ギリシャのナスのサラダは「メリザノサラタ」か「メリジャノサラタ」か

夏になると作りたくなる、ナスの冷製サラダ♪♪
なぜならば夏はナスが美味しいから♡

焼きナスは日本でも人気の料理ですね。しかし夏の暑い日にオススメしたい料理は、にんにくとレモン果汁を利かせて冷たい超さっぱりと作った焼きナス料理です。

写真はギリシャ料理の冷たい焼きナスサラダです。

さてこの料理。現地の表記では「Μελιτζανοσαλάτα」と書きますが、今回「Μελιτζανοσαλάτα」の適切な日本語カタカナ表記は「メリザノサラタ」か「メリジャノサラタ」かという壁にぶつかりました。私自身はギリシャ人の発音を直接聞いたことがなく、これまでメリジャノサラタの表記を使ってきたこともありました。しかしよく知りもしないで書いてちゃダメだと思い、今回検証したのでその過程と結論を記事にします。

＊　＊　＊

◆１）英語版Wikipedia「Greek alphabet」（≫こちら）

「Μελιτζανοσαλάτα」の文字を分解し、それぞれの音価を書き出します。

Μ　－－　m
ε　－－　e
λ　－－　l
ι　－－　i
τ　－－　t
ζ　－－　z
α　－－　a
ν　－－　n
ο　－－　o
σ　－－　s
α　－－　a
λ　－－　l
ά　－－　a
τ　－－　t
α　－－　a

蛇足ですが、ギリシャ文字って数学と物理に慣れていると読みやすいですね。
「λ」（ラムダは波長）→「L」の音
「ζ」（ゼータは電位）→「Z」の音
「ν」（ニューは振動数）→「N」の音
みたいに(*^_^*)
物理とか好きなので嬉しいです♡

さて、子音と母音をくっつけて検証します。
Με　－－　me　－－　メ
λι　－－　li　－－　リ
τζα　－－　tza　－－　ツァ？ザ？ジャ？
νο　－－　no　－－　ノ
σα　－－　sa　－－　サ
λά　－－　la　－－　ラ
τα　－－　ta　－－　タ

ということで二重子音の検証の必要が出てきました。上の英語版Wikipedia（≫こちら）の下方にあります。

すごいね、μπはmpなんだけど、mpで「ｂ」の音になるんだね。
そして肝腎の「τ」を含む二重子音は、
ντ　－－　nt　－－　[d]　－－　ドゥ
τζ　－－　tz　－－　[dz]　－－　ズまたはヅ
τσ　－－　ts　－－　[ts]　－－　ツ
でした。
英語読みに慣れていると「tz」はむしろ「ツ」だものね。いかんいかん。

よって「Μελιτζανοσαλάτα」は「Melitzanosalata」であり、tzaの部分は発音記号では[dza]、つまり「ザ」のような音になります。

そういえば、ギリシャの美味しいにんにくヨーグルトも「τζατζίκι」と書いて「tzatziki」と綴って「ザジキ」で通用しているものね。だから、ギリシャの美味しいナスサラダも「Μελιτζανοσαλάτα」と書いて「Melitzanosalata」と綴って「メリザノサラタ」として、何の問題もないと思いました。

ということで、少なくともこの時点で、メリジャノサラタという表記はないなと思いました。

しかし、現地の話者の発音も確認しなければなりません。

◆２）動画で発音を聞く
Youtube「Αυθεντική Μελιτζανοσαλάτα」（≫こちら）

5:07　メリザノサラータ
ちょっとだけ気になったのが、1:10メリジャーノ、5:00メリジャーナという音が聞こえるようでもあります。

Youtube「Μελιτζανοσαλάτα καπνιστή | Alexandros Papandreou」（≫こちら）

0:24　メリザノサラタ
0:22でもメリザナが聞こえてきます（メリザナ＝ナス）。あと0:24は若干メリザノシャラータにも聞こえるような。

Youtube「Μελιτζανοσαλάτα θαύμα – Paxxi 1min C94」（≫こちら）

0:03　メリザノサラタ
これが完璧に聞きやすい。

ということで、３例中すべてが「メリザノサラタ」でした。

＊　＊　＊

＊　＊　＊

さあ、美味しそうなツヤツヤのナスが手に入ったら、焼きナスを作ってみませんか！！

キッチンの中で上手に焼きナスを作るのはちょっと大変ですか？　キッチンの中でなら、魚焼きグリルやオーブンを使ってガンガン皮を加熱しますが・・・。

アウトドアなキャンピングガスがあれば完璧に焼けます。

今私がよくやるのが、バーベキューのついでにナスを焼いてしまうというやり方です。

夏になると作りたくなるメリザノサラタは夏の納涼レシピです♪♪　ナスの身が甘くて美味しいよ～。にんにくが利いて旨いよ～。是非レモンを利かせて、冷た～く作ってみてください！！