菜園の夏野菜があれば「Tian」を作りたい♪
この料理には「Tian de légumes」や「Tian provençal」、「Tian niçois」といった名前がついています。「Tian」は、以前イタリアのサルジニア島で名称を検証してきた「Tianu」(現地名:ティアヌ)と同じ、オーブン耐熱浅皿のことです。
サルジニア島/サルデーニャ島に来て「Cabone in Tianu」の料理名の意味を聞いてきました。
「Tian provençal」は「プロバンス地方風Tian」。「Tian niçois」は「ニース風Tian」。これらの名前からも、この料理は南フランスの伝統料理であることが分かります。「Tian」はネットなどではよく「ティアン」と書かれるのですが、しかし、本当にそうなのか? と、どこか、気がかりな気持ちが頭から離れません。
そこで、動画を使って、現地の人の「Tian」の発音を確かめてみようという気になってしまったのです。そして、結果から言うと、「Tian」は「チョン」だったのです。
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◆Tian d’aubergine – 750g(≫こちら)
0:26 ケスクセアチョン?
qu’est ce que ç’est à tian?
(チョンとは何ですか? あるいは 何のチョンですか?)
0:27 チョンドーベルジン
tian d’aubergine
(なすのチョン)
◆Recette du tian de légumes(≫こちら)
0:11 チョンドレギュム
tian de légumes
(野菜のチョン)
◆Recette du chef : tian de légumes(≫こちら)
0:15 チャンドレギュム
tian de légumes
(野菜のチャン)
◆Recette : tian provençal(≫こちら)
0:07 ルチョンホボサイラ
Le tian provençal
(プロバンス風のチョン)
ところでこれ、100回聞いても「provençal」がホボサイラに聞こえる~。roが喉発音だからあとはpが隠れてvenがボンになってçalの音が揺らいで泳いでサイラになっているのかな。
◆Google翻訳
Le tian provençalは「ルチョンプロボンサル」
(プロバンス風のチョン)
◆Recette : Tian à la provençale d’Isabelle – Les Carnets de Julie – La ratatouille(≫こちら)
0:27 チオン(Tian)
0:33 プロボンサル
「provençal」は上のホボサイラよりプロボンサルのほうが安定して落ち着くわ。
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さあ、このように、発音を聞いたすべてで「Tian」は「チョン」と言える結果でした。
<理由の考察>
フランス南部は本来パリ方面とは違う言葉がありました。文化的統一から標準語としては使われないものの、現地では南部方言として今も残っている。ほら、よく「イタリア語とスペイン語は似ている」って言うじゃない? なんでフランスをかっ飛ばして?って思われているかもしれないけれど、南部フランス語方言はイタリア語やスペイン語に似ていて、本来はイタリアからスペイン・ポルトガルまで一帯の類似言語があった。
だから、「Tian」は、その地元の料理の名称なのだから、地元の言葉で「チョン」と言えばよいのではないかな。
<結論>
当サイトでは、南仏料理として「Tian」を掲載するときには、1)プロバンス地方の名称から「チョン」と表記する方法と、2)文字に忠実な読み方として「ティアン」と表記する方法を、場合によって片方あるいは両方を採用しようと思う。(※)
※もうひとつの可能性として、標準フランス語でもTianはティアンではなくチョンと読むのかもしれなくて、でも標準フランス語の発音を検証できていません。機会があれば、フランス北部の人がTianの綴りをどう発音するかを検証してみたいとは思っています。
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菜園の夏野菜で「チョンドレギュム」♪
「自宅でフランス料理」だなんて言ったら、ちょっといい感じじゃないですか(*^_^*)
いいオリーブオイルを使って、トマトとにんにくを欠かさず、あとはなすやズッキーニや玉ねぎなどを、薄切りにして並べてオーブンで焼くだけ。
作り方はとっても簡単!!
お味はものすごく南仏プロバンス!!
暑い日に白ワインをキリっと冷やして、「チョンドレギュム」♪ 是非作ってみてください!!