先日、友人のYくんがご自身のサイト内に、私とこのサイトの評価を含めた記事を書いてくれました。3月31日の年度末という日でした。
*Y’s Wardrobe(≫こちら)
ファッションを得意とするYくん。友人として旅人として共有する想いや共感はきっと多い。今日は、彼の言葉を活用して、新年度のはじめの良い機会でもあるので、私のサイト作成コンセプトと、サイト作成に寄せる思いの一端を書いてみようと思います。お返事とリスペクトを込めて。
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この「世界の料理の総合サイト」を作り始めたきっかけは、4年3か月かけた、夫との新婚旅行でした。「その土地の食」(≫こちら)というページの更新をしていたおかげで、各国料理について飲食と調査をしながら旅することができました。識字率の低い国(マリ等)、発音がべらぼうに難しい国(ベトナム等)、文字がべらぼうに難しい国(ミャンマー等)などでは苦労しましたがその国の言語での綴りも必死で調査し、記録しました。当時、料理についてそれだけのことをしている旅サイトはほかにはありませんでした。そりゃそうです。旅人は旅している間は、旅をすることと旅を続けることで寸分の余白もなく忙しいのです。
出発前に立てた旅計画は、世界の全部の国を旅するものではありませんでした。出発当初の予定ではアフリカをちゃんと見たい私の要望から、夫は、アジアから欧州を経てアフリカのすべての国を旅し、その後、米州、太平洋とまわって帰国する予定を緻密に立てていました。
しかし、エリトリアで紛争が勃発。
ジブチ-エリトリア国境が、国境を越える目前で閉じた。
・・・アフリカをこれ以上旅することができなくなった。
アフリカ60か国のうち残りわずかの国を残したまま、私たちの旅は、急遽イエメンへとルート変更せざるを得なくなった。それはあまりに急だった。しかし・・・。
イエメンは美しい。美しい中東のアラブの世界に引き寄せられたかのようだった。何よりも、予定にない中東に来てしまった。でもアフリカが終わったら米州か、と思っていた私は嬉しくて、「中東に来ることができた。もしかしたら私は世界中で料理の情報収集ができるようになれるかもしれない。」って、思えたんですね。このとき、世界旅89か国目でした。最終的には世界247か国のうち230か国を旅して、1554日間の新婚旅行から帰国しました。
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帰国して、「世界の料理の総合サイト」の作成を始めました。作成の大きな動機は2つありました。
- 私が世界旅をしている間も、世界の料理を紹介したり作ったりする日本語サイトは幾つかありました。でも、言いにくい話ではありますが、現地に行ってみると、違う、役に立たない、間違えている、ありえない、書いた人がその国のことを分かってない(歴史背景や国を語る用語の使い方から話にならない)、と思えることの連発だったのです。その理由は、その国に行っていない、その土地でその食を食べていない、その国を見ていない。そしてそれらを挽回するだけの勉強が足りていないためだと理解できるのですが、だからこそ、私は旅した経験と学修を武器に、現地の文化と歴史も一層勉強して、鬼が金棒を持ったような、世界が伝わる内容の正しいサイトを作りたいと思ったのです。
- 上のような状況により、残念なことに私は旅している間に旅に役立つような料理情報を収集することができませんでした。だからこそ、次の旅人が使えるサイト、すなわちより生きた料理情報と正しい料理背景が得られるようなサイトを作ろうと思ったのです。旅人として、旅する人に役立てるサイトを作りたいとは、旅をしているときからの願望でした。
私はさらに実際に各国料理を調理し、レシピサイトの構築も着手しました。理由は簡単で、新婚旅行で夫と味わった料理を一緒に食べるのは喜びだからです。
・・・ただし裏の理由もあって、
- 「ソマリア料理はこうでこうで」って書き連ねるだけでは頭でっかちになってしまう上、世界が247か国しかないので、最大247ページを書いたらサイト作成が終わってしまう。
- 「ソマリア料理はこうでこうで」と書くと料理を「知りたい人」のみがターゲットになってしまう。しかしレシピサイトを構築すれば料理を「作りたい人」もターゲットとなり、閲覧者の層と数が増える。
- レシピサイト(ならびに考察や考証のサイト)を併設することで、世界の料理の「総合サイト」という位置づけを確立する。
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Yくんが書いてくれた
> (私のサイトは)情報発信者として届けたい人も明確だし、受け手としても内容が非常に明確です。
という言葉は私の意図通りで、意図が伝わって嬉しかった。
私のサイトはメインが3本立てです。
- 世界の料理レシピ・・・レシピと現地料理名を知りたい人向け。
- 各国料理について・・・国別食文化を知りたい人向け。
- So-glad life~旅と暮らし・・・作成者「あづさ」の旅と暮らしの日々。
そしてこれらの上の階層に、入り口としての総合トップページを置く形式をとっています。
上の1と2の2大コンテンツには、3は不要です。でも2大コンテンツだけだとコピペサイトでも作成できてしまうため、その作者(筆者)が世界の料理について日々考え、実践し、携わっていることの信頼性の担保のために、3の「作成者の日々」を作って独立分割する必要性が生じました。あと、1と2の2大コンテンツにも、コピペサイトでは真似できない要素を含めないと、それこそ本当にコピペされてしまうので、旅と料理の写真はすべて自分が撮ったものを使っています。
集客の方法について。
2大コンテンツが「知りたい人向け」なので、サイト集客はインターネット検索からのダイレクトインを想定しています(実際解析結果はそれが最多です)。検索において、画像検索も頻度の高いものなので、画像に直接料理名の文字を(現地の国の文字で)入れることで、画像検索で情報を探しやすく、目をひきやすくしました。
↓こんな感じ。
もうひとつ、今驚くことにサイト訪問の5%前後が英語ユーザーです(主人の旅サイト(≫こちら)だとその数字がもっと上がります)。私もチェコ料理を検証する場合にはチェコ語サイトを探して機械翻訳でチェコ語-日本語変換したりします。同様の方法で私の日本語サイトは外国人でも読めるため、外国のユーザーも利用しているのです。まさにこのサイト名をNDISH(エヌディッシュ)とした狙いはそこにあります。
NDISH(エヌディッシュ)は「国民食」の英語であるNational dishの略です。サイト作成開始前から、機械翻訳を使った英語ユーザーのアクセスが多くなることを想定し、サイト名は外国人も理解&暗記できるものとしました。よって例えば「sekainoryori.com」(世界の料理ドットコム)のようなサイト名は考慮しませんでした。「英語で意味をもつ名前。短い名前。ハイフンもアンダーバーもなし」を前提に、取れるドメインを探しました。本当はJALやANAくらいに短くしたかったけれど、流石に「.com」ドメインでは3文字サイトドメインは空きがなくて無理でした(苦笑)。
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情報を提供する立場として、大規模コピペなどは禁止を掲げましたが、右クリック禁止などの姑息(というか面倒)な処理はしていません。また、企業が利益目的でパクることは禁止を掲げましたが、学校の課題で各国の文化を調べるような児童/生徒/学生さんには情報使用の事前承諾も不要とするおおらかな姿勢でいます。おかげでコメント欄には児童/生徒/学生さんの宿題やレポートに活用した感想の比率が高いんです。嬉しいですね。情報を適切に共有できることと、教育へ二次貢献できることは喜びです。
しかし、Yくんが指摘するような、
> 誰かの内容を焼き増しした記事しか書けないサイト
に、まるっとコピペされたりしているのも事実ではあります。しかし、私の文章をまるっとコピペしたようなサイトは自然と潰れているものが圧倒的に多いのと、さすがグーグル、検索上位にはやっぱりあがってこないように思います。助かります。
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Yくんのサイト/ブログを見て、尊敬する点、書き出してみました。
- 服を着る人口はほぼ全人口なので、ファッションって誰でもできることですよね。その「誰にでもできること」つまり無限のライバルがいるジャンルで特化したサイトを作っていること。これが何よりすごい。努力と意欲を感じます。
- 簡単には作れない(作成に時間を要する)ページを、作り続けている。文章だけなら楽なところ、写真加工の手間もかけている。
- よく日々の出来事をFacebookに直書きする人いますよね。あれは簡単で楽なんだけど、執筆記事はFacebookに持っていかれ、自分のコンテンツに残らない。だけど彼は一度自サイトに記事を書いてFacebookにはリンクを張ることで、拡散の場所と蓄積の場所を明確に使い分けている。
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私は、Youtubeの広告にあった、「好きなことで、生きていく」という言葉が大好きです。自分の夢をライフワークにして、自分の好きなことで生きていく。いいですよね。それが兼業であってもなくてもそこには何の問題もない。理想の自分に近づく努力をするという人生が美しいのだから。
でも同時に「好きなことで生きていくには才能が必要である」という言葉もまた真なりです。だからこういうことができない人もいっぱいいます。
Yくんの記事に書いてあった、
> 自分の得意分野と「極め」、そしてそれを「深める」。すごく大事なことだと再認識した。
これ、私がいつも思う表現で言えば、1つ1つを毎日並べるように書いた「平屋づくり」の記事も必ず「高層住宅」になる、ということに似ていると思いました。情報は集まると統合され、情報に階層をもち、情報の深さから信頼が深くなります。目指したいのは、そこなのです。
私も、そういう孤高のサイトへ極め、抜きでて、日本一のサイトへ。これだけは決めています。Yくんのサイトには動機として「好き」や「得意」を書いているけれど、私の場合はそれらに加わって、「夫への感謝」と、なんというか、これだけ世界を旅した「意地」も加わります。日本一になるように勝負したい、不得意な分野(歴史や地理背景などに)挑戦したい、博学な夫から多くのことをを吸収したい、そして元来の「勉強好き」などの気持ちも協奏しています。
ぐっときた言葉。
> 今日で年度納め。何かを辞めるにも始めるにもちょうどいい。
Yくんがこれを書いたのが3月31日の年度末でした。
私は、誉めてくれた感謝と感激とリスペクトをこめて、4月年度はじめの最初に、この記事を書き残します。
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初めて会ったのは、互いに長旅の中でした。
メキシコのカンクンで、メキシコ人の家で一緒に寿司パーティーをしたね♡
(マッチョな男性はメキシコ人友人です。Yくんは左の手です)