サルジニア島/サルデーニャ島に来て「Cabone in Tianu」の料理名の意味を聞いてきました。

2016/12/30

『家庭で作れるサルデーニャ料理』という日本語書籍の53ページには、イタリアの離島であるサルジニア島(サルデーニャ島)の『鶏肉の煮込み』が掲載され、「Cabone in Tianu」(カボーネインティアヌ)という現地料理名が記載されています。

聞いたことがない単語だったので、興味があってイタリア語の辞書を調べてみる。
しかしイタリア語の辞書では見つかりませんでした。

ネットで探しても見つからない。
うーん。

そして2年近くが経過した今、私は、サルジニア島(サルデーニャ島)へ足を運べる機会を得たのです。もちろんこの料理名の意味を知ることを旅の目的の1つとしました。

* * *

サルジニア島ではサルド語という言葉が話されているので、ここがイタリアであってもイタリア語の辞書等で見つからない単語であるということは、サルド語による料理名だろうと思いました。

サルジニア島に到着してから、英語・イタリア語・サルド語の3つが出来る人に会うたびに、この単語の意味は何かと聞いてきました。

でも、みんな知らなかった。

オルビアOlbiaで聞いてもだめ。(北東部海港都市)
サッサリSassariで聞いてもだめ。(北部都市かつサルジニア第二の都市)
アルゲーロAlgheroで聞いてもだめ。(北西部都市)

皆共通して言うことは、これはイタリア語ではないという。
じゃあサルド語?
しかし皆サルド語が話せるのに、この意味は分からないと言う。

「サルジニア島には20の方言がある。北部の我々が分からない言葉だからこれは南部の方言だと思う。」と言ってくれる人もいました。

そうして、島の中南部バルーミニBaruminiへ。
今回の旅の行程に照らしても、島南部にあたるここバルーミニが最後の綱。
博物館の受付に屯していた3人のおばちゃんたち(英語は話せません)に、拙いイタリア語で質問をしてみると。。。

す!
すごい!

おばちゃん全員分かってる!!!

流石南部だ \(^^)/ ばんざーい

サルジニア島はスペイン語の単語も混交しているという事前情報と、そもそもイタリア語そのものにもスペイン語とフランス語には共通する語幹の単語が多いことから、スペイン語もフランス語も多いに交ぜてしまって申し訳ないですが、それでもこちらは何とか聞き取りをしたくて精一杯質疑応答の会話を成立させるために文章としての単語を並べて発していきます。そうして努力は結実し、無事に解決することができたのでした。

意味は、
Cabone=鶏肉
in=英語のinと同様の用法
Tianu=セラミック製などのオーブン耐熱容器

Tianuについては、おばちゃんの1人が博物館の書籍を開いて、下の写真のページのほか、数ページの写真を見せてくれたのです。「これこれ、これがティアヌよ」と言って、更に「セラミック、セラミック」(陶器、陶器)と反復して教えてくれました。

Tianuの意味

「Cabone in Tianu」(カボーネインティアヌ)は、イタリア語だと「Pollo in Tegame」や「Gallo in Tegame」でよいそうです。英語だとさしずめ「Chicken in the pan」のような意味です。私は「Cabone in Tianu」(カボーネインティアヌ)を「陶器製などの耐熱容器で作る鶏肉料理」のように解釈して使っていこうと思います。

ヤッタヤッタ、解決♪ ∩(´∀`)∩ ワーイ♪

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なお、日本語書籍記載の使用材料は、鶏肉、オリーブ、玉ねぎ、オリーブオイルなどでしたが、おばちゃんたちは唐辛子も入れるとのことです。また、日本語書籍には書いていなかったのですが、「コペルチオ」(必ずフタをして作るように、イタリア語のcoperchio)と何度も念を押して教えてくれました。

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サルジニア島ってどんなところ?

Tianuの意味

島なので海があるのは当然なのだけど、想像以上に広大で、急峻な山が多くて、草原には羊がいっぱい。巨石文化の遺跡が無数にあって、旅人の心を満足させる土地です。写真は近くの峠の上から見たときに私が気に入ってしまって、レンタカーで訪れた、モンテレオネロッカドリアという天空の村をふもとから見上げた、まるでイエメンのコーカバンのような光景です♪ 素晴らしいです。

イタリア統一から強烈なイタリアンフュージョンの中にも、スペインの文化、フェニキアの文化、地中海性の豊かな食材、羊がたくさんいて、魚介類にも恵まれている。人々は文化を守る気持ちがきっとあって、良い意味で保守的で、きっとこれからも、サルジニア島独自の料理はこの島に残っていくように強く思えた。

私はといえば、サルジニア島に住み続けるわけではないので、目線はいつも一生長く続く日本での生活です。
世界を旅することで、日本で作り続けていけるお気に入りの料理に数多く出会いたい、日本で家族と続く暮らしをいつまでも楽しく素晴らしいものにしていきたいと思っています。

料理は、文化そのものですから、学ぶことが楽しくて、有意義で、やめられない。
世界の料理を学ぶことを、やめようと思ったことがない。
学び続けられる分野を見つけられたことは、一生の宝物を得た気持ちです。



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