく依存している国では、人々の経済活動や生活はかなり森林に依存している。
だから、
あれが本当のガボン料理。都会はそうじゃなくなってしまったけれど。それは仕方ないことだけど。
こんなガボンの森の中で、
アフリカ熱帯雨林そのものの森の中で、
森の料理を出してくれた。ここに来て本当に良かった。
その日はビールも飲みました♪
「ガボンと言えば」のビール、「レガブ」です。
アフリカで飲むビールって美味しいんだよねー。
野山の食材を食べるアフリカは、食材の味が美味しいから、食事が美味しい。一言で言うと、アフリカ料理は美味しい。美味しい料理と飲むのだからアフリカで飲むビールは美味しいと思うのです。
これが泊まったお宿。翌朝撮影したから全景がよく分かる。
楽しかったなあ。
熱帯雨林の国の、森の中のオーベルジュ(宿)。
l’auberge forestière en gabon…
こういうところに泊まって、
ヤマネコかなと思う料理を食べて。
いいね。
「これぞ、旅」、ですね!